世界の動きを英語で追う

世界と日本の最新のできごとを、英語のキーワードを軸にして取り上げます。

ウォールストリート大規模インサイダー取引摘発 Octopussy

2009-11-06 | グローバル企業
2009年11月6日(金)

3週間前に、IBM、Intel、Moody’sを巻き込んだインサイダー取引の容疑でthe Galleon hedge fundの創始者Raj Rajaratnamが逮捕されたが、木曜日に、これに関連して弁護士、Moody’sのアナリスト、証券会社Incremental Capitalの創始者など14人が、マンハッタン地区連邦検察局に、約4000万ドルの不正利益を得た容疑で訴追された。

担当検事は、「これは、世界的に有名な会社の内部に通じる’不埒なインサイダーへの鉄槌’(a clampdown on “unscrupulous insiders with connections to some of the best known companies in the world”)だ。」と語っている。

検察当局とSECによる今回の捜査の中心にいるのは、元the Galleon hedge fundに勤務していて、数ヶ月前にIncremental Capitalを立ち上げたZvi Goffer氏である。同氏に付けられたあだ名は、オクトパシー(Octopussy)。彼の情報網が、蛸足のように企業内に張巡らされてきたことを形容したものである。

企業内にいる内報者(tipsters)には、プリペードの携帯電話を渡し、追及の手が伸びたときの証拠を残さぬようにしていたことなどの周到な準備があったことが明らかになりつつある。また弁護士の中には、現金の運び屋の役目をしていたもの、自分が顧問を務めている会社の情報を流していたものが含まれている。

そして本件の立件に当たっては、大規模な盗聴、囮捜査、容疑を認めた者からの捜査協力があったことを当局は認めている。IBMやIntelなどの大企業の内部情報が、不正利益のために利用されたこともあり、捜査の展開が注目される。