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日々の恐怖 3月27日 枕返し

2013-03-27 19:13:41 | B,日々の恐怖






   日々の恐怖 3月27日 枕返し






 知人のTが、幼稚園生の時に体験した話です。
Tが幼稚園生のとき、林間学校に参加した。
場所は、静岡県内の「○○少年自然の家」というところだった。
 当日は様々なレクリエーションを体験し、夕暮れ時には皆でカレーを作って食べたりと大変楽しめたそうだ。
その後9:00過ぎには、就寝となった。
 就寝部屋は、かなり広い長方形の畳部屋だった。
長方形の短い辺の一方に廊下に面した入口があり、もう一方には森に面した大きな窓があった。
30名ほどの園児たちは、そこに2列に布団を並べて寝ることになった。
 当時、背の順に整列する習慣があったので、一番背の低かったTは、最も端の扉側のスペースがあてがわれた。
そして、寝入った。
 翌朝Tが目を覚ますと、すでに室内には朝日が差し込んでいた。
眠気眼をこすりながら見るともなく周囲を見渡すと、ある違和感を感じた。
自分のすぐ横の壁に大きな窓がある。

“ 昨晩は、自分のすぐ横に廊下に続く扉があったはずなのに・・・。”

と訝しく思い、半身起き上がって周囲を見渡した。
すると、自分が昨晩とは真逆の森に面している窓側に寝ていることに気付いた。
 自分だけが寝ぼけて移動したのではないかと思い隣の子を確認すると、昨晩横に寝ていた子と同じだった。
全体を見渡すと、中心から折りたたむようにして園児全員の順番が真逆になってた。
 現在Tは三十路を過ぎているが、このときの体験を鮮明に覚えているそうだ。
しかし、誰に話しても、小さいころの思い違いだよと一笑されるのだという。
Tは後年、ある本の文中に“枕返し”という妖怪についての記述を見つけた。
そして、自分たちの体験は、きっと枕返しの派手なイタズラだったのではないかと考えている。
















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