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日々の出来事 12月14日 南極

2018-12-14 09:20:08 | A,日々の出来事_





 日々の出来事 12月14日 南極





 今日は、ロアルド・アムンゼンが人類で始めて南極点に到達した日です。(1911年12月14日)
ノルウェーのロアルド・アムンゼンは、イギリスのロバート・スコットと人類初の南極点到達を競っていました。
 アムンゼン隊は、1911年10月19日に、南極のクジラ湾から犬ぞリで南極点を目指し出発しました。
また、1911年11月1日にスコット隊は馬そりの雪上車を使って、より遠いマクマード湾から出発しました。
 そして、結果は、アムンゼンがスコットより一ヶ月早く南極点に到達し、スコットが来たときには、既に南極点にはノルウェーの旗が立てられていました。
この旗の所には、スコットに宛てた手紙と食料が置かれていました。
この手紙には、北極点到達にビアリーに先を越されたアムンゼンの心境が書かれていました。(内容は、スコットへの思いやりの手紙です。)
失意のスコット隊は帰還途中に遭難し、全滅してしまいました。
 この到達時間の差は何処にあるかと言うと、寒さに強い犬ぞりと寒さに弱い馬と重い雪上車、装備としては軽くて防寒性に優れた毛皮服の採用によるものと言われています。









  ロアルド・アムンゼン















☆今日の壺々話









絵本“こねこのタケシ”について




 タケシは南極第一次越冬隊と一緒に南極へ行きました。
そもそもは野良猫が産んだ仔で、動物愛護協会に保護されたようです。
タケシという名前は観測隊長の名前をとったとか。
 タケシは3か月の船旅を経て南極に着きました。
犬ぞりの訓練を受ける犬たちとは違い、タケシの仕事は疲れた隊員たちの心をなごませること。
すっかり人気者になったようです。
 越冬の間には大けがもしたらしい。
それでも無事に回復し、一年が過ぎて第二次越冬隊との交代の時が来ます。
 この交代の時があの「タロー、ジロー」の物語となる発端で、犬たちは結果的に置き去りにされてしまったけれど、作間越冬隊員のそばを離れなかったタケシは、隊員たちと一緒に日本に帰ることができました。
そうそう、カナリヤも無事に帰ったようです。
 その後のタケシですが、タケシを抱えて連れ帰ってくれた作間隊員の家で飼われることに。
しかし、南極しか知らなかったタケシは、そこが自分の家とは思えなかったのか、1週間一緒に暮らした後、ふと見えなくなり、それきり帰ってこなかったそうです。
タケシは昭和基地を探して旅に出たのかもしれません。

 絵本のあとがきに作間隊員のことばが載っています。

” タケシの魂は、昭和基地にいっているはずですから、ぼくも命が終えるときにはタケシに会えますよ。
そうしたら、ずっと探して待っていたんだよって言ってやりますよ。”

この絵本には本物のタケシや貴重な昭和基地の様子の写真も載っていて、とても興味深いです。
















流しソーメン






 小堺一機っているよね、ごきげんようの小堺くん。
その父ちゃんがスシ職人で、南極観測隊に同行して観測隊専属のコックしていたんだけど、真っ白世界の南極、娯楽は大してない、食材が少ないから食事だって単調になってくる。
職人・小堺父だって、いい加減レパートリーは尽きてくる。
 小堺父は、思いついた「今は夏だから、流しそうめんしてみないか?」っていうけど、ココは南極、氷の世界。水を流した途端にコッチコチ。
でも、ここは娯楽の少ない南極、観測員たちは喜んで雪や氷の上に溝を掘って流しソーメンのコースを作って、たちまち凍るスリルあふれる流しソーメンを楽しんだ。
 その楽しそうな様子を物陰からじっと見つめる人たちがいた。
その名は、イタリアの観測チーム。
翌日、彼らは流しスパゲティをやっていたそうだ。
娯楽は感染するもので、他の国の観測隊たちにも一時流行したとのこと。
















     世界一周




「 さあ、ノルウェーの旗を南極点に立てたぞ!」
「 一番乗りですね。」
「 じゃ、記念行事をするぞ。」
「 何をするんですか、アムンゼンさん?」
「 ほら、旗の周りを一回転!」
「 それって・・・・?」
「 アハハハハハ、世界を一周した!」

これは、世界一周として認められています。
















南極越冬隊




 南極越冬隊の話なんですが。
南極では燃料や食料の節約のため、アザラシをちょくちょく捕獲するそうなんです。
 で、捕まえたアザラシは内臓を抜いて厚い皮下脂肪と食用になる肉とに分けるそうなんですが、ある日、捕まえたアザラシをいつものように解体したところ、胃の中に妙にゴツゴツとしたものが入っているのに気付いたと。
 アザラシはペンギンを丸ごと食べる事もあるので、未消化のペンギンでも入っているかと思ったけれどそれにしては形がおかしい。
気になるので胃を開けてみたところ、なんと人間と思われる骸骨と背骨やあばらの一部が入っていたそうです。
 金髪の長めの髪が付いていたのでサルの類ではなく間違いなく人間だろうと。
しかし、他国の観測所に問い合わせてみても、該当する遭難者の類は存在しない、と。
しかもその骸骨、冷静になって見てみると額のところに眼窩と同じ様な穴があいている。
それは、銃で撃たれたか槍で突かれたの類か。
 いずれにしても怖いので、報告はせずにそのまま海に流して葬ったそうです。
その人物はそれが不思議でたまらず、今でもちょくちょく夢に見るそうです。


















