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日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

「高校無償化」裁判闘争続く

2013-12-14 09:00:00 | (淑)のブログ
 「高校無償化」からの朝鮮高校排除から4年が経とうとしている。闘いの場は、今年1月の大阪と愛知での提訴を皮切りに司法へと移り、次いで8月に広島が提訴。大阪では無償化適用とともに、府と市を相手取って補助金支給を求める、二つの裁判を係争中だ。さらに現在、九州、東京でも訴訟の準備が進められている。準備中の裁判を含めれば、民族教育権の保障に関する6つの裁判が各地で同時に闘われることになる。半世紀を超える在日朝鮮人の民族教育史において、初めてのことだ。

 準備中の東京、九州の提訴については、東京は年明けに、九州は来週に迫っている。
 九州では去る10月21日に、朝鮮学校を支える会を母体に、7団体で構成される「朝鮮学校無償化実現・福岡連絡協議会」が結成され、支援体制も固まりつつある。また、9月7日と11月9日には、弁護士による朝鮮学校生徒らと保護者への説明会がもたれるなど、提訴に向け地道に取り組んできた。原告に立つ朝高生と卒業生は約70人、弁護団は約50人の規模だ。
 編集部からは私が取材に当たる。九州の提訴に関する続報は本誌とブログで伝えます。

 運動の長期化が見込まれる中、2014年の月刊イオでは、来週刷り上がる新年号から始まる新連載で、「高校無償化」、補助金裁判について継続的に伝えていく。全国の動きをこぼさず追い、当事者と支援者らの声を届けることで広く世論を喚起し、日本全国の裁判運動、生徒をはじめとする原告ら、支援者たちを相互につなげ、いっそう運動を盛り上げていきたい。(淑)

ハルモニたちの学び舎

2013-12-13 09:13:08 | (相)のブログ
 

 先月の大阪取材の際の話を一つ。
 滞在期間中、印象に残った現場の一つが、地域の夜間識字学校「生野オモニハッキョ」だった。
 生野オモニハッキョの「オモニ」とは朝鮮語で母、「ハッキョ」は学校の意だ。主に在日朝鮮人1世の女性たちに日本語の文字を教える場として1977年7月、生野区桃谷の日本基督教団聖和教会内に開設された。当時の名前は「生野識字学校」。1世のオモニの、「生野区内に文字を学ぶ場がなくて、学べない人がたくさんいる」という問題提起がきっかけになったという。初めは生徒数人とスタッフで、教室は教会の礼拝堂だったとか。その後、生徒の数は増え、最盛期には80人以上にのぼったという。
 いくつかの紆余曲折を経ながらも、学校は今年で創設から36年を迎えた。現在は週2回、月曜日と木曜日に授業が行われている。生徒数は30人あまりで、近年ではオールドカマーに加えてニューカマーも多く学んでいる。
 講師を含めたスタッフは20人ほどで、みな地域のボランティアの人たち。このような活動を地道に36年間続けるというのは言うほど簡単ではない。頭が下がる思いだった。

 朝鮮半島から渡ってきた在日1世(および1世に近い2世)の女性たちは日本でも生活に追われて教育を受ける機会がなかったり、義務教育制度後も貧困のために就学できなかったケースが多い。「女に学問は必要ない」という理由で学校に行かせてもらえなかった影響もあるのだろう。
 文字の読み書きができないというのは公共交通機関の利用、病院、役所での手続きなど日常生活において想像以上に苦労が多いと思う。それに加えて、精神的な重圧や恥ずかしさにも苛まれるのではないか。文字を学ぶことで自身の視野や行動範囲が広がる。ハルモニたちにとって学ぶということは、長いあいだ自身を縛ってきたさまざまな苦難から自身を解放する営みでもあるのかもしれない。

 昨年の開校35周年に際して発行された記念文集をいただいたのだが、そこには生徒であるオモニたちの手書きの文章が載っている。書いたものをそのまま載せるということで、誤字、脱字などは添削されていない。たどたどしくも力強いオモニたちの筆跡から、彼女たちの喜びが伝わってくるようだった。
 1時間半あまりの滞在だったが、ハルモニたちの学ぶ姿を見ながら、たくましく生き抜いてきた在日1世のバイタリティをあらためて目の当たりにするような気がした。

