日々の恐怖 12月7日 太陽は沈まない(4)
2つ目。
夢の世界で鳥に噛まれた傷は現実にもあった。
私は夢の世界を臨死世界だと最初は考えていたのだが、だったら体に出た噛み傷はなんだったんだ、と今でも思う。
精神的に受けたと勘違いすると体には傷が浮かぶことがあると聞いたことがあるが、それだろうか。
ちなみに、倒れた時には全く外傷は無かったそうだ。
全身を鳥に噛まれていたらどうなったんだろうと思うと、今でもゾッとする。
3つ目。
実は私が気を失っている間に一人、クラスメイトが自殺していた。
Kという男子で私とは殆ど関わりの無いいわゆる不良だった。
周りの評判もあまり良くなかった。
どう評判が悪かったかは割愛するが彼の寄せ書きには、“太陽は沈まない”という記述があった。
彼が図書館で本を読んでいるところを見たことが無かったので驚いた。
後日、読む気は無かったが学校の図書館でもう一度本を探してみた。
本は無くなっていた。
その後、Kと仲の良かったSに話を聞くと、Kは私が気絶する前に読んでいた本を読んで見たかったようだ。
Sは止めたがKは聞かず、図書委員から聞き出して本を借りて行ったそうだ。
だが、読んだ時点では何も起きず、何故か燃やしてしまったそうだ。
その後、徐々にKはおかしくなって行き、最終的には自殺したそうだ。
寄せ書きは、おかしくなる寸前に書いたものだった。
その後は何も起きることなく、普通に大学を卒業して今は普通に仕事をしている。
読書は今でも大好きだ。
ただ一つ、作者不明の作品は読まなくなった。
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