大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 12月24日 跳ね返り(6)

2016-12-24 19:07:35 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月24日 跳ね返り(6)




 再びみんなが仕事に就き、静かになった頃、俺はBさんの存在を思い出した。

“ おそらくトイレか喫煙コーナーだろうな・・・・。”

と見当をつけていたが、そこで俺ははっとした。
 まさかと思い、俺は慌てて部屋を飛び出し、Bさんを探した。
部屋を出てすぐにある喫煙コーナーにはいなかったので、トイレに向かった。
 男性用のトイレの扉を、押し開けようとしたが動かない。
足下を見ると人が倒れている。
Bさんだった。
 それからは大変だった。
生まれて初めてAEDを使うわ、救急車は呼ぶわ、と大騒ぎになった。
 脳溢血でトイレで倒れ、時間にして3、4分。
ここ最近の喫煙量や先程急に怒ったことが原因ではないかという話だった。
病院には上司が付き添い、俺は仕事場のケア、もといA君のケアのために残った。
 部屋に戻った時には既に知れ渡っていて、騒然としていた。
その時点ではBさんの容態については何とも言えなかったが、ざっと現状を説明し、とりあえず場は収まった。
 問題はA君だが、どう説明したってA君はショックを受ける。
俺が見つけた時、Bさんは呼吸が止まっていた。
 これは、激昂したBさんがA君に、

「 お前が息をしているだけで腹が立つ。」

と言ったからだ。
 偶然かもしれないし、Bさんの不健康体からしたらおかしいことではない。
でも、事実がどうあれ、A君はそう思うだろう。
 俺がどう言おうか悩んでいると、それでもう察したらしいA君が、

「 すみません。」

と小さな声で謝った。

「 A君のせいじゃない、しっかりしろ!」

と、先輩らしく言ったものの、内心困惑しまくりだった。











童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------