ガンバレ、ハップモ!@栃木ハッキョ

2013-12-12 09:00:00 | (瑛)のブログ


 来年度から始まる新連載「ガンバレ、ハップモ」の取材のため、栃木県小山市の栃木朝鮮初中級学校に行ってきました。栃木ハッキョは各地の初中級学校の中ではおそらく一番敷地が広いのではないでしょうか。広さ7000坪。いちょうの落葉が絨毯のように敷きつめられたハッキョでは、朝からオモニたちが大忙しでした。

 食堂では、給食に出すピラフ、から揚げ、わかめスープ作りに精を出し、午後からのヘグムミニコンサートのため、音楽室では、色とりどりの風船や折り紙で会場の飾りつけに熱中しています。東京に比べ、空気は冷たく、暖房も入らないなかでしたが、オモニたちは慣れた手つきで黙々と仕事をこなしています。



栃木初中には昨春、2人の新任教員が赴任してきたそうです。

 オモニ会では、7人の教員と3人の講師を見守るのも「自分たちの仕事」と、毎週土曜日に交代制で教員たちの昼食を作っています。「大きなお金を作ることはできないけれど、せめて通っている子どもたちやオモニたちが安心できるような環境を作りたい。そのためには、先生たちが置かれた環境がよくならないと。お腹をすかせたり、寒い思いはさせたくない」と話すのはオモニ会会長の李由和さん(43)。栃木ハッキョの卒業生です。



 午後からはオモニ会が女性同盟栃木、オリニサークル「アルム」とともに主催した「ヘグム・ミニコンサート」の上演。東京からやってきたヘグム奏者―河明樹、尹慧瓊さんが「モランボン」「チョンダリ」「アリラン」などを演奏し、ヘグムの魅力をたっぷりと届けてくれました。

 最後は、世代を超えて愛される「ワンホバク」をチャンゴの軽快なリズムを加えながら聴かせてくれました。ウリ音楽の「フン(興)」に乗る子どもたち、傍で見守るオンマたちも合唱に加わり、会場からはアンコールが!アンコール曲の「アリラン」の調べに私自身も知らず知らず涙をこぼしていました。



 広い運動場では、初級部の子どもたちがドッジボール、中級部の生徒たちがサッカーの練習をしていました。みんな東京から来た私に立ち止まって挨拶してくれ、ヘグム奏者の河さん、尹さんを見送るときには全校生たちが集まってきました。礼儀正しい子どもたちです。

大都市に比べて生徒数が少ないのが地方の学校の悩みです。この日もオモニたちからたくさんの話を聞きました。クラス一人では通わせられないと、泣く泣く他県へ引っ越す家族、日本学校へと進路を変える家族…。教室から一人いなくなることの「重さ」は大都市の比になりません。けれどマイナスばかりではない。少ないからこそ、「一人ひとりを大事に」という栃木ハップモ(保護者)、先生方の思いは強いのです。

 茨城朝高学区の6校が集まる「セッピョル学園」は北関東、東北に学ぶウリハッキョの子どもたちがチングを増やすイベントとして好評を博し、5年間続けられていますが、栃木ハッキョも一役買っています。2011年の東日本大震災時に茨城での開催が難しくなった時、会場の名乗りを上げ見事成功させたのです。

 6年前にアボジ会も生まれ、多忙な教員たちが手の回らない草むしりや学校清掃などの地道な活動に熱心に取り組んでいます。

 前回の取材はたしか春だったのですが、校内の小川でカエルを探している様子を微笑ましく思ったものです。
 栃木の子どもたちは素直にスクスク育っているようでした。

 これからも、「ガンバレ、ハップモ!」では、各地のユニークな学校支援活動を紹介していきます。各地のオモニ会、アボジ会情報をお待ちしております!(瑛)

特定秘密保護法とカナリアの朝鮮人

2013-12-11 09:00:00 | (K)のブログ
 昨年12月26日に第2次安倍内閣が成立して、1年が経とうとしている。安倍内閣が真っ先に行ったのが、「高校無償化」制度から朝鮮学校を完全に排除するための省令の改悪だった。そして1年経った今、特定秘密保護法が成立した。この法律についてはいろいろと書かれているので詳しく触れないが、内容もめちゃくちゃであるし、成立のさせ方もめちゃくちゃ。今の日本をよく象徴しているものだ。

