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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 6月12日 お守り(6)

2022-06-12 19:23:53 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 6月12日 お守り(6)





 実際に、母はあれだけの劇症にもかかわらず、左足を切断せずにすみました。
しかし発症した箇所は、まるで火にあぶられて焦げて炭になった肉のようになってしまいました。
とは言っても病状は平行線をたどり、3週間の入院が1ヶ月に伸び、2ヶ月に伸び、夏だった気候は、とうとう秋になってしまいました。
 その間にもいろいろと原因となってる菌の解析は進んでいましたが、どうにもこうにも決定打がなく、原因不明のままでした。
どれが効いているのかもわからない抗生剤を3種類、24時間点滴する生活が続いていました。
 そんな、どうにもおかしい状態が続いたある日のことです。
入院生活にめちゃくちゃ飽き飽きしていた母が、

「 なんかねえ、どうにもあれさぁ、繋がってる感じがあるんだよ。」

と、愚痴でもこぼすかのようにつぶやきました。
曰く、

「 例のあのキモチワルイ叫び声の主と、限りなく細い糸で繋がってる感じがする。」

と言うのです。
 なんとなく私も、あのキモチワルイ叫び声の主が一連の原因なんじゃないかなあとは思っていたので、

「 ああ、そっかあ・・・・。」

と頷きました。
 頷いたところで、知り合いに対処法に強い人なんていないし、どうすることもできないのです。
考え抜いた末に、私は私自身が最強だと思っているのお守りを持っていくことにしました。
 何かとお世話になっているお狐様を、母の病室に持っていくことにしたのです。
といってもこのお狐様、社に入っているようなお狐様ではなく、私が物心つくころから20ウン年間大事にしている、亡くなった祖母から貰った狐のぬいぐるみなんです。
このお狐様関連の不思議なお話は結構あります。
ちなみに屋敷守としてのお狐様も家にはいますが、今回はその方ではありません。
 とにかくその日、お狐様に、

「 母さんが良くなりますように。」

とよくよくお願いしてから、お狐様をバッグの中に入れて母の病室に行き、おもむろにお狐様を取り出して、

「 はい!」

と、布団の上から母の左ひざの上に乗せました。
 母は、

「 その子、持ってきたの・・・・?」

となにやら苦笑していました。










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