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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 8月31日 こもる

2015-08-31 18:56:53 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 8月31日 こもる



 俺は実家で一人暮らしで引きこもりをやっている。
俺が20歳前後の時に両親が相次いで亡くなり、それ以来16年になる。
 怖い話は、こないだの金曜日の深夜2時くらいに起きた。
いつも通り二階の俺の部屋のベッドで携帯で記事を読んでいると、窓の外で、瓦屋根を踏むような音がした。
猫が時々来る事もあるけど、その時の音はもっと重い感じだった。

" まさか泥棒か!?”

と怖くなったが、マグライトを握って窓を開けると同時に点灯した。

「 うわッ!!」

と二人とも声を上げてしまった。
 やっぱり人間だった。
俺もビックリして尻餅をついたが、ヤツも同様だった。
 ヤツは、そのまま屋根から庭に転げ落ちて行った。
すぐに警察に電話して来てもらうと、ヤツは庭で気を失っていたらしい。
 それで、そいつ泥棒じゃなかった。
ウチは両親が亡くなって以来なにも手入れをしていない。
壁をツタが覆い、屋根も半分以上隠れている。
 そして俺は昼夜逆転の引きこもり。
午前4時半くらいに出掛けて牛丼かラーメンを喰い、24時間営業のスーパーで買い物をして5時半くらいには帰る。
近所付き合いもほとんどしていないので、子供達の中には、人が住んでいない廃屋だと思っている子もいたらしい。
 それで、ヤツもそんな高校生の一人だったらしい。
廃屋探検に行って自慢話をしようと思ったとかなんとか。
庭も雑草やら木やらでジャングル状態だったので怪我も無かったようだ。
 家は築25年の木造・和風でも洋風でもない普通のボロな家です。
外観は廃屋だけど中は普通です。
昔から住んでるそのままだから全然怖くはない。
 収入は親が残してくれたアパートの家賃収入で生活している。
ニート悪循環生活を続けていると、怖いとか孤独とか、あんまり感じなくなってきている。
むしろ外で人に会う方が怖い。









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