 ちょうど1年前の12月12日に、私はこの日刊イオで「日本人への弾圧とカナリアの朝鮮人」という文章を書いた。http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/c16e566d99ccad06eaf3d52dc75e7a73
 放射能瓦礫処理をめぐって大阪で不当逮捕があったことに触れながら、公権力の乱用、弾圧のための逮捕であると指摘した。そして、次のように書いている。
 「日本で朝鮮人は「カナリア」の存在だと言われてきたと、大先輩の記者に教えられたことがある。地中のトンネルに入るときに有毒ガスがあるかどうか、カゴのカナリアが死ぬかどうかで判断した。日本が軍国主義へと進む前に、必ず在日朝鮮人に対する弾圧が先行したのだと、その後、軍国主義に反対する日本人にも弾圧は拡大していったのだと、大先輩は語っていた。
 常に在日朝鮮人は弾圧を受けてきたけれど、90年代後半に入り、特に拉致問題を口実に、在日朝鮮人への攻撃が強まっていたことを、今の日本社会を見ていて思い返してしまう。」

 1年前に書いたことが、現実となってさらに日本社会で進んでいるようだ。
 特定秘密保護法が成立したのは今現在だが、ずいぶん前からその動きは始まっていた。極端なことを言うと1945年8月から始まっていたと言っても過言ではない。

 反対する国会議員(政治家)やマスコミは、特定秘密保護法がいかに悪法であるのかを力説し、与党の強引なやり方に「民主主義の否定だ」などと非難の声を高めている。しかし、待ってもらいたい。
 朝鮮民主主義人民共和国や在日朝鮮人へ弾圧・圧力が加えられてきたことに対し、国会議員やマスコミはどのような態度を取ってきたのか。

 日本政府は今年4月5日の閣議で、朝鮮籍船舶の入港禁止と朝鮮からの輸出入全面禁止の措置、いわゆる「制裁措置」を2年間延長することを決めた。延長は9回目にもなり、期間も初めて2年間になった。ほとんどすべての国会議員とマスコミは、これを当たり前のことと捉えている。また、朝鮮がロケットを打ち上げたり核実験をするたびに、国会では全会一致で抗議決議案が可決される。誰一人、異議を唱える議員はいない。マスコミは「「ロケット打ち上げ」と称する事実上のミサイル発射実験」などとバカな報道を繰り返してきた。
 朝鮮学校への「高校無償化」適用除外にどれだけの国会議員が反対しているのか。地方自治体の政治家たちは、朝鮮学校に対する補助金をストップさせている。総聯機関や在日朝鮮人に対して罪をでっち上げての不当な強制捜査が繰り返されているが、国会議員は声を挙げないし、マスコミも警察当局の情報を垂れ流すだけだ。

 こんなでたらめなことをしてきたために今がある。事態は取り返しのつかないところまで来てしまったのかも知れない。
 「北朝鮮はけしからん国だ。制裁を受けて当たり前。それとつながりをもつ朝鮮総聯や朝鮮学校もペナルティを受けて当然だ」という思考がある限り、特定秘密保護法を可決させ日本を戦争のできる国にしようとする勢力に絶対に対抗できないし、押し戻すための運動も生み出すことはできない。(k)



「クリム展2013」開催中!

2013-12-10 09:00:00 | (麗)のブログ
先週も告知しましたが「クリム展2013」(12月9~15日 10:00~19:00※最終日は16時まで)がギャラリーくぼた別館にて開催中です。

今回は、朝鮮大学校美術科の研究院生が二人参加しています。
現役バリバリのバイタリティあふれる作品は必見です! 研究員生の作品は1階に展示してあります。
(ちなみに私も研究院生と一緒の階に展示させてもらってます…。)

今回の展示会で2年ぶりに油絵を描きました。
ブランクはあれどギャラリーに展示されると、何とか作品として形になるものです…。(照明のおかげ?笑)
展示会では人物画や風景画のほかにも、インスタレーション作品もあります。




外から見たギャラリーはこんな感じ。研究生の作品が目立ってます!
芸術の秋…は過ぎましたが、寒い冬にも(笑)芸術に触れてみませんか?^^(麗)

「60万回のトライ」 ぜひ会場で!

