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日々の恐怖 8月17日 扉

2014-08-17 18:15:40 | B,日々の恐怖


     日々の恐怖 8月17日 扉


 義妹が地元の短大を出て暫く葬儀社に勤めてたんだけど、そこで色々面白いことがあったと言っていました。
 この葬儀社、社員6~7人程度。
田舎にある平均的な古い葬儀社で、それなりの大きさの斎場を持っていた。
 斎場には線香の番で泊れるようにいくつか部屋があって、一番奥の小部屋は、葬儀に使う設備や仏様の身の回りの品を、一時的に収納する場になっていたらしい。
そこの扉、普段は立て付けも悪く、締め切ってもガタガタゆれるくらいの安普請らしいんだけど、ごくたまに、まるで壁と一枚板になったように、閉じたままピタっと動かなくなるのだとか。
 ある葬儀の前夜、社員も泊まり込みで遅くまで作業してる折、入社間もない義妹が、納品されてきた香典返しの段ボールを閉まっておこうと小部屋へ向かい、初めてこの現象に遭遇した。
長い廊下の奥、薄暗い電灯の下、ぴくりとも動かない引き戸と暫し格闘する義妹。

“ おかしい?
中に誰か居るわけでもないだろうに、何か引っかかってるのかしら?
いつも締め切っていてもガタガタ動くくらいのボロ戸なのに?”

困り果てた義妹、古参の社員に相談。

義妹「 あの~、奥の部屋の扉が動かなくなってるんですけど・・。」
古参社員「 ・・・ああ、今使ってらっしゃるんだね~。」(ニッコリ)

頭が???状態の義妹に、追い打ちをかけるように、

「 小一時間もしたら開くだろうから、またあとで行ってらっしゃい。」

言われた通り1時間も経った頃に再度向かうと、引き戸は何事もなくスーッと開いたらしい。
 義妹曰く、

「 閉じた時の扉の向こうはどうなってるんだろ?
別世界とか?
それとも故人が、必死こいて引き戸開かないように押さえてるのかな?」

必死こいて反対側から故人に押さえられてるとしたら怖いです。



         






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