日々の恐怖 6月20日 お守り(7)
本当に、信心深いと言うか家にはお守りがたくさんあるのです。
まあ現状、趣味と言うより、昔からの我が家代々の慣わしといったところです。
どうやら母は、その中で天狗様を持ってくるのだと思っていたらしいです。
ちなみに、天狗様のお面をお借りしてくることも考えましたが、私は背が低くて神棚に祭ってあるお面に手が届かなかったので、今回はこれでという経緯があります。
なんやかんや世間話をしてる中、ずっとお狐様を乗せておき、そろそろ帰ろうと思い立って、お狐様を持ち上げた瞬間に、
” ゴロゴロゴロ・・・・、ドォオオオン・・・・!”
っていう感じで雷が落ち、鳴り響きました。
びっくりして窓の外を見ましたが、雲ひとつない快晴です。
「 あれ?いま、雷落ちたよね?」
と母を振り返りましたが、母はキョトンとして、
「 え?別に?何いってんの・・・・・?」
確かにあの時、私はゴロゴロゴロという地響きのような音と、バリバリバリともドォオオンともピシャアアアンとも聞こえるような、あの雷がものすごい近くに落ちたときの音を聞いたというのに、何を言ってるんだと、腑に落ちないながら、それでも、
” あ・・・、たぶん、これ、うまくいったかも・・・。”
とも思ったので、お狐様を胸抱え込んで、お狐様の頭を2,3回撫でてからバッグにしまいこんで、帰宅しました。
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