2013-12-09 09:00:00 | (理)のブログ
 大阪朝高ラグビー部の活躍を追ったドキュメンタリー映画「60万回のトライ」がついに上映されます! 2010年から始まった取材で撮影されたテープの総時間はおよそ500時間。多くの人々の支援を受けながら4ヶ月もの編集期間を経てついに完成した本作品。上映会は山形での初披露以降で、一般の上映としては初めてとなります。1月と2月に、大阪と東京でそれぞれ1日かぎり。

 大阪での上映会詳細は以下のとおりです。当日は朴思柔監督による舞台あいさつもあります!

日時:1/18(土) 開場17:30/上映18:30
場所:東成区民センター大ホール
チケット:一般1300円(前売り1000円)、学生800円
問い合わせ:info@komapress.net
※チケットは12/20(金)以降発売。

 私が久しぶりに映画館に足を運んだのが「レ・ミゼラブル」の時。それまではどちらかというとDVD派でしたが、やっぱり会場で見ると迫力・感動度が全然違います。1回では飽き足らず、その2日後にまた映画館に行ったくらいです。

 「60万回のトライ」も、大阪→東京と、チャンスがあれば1度2度…もしDVDが出たら3度4度楽しめますね。東京での上映会は2/22(土)に日暮里サニーホールで。詳細はまたこちらで紹介します。私もぜひ行こうと思います。(理)


イオの漫画連載

2013-12-08 09:00:00 | (愛)のブログ


漫画「コッソンイ」がイオ12月号で最終回となりました。
2年間、連載された漫画「コッソンイ」。
児童・生徒たちの正直な気持ちを綴った文章を漫画としておこしたこの連載は私も楽しみな企画のひとつでした。
見ていて明るく楽しめるもの、考えさせられるものなどなど、漫画ならではの手軽さで読めるのも魅力でした。
2012年3月号に掲載された「わたしたちの校舎」は、3頁と短いながらも読んでいて自然と涙がでてしまう内容でした。

2011年度から始まった漫画連載。
それまで小説の連載も掲載していたものの、やはり子どもも一緒に楽しめる雑誌なら漫画を掲載したい!という思いで企画したのが、漫画「こころとマウム」。
(こちらは現在イオHPで無料ダウンロード中なので、
http://www.io-web.net/2013/10/ebook/
まだ読んだことがないという方はぜひダウンロードして読んでみてください!)
3年間漫画を描いてくれていたのが、私の朝鮮大学校美術科時代の同級生です。
朝鮮学校の教員もしながら忙しい毎日を送るなかで、毎月描いてくれていました。

彼女のほんわかしたタッチは学生時代から好きでした。
将来は彼女は絵本なども描きたいと話していて、私もなんとなくアートに携わる仕事がしたいと思っていたので、
学生時代にいつか一緒に仕事ができたらいいね~なんて漠然と話していたのですが、
その約束がイオで叶うことができました。

漫画連載が始まったときから子どもたちからの読者ハガキも徐々に増えてきたので、
3年間掲載できて本当に良かったと思います。
雑誌作りというものはたくさんの人たちの手によって作られていく、それが刺激でもあり、楽しみでもあります。

さて、来年度のイオは漫画は掲載されるのか?
されるとしたら、どんな題材どんなタッチで?
それは12月中旬発行のイオ2014年1月号でどうぞご確認ください~!!(愛)

年末を迎える前に

2013-12-07 09:00:00 | (淑)のブログ
 年を重ねるにつれて、時が経つのが早くなっている気がします。子どもの頃も今も変わらず1日は24時間、1年は365日なのに、どんどん短く感じられる年月の長さは、心理学ではこのような法則によって説明されています。
 たとえば50歳の人にとって1年の長さは人生の50分の1で、5歳の子どもにとっては5分の1に相当します。よって50歳の人にとっての10年間は、5歳の子どもにとっての1年間ということになります。記憶の蓄積が時を短く感じさせ、その速度はこれから年を重ねる毎に加速していくということですね。

