俺はお守りを右手で持って目の前でもう一度見る。
お守りには、鍵を咥えた金色のキツネがチョコンと座っている。
“ このキツネ、なかなかスゴイヤツなのかな・・・・。
由紀ちゃん、気が利くな、ムフフフフ。”
俺は、お守りを持って来てくれた由紀ちゃんに感謝した。
“ このお守りあれば安心ってかァ~!
ふっ、ふっ、ふっ!
こりゃ、あの怪しい女の子だって、どうってこと無いぞ。
あと、問題は狸小路だけだ。
じゃ、取り敢えず、これ持って寝るかァ!”
俺は妙な安心感を持ち、お守りを右手に握って眼を瞑った。
「 い、痛いっ!」
突然、龍平の左手のぐう~に、俺の右頬がカウンターで襲われた。
俺はハッと眼が開いた。
病室は静かだ。
それに暗い。
“ そうだ、お守り、お守り!”
俺はお守りをちゃんと持っているか確認した。
確かに右手はお守りを握っている。
“ 病室、暗いな・・・・。
・・・・・・・・、ん?”
俺は握っているお守りを目の前に持って来た。
でも、暗くって、キツネがチョコンと座っている図柄が見えないのだ。
“ あれっ、さっきは見えたのに・・・・?
キツネ、暗くって見えないぞ・・・??
さっきは見えて、今は見えないって、どう言うことだ???”
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