     ペンギン




 ジョニーが街でペンギンを拾った。
困った男は友人のケインに電話して相談した。

「 なあケイン、ペンギンを拾ったんだけど、どうしたらいいだろう?」
「 そんなの動物園にでも連れて行けばいいだろ。」

翌日、ケインはジョニーがペンギンを連れて歩いているのを見かけた。

「 おいジョニー、昨日は動物園に連れて行かなかったのかい?」

するとジョニーが答えた。

「 ああ行ったよ。
 だから今日は遊園地にでも連れて行ってやろうかと思ってさ。」

















魔法のランプ




 男がバーに入り、ポケットから小さなラケットを2本と小さなボールを1つ、そしてこびとを2人取り出してカウンターに置いた。
こびと達はそれぞれラケットを持つと、テニスを始めた。
他の客がそれに気づいた。

「 おい、なんだいそりゃ!」
「 30センチのテニスさ。
ほら、ここに魔法のランプがある。
これをこすって願いを言えば叶うんだ。
で、俺はこれを手に入れたのさ。」
「 俺もやってみていいか?」
「 どうぞお好きに。」

しばらくすると、バーは100万羽ものペンギンでいっぱいになってしまった。

「 なぜペンギンなんだ?
俺が頼んだのは100万円の現金だぜ!」
「 あんた、俺が本当に30センチのテニスなんて欲しがると思うか?」



















   嫁に関する相談





動物好きの家内と一緒に「皇帝ペンギン」のDVDを見たのですが、
それ以来、家内が皇帝ペンギンの真似をするので困っています。
私は一体どうすれば良いのでしょうか。

旭山動物園につれてってあげなさい。

貴重な情報有難うございます。
計画してみます。

いま私の横で、足の上に手当たり次第いろんなものを置いて暖めています。
もう、どうしてよいか分かりません。

寒い中の行進かとオモタ。
子供ほしいじゃね?

廊下を歩くときはペンギン歩きです。
リビングの広いスペースで、おなかで滑ったりもしています。
足の上で何かを温めつつ、それを俺にパスしようとしてきます。
うまく足で受け取らないと怒ります。
DVDのせいで、変なスイッチが入ったようです。
ペンギンの前は、動物園で見たカピバラの真似ばかりしていました。
ちなみに結婚8年目です。
確かに子供が欲しいのかも知れません。


















寒い






「 へー、こっちはもう落葉してんのか・・・。
ヘーックショイ!
それにしても、寒いったらありゃしねえ。」

震えながら校内を見学して回る俺に一人の女子大生が声をかけた。

「 あら、アナタ見学の方?」
「 えぇ、まぁ…、やっぱ東京はでっかいですね。」

と、お愛想で感想を述べると、女子大生は突然大声で笑い出した。

「 あはは!
あ〜おかしい。
キミ、ちょっと田舎ものすぎだヨ〜。」

国の言葉が無意識に出てたのかもしれない。
 赤面してうつむくおれを気遣うように、おれが片手にしていた文庫を取り上げて言葉を続けた。

「 あら?
その文庫本、ちょっと見せて。
萩原朔太郎…。
『群集の中の孤独』…か。
この町にぴったりの言葉ね。」

彼女はそう言いながらもう一度笑ってみせた。
その笑顔はどこか儚げで、まるで「今の自分がそうだから」と呟いているように見えた。

「 ・・・・。」

 足元を走り抜ける木枯らしに、再度身を振るわせる。
すっかり葉も枯れ落ちてしまった桜の木が、彼女の横顔と被って見えた。

「 寒っ……。」

無意識に漏れた呟きに我に返ったのか、彼女は俺の手に文庫本を戻すと親指で構内を指ししめす。

「 あーっとゴメン。
こんな所で立ち話もなんだね、中に入らない?」
「 えっ?」
「 まだ構内見てないんでしょ?
ヒマなお姉さんが案内してあげるよ。」
「 えっ、良いんですか?」
「 良いの良いの。
ヒマしてんだからさー。」
「 げほっ!」

バンバンと背中を叩かれると、寒さでやられていた肺が悲鳴を上げる。

「 あ、ゴメンゴメン。
でも少し大げさだなー、キミ。」

演技のつもりは微塵も無い。
むせ返りながらも、俺は半ば強引に構内へと導かれていった。
 一通り各教室を見終えた俺たちは、ロビーに置かれた椅子にもたれかかり一息ついていた。
彼女はとても流暢に、そして笑い話を織り交ぜながら、一つ一つの部屋を丁寧に紹介して回ってくれた。
喋り方のおかしな名物教授とか、この部屋の何番目の席に座ると必ず問題を解かされるとか。
寮で起こった事件の話。
仲の良い友達の話。
大げさな身振り手振りを交えた、大方受験とは無関係な話ばかりの独演会が、楽しくて楽しくて仕方が無い。

 お陰でかなりの長時間を費やしてしまったことに気が付いたのは、最後の一部屋を回り終えた後だった。

「 なんかごめんねー、無理に付き合せちゃったみたいで。
はい、コーヒーで良かった?」
「 あ、有難うございます。」

差し出された紙コップを受け取ると、一口啜る。

「 ほうっ……。」

と白い息が口から昇る。
 大きめに作られた通路を外からの冷たい風が吹き抜けていて、屋外ほど寒くはないにせよ若干このロビーは寒かった。

「 はー、暖けー。
……あちっ!」

続けてもう一口。
慌てて飲んだため舌を軽く火傷してしまう。

「 あははっ、慌てないの。」

彼女はそんな俺の田舎者っぷりを、隣でココアを啜りながら楽しそうに眺めていた。
 視線が重なり、気恥ずかしさで少し頬が赤くなっているのが自分でも解る。
赤面してうつむく俺を気遣うように俺が片手にしていたコーヒーを手に取ると、彼女は言葉を続けた。

「 ところで、良い壺があるんだけど・・・。」

















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