 そんなわけで、気づけば2013年も3週間と少し。
 日本では歳末お馴染みの「流行語大賞」が発表され、「ヘイト・スピーチ」がベスト10入りしました。昨日深夜の参議院本会議で可決・成立された「特定秘密保護法」も。振り返ってみると、昨年の韓国大統領選挙しかり、ここ数年の師走は良くないことばかり起こっているような気がします。



 この、まったくもって不透明な法案の中身もさることながら、法案成立をめぐるここ数日の与党の横暴を見ていると、こんな独善的な官僚の支配のもとで、私たちの住むこの国はどこへ向かっていくのだろうと、ゆく年来る年を前に疲弊してしまいます。今年の世相を表す漢字は「蔑」(ないがしろ)といったところでしょうか。

 さて、イオ編集部は新年号制作の大詰めを迎えています。
 9月頃から仕込んできた新企画が、記者の手からデザイナーへと渡り、続々と誌面が出来上がっています。新しいイオをより楽しんでいただけるよう、ブログではあえてふせておきます。
 イオ2014年版、情報公開まで今しばらくお待ちください!(淑)

今日がヤマ場?

2013-12-06 09:09:52 | (相)のブログ
 

 6日の会期末を前に、国会に緊迫感が増している。特定秘密保護法案の採決・成立をめぐって、だ。
 自民、公明両党は5日の参院国家安全保障特別委員会で同法案の採決を強行し、与党の賛成多数で可決した。これに続き、同日夜の参院本会議に法案を上程したが、民主党など野党が猛反発。与党は今国会期末の今日(6日)午後、参院本会議で法案を採決し可決・成立を図る構えで、法案を巡る攻防は大詰めを迎えている。
 秘密保護法は日本国民はもちろん、私のような外国籍住民にとっても決して他人事ではない。報道機関の取材の自由、知る権利の侵害、不当逮捕・処罰、個人の自由侵害、平和主義の否定、民主主義の基盤破壊…いくつもの懸念が浮かぶ。各種世論調査では反対や慎重審議を求める声が多数を占めている。メディア、識者、市民団体も廃案や慎重さを求めた。「特定秘密保護法案に反対する学者の会」が出した同法案の廃案を求める声明に賛同する学者は2000人を超えている。アムネスティ・インターナショナル日本、反差別国際運動、日弁連など人権NGO6団体も「人権侵害の危険性をはらむ」と強い懸念を表明している。
 そもそも内容が曖昧すぎて、濫用の危険が大きくないか? 「何が秘密かは秘密」というような法なんて成立させていいのか。内容もさることながら、数の力に物を言わせる強引な手法にも危険を感じる。
 結局、政府に都合の悪い情報は外交、軍事にかぎらず秘密にしようという魂胆なのだろう。自民党の石破茂幹事長が先日、自身のブログで「デモの絶叫戦術はテロと本質的に変わらない」という趣旨の発言をした(後日、テロ云々の部分は撤回したようだが)。民主主義にとって重要な平和的デモをテロと同視するような発言をする人物が政権与党の中枢にいることからして、まともな法律の運用など期待薄ではないか。

 昨日、午前中の出先での仕事を終えた後、職場に直帰する予定を変更して電車を途中下車、抗議行動のようすを記録するために国会へ向かった。国会議事堂周辺には昼過ぎの時点で多くの人々が集結していた。
 報道では、今日がヤマ場だという。「時すでに遅し」とは思いたくない。


保護者会

2013-12-05 09:00:00 | (瑛)のブログ
 子どもを幼稚園や保育園、学校に通わせると、付随してついてくるのが、保護者会の活動です。子どもが3人となると、保護者活動も結構忙しいのですが、やることすべてが子どもに還元されるので、多少やりくりが大変でも、やり遂げてみると、やりがいを感じるし、そこでの経験や出会いが新鮮なので、結構ハマっています。日本の保育園で出会うお母さん、お父さんたち、ハッキョで出会う保護者たち、両方と接しながら、こう思います。

