大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道231

2009-05-29 20:27:52 | E,霧の狐道
 俺はお守りを右手で持って目の前でもう一度見る。
お守りには、鍵を咥えた金色のキツネがチョコンと座っている。

“ このキツネ、なかなかスゴイヤツなのかな・・・・。
 由紀ちゃん、気が利くな、ムフフフフ。”

俺は、お守りを持って来てくれた由紀ちゃんに感謝した。

“ このお守りあれば安心ってかァ~!
 ふっ、ふっ、ふっ!
 こりゃ、あの怪しい女の子だって、どうってこと無いぞ。
 あと、問題は狸小路だけだ。
 じゃ、取り敢えず、これ持って寝るかァ!”

俺は妙な安心感を持ち、お守りを右手に握って眼を瞑った。

「 い、痛いっ!」

突然、龍平の左手のぐう~に、俺の右頬がカウンターで襲われた。
 俺はハッと眼が開いた。
病室は静かだ。
それに暗い。

“ そうだ、お守り、お守り!”

 俺はお守りをちゃんと持っているか確認した。
確かに右手はお守りを握っている。

“ 病室、暗いな・・・・。
 ・・・・・・・・、ん?”

 俺は握っているお守りを目の前に持って来た。
でも、暗くって、キツネがチョコンと座っている図柄が見えないのだ。

“ あれっ、さっきは見えたのに・・・・?
 キツネ、暗くって見えないぞ・・・??
 さっきは見えて、今は見えないって、どう言うことだ???”



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