日々の恐怖 11月27日 高校球児の朝は早い(1)
高校に入学したての、ちょうど今頃の時期だった。
野球部の朝練で5時には家を出なければいけなかった。
家を出てちょっと歩くと女の子が顔をうずめて座ってる。
お下げ髪でピンクのワンピースに赤い靴だ。
“ 見た感じ、7、8歳くらいかな・・?
こんな時間にどうしたんだろう・・・??”
とは思ったけど、急いでたしスルーしようと思ったら泣き声が聞こえた。
“ なんかちょっと変な声・・・。”
でも、これをスルーしては高校球児の名がすたる。
「 どうしたの?」
と声をかけると女の子が顔を上げた。
いや、女の子ではなかった。
70過ぎくらいの婆さんだ。
俺は、
「 うおっ!」
て声出して仰け反った
身長が100センチくらいしかない小さな老婆だ。
ガリガリに痩せてて骨が痛い感じ。
でも、髪が異様に黒くツヤツヤしてる。
“ そらまぁ、誰だって驚くでしょ? ”
もうテンパって、その場を去ろうとするとその老婆が、
「 私いくつに見える?」
って聞いてきた。
“ いくつも何も、婆さんやんけ・・・。”
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