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日々の恐怖 8月13日  夜が来たから(8)

2020-08-13 18:17:26 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 8月13日  夜が来たから(8)



 隣の人は、窓に寄ってカーテンを開けました。
外をのぞくと、私のとこからは見えない塀の中のお墓が青白く光ってて、たくさんの人がいるように思ったんです。

「 え、あれは?」 
「 死んだ人が少し出てきてるの。
夜だから。」
「 ええっ・・・??」 

ここで急にすごく怖くなったんです。
ロウソクの光に照らされた顔が、別人のように思えてきて。

「 私、戻ります。」

そう言って、逃げるようにして部屋に戻ってきました。
でも、相変わらず真っ暗で。
 すると、携帯が鳴ったんです。
番号は実家から。
 おそるおそる出てみると、やはり母でした。

「 お母さん、こっちも停電、これ、どうなってるのよ?!」
「 だから、夜が来たんだって。
もうすぐお父さんがそっちへ着くよ。」

私は携帯を放り出し、部屋の鍵をかけてベッドに逃げ込みました。







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