 ハッキョのオモニ会では、一年中、四六時中、子どもたちのためや学校運営の足しになることに頭を巡らせている人たちがいます。夜会やバザーで何を並べれば売れるのか、どこから仕入れればいいのか。。。そのノウハウだけでも何か商売ができそうなくらい(笑)。そして、皆さん自分の特技や人脈を生かして、お金になりそうな物品を集め、特技に富んだ人たちを集めてきます。

 今年、初めて役員をすることになった私は「修行中の身」ですが、一番驚いたのは、料理の仕込みでした。1000人の客を迎えた今夏の夜会やバザー当日の早朝には、「キムパプ部隊」なる精鋭たちが炊事室に集まり、黙々とキムパプを巻いていました。その静けさと手際の良さに息をのんだ新米会員の私。何より、キムパプの彩りの美しさに感動し、その売れ行きのよさに感動しきりでした…。

 各種イベントでは、普段の家庭の料理からは想像できない大量を用意するので、それぞれの料理の材料は、資料で残しているのですが、難しいのがレシピです。そこで活躍するのは、在校歴の長いオンマたち。ヤムニョンチキンのタレ、豆腐ステーキのカンジャン…これぞ!という味を作り出した名物オンマたちの腕が客足を呼び、その作り方も年々引き継がれています。まさに、オモニ会伝統の味。

 先日も120人分のカレー作りに立ち会ったのですが、大きな鍋を前に熱心にアク取りをする先輩オンマから、「大鍋で作る美味しいカレー」を伝授してもらいました。

 どこのオモニ会もそうでしょうが、ウリハッキョの運営が中々改善されないなか、「いつまでエプロンおばさんをするの?」という議論があります。働きながら、家事をしながらの保護者活動は正直しんどい部分もありますが、学校運営が厳しいなかでは、この「エプロンおばさん」をやめるわけにはいかないのです。

 ただ、「エプロンおばさん」に留まってばかりではいけない、と思うのです。ウリハッキョの運営が厳しい「問題の根本」を断ち切るための活動も保護者の仕事だし、先生方の働く環境をよりよいものにするためにも、次世代がもっと楽になれる学校運営を築いていかなくては、と思うのです。オモニたちとカレーを作りながら、買出しをしながら、時にこんな話をします。

 今年度、わが校のオモニ会では、絵本の読み聞かせという新しいプロジェクトを始めました。授業が始まる朝の10分程度の時間に、オンマたちが各クラスに入って絵本を読みます。子どもたちにこの読み聞かせは好評で、来春には人形劇を開くとのこと! このプロジェクトを熱心に進めているオンマは、読み聞かせに取り組む地域の日本の方や同胞とセッセと会い、絵本も熱心に集めていて、その行動力とパワーがたくさんのオンマたちを引き寄せています。

 そして、もうひとつ、来春にオンマたちは、「オリニのためのコンサート」を企画しました。同胞社会が誇る世界的な民族楽器奏者を招き、親子で民族楽器を楽しみます。

 親子で楽しむコンサートは日本の各地で開かれていますが、子ども向けの「朝鮮の民族楽器を楽しむ音楽会」は、そうたくさんある訳ではありません。今から出演者や演出家の方々と膝を交えながら、舞台にあげる演目をピックアップしていきますが、ここもオンマたちの腕の見せ所。小さい子どもたちを飽きさせず、ドキドキしてもらえるようなコンサートにしたいと思っています。チラシやチケット販売もこれからです。
 
 地域の皆さんと知恵を出し合いながら、みんなの力でコンサートを作り上げたいと思っています。(瑛)

家族写真を表紙で

2013-12-04 09:00:00 | (K)のブログ
 先日、都内である同胞家族の写真を撮影してきました。撮影したのは私ではなく、プロの女性カメラマン。
 この日は、快晴の良い天気で、公園の木々も深い色合いの葉をつけており、なかなかのロケーション。何よりも、ご家族が仲良く笑顔が絶えなくて、非常に楽しい撮影となりました。

 月刊イオの2014年の表紙は、1年を通して同胞のご家族に登場していただこうと考えています。今回の撮影も1月号の表紙のためのものでした。
 そこで、月刊イオの表紙に登場していただけるご家族を募集します。ぜひ表紙を飾りたいというご家族がいらっしゃいましたら、月刊イオ編集部までお知らせください。月刊イオのホームページ(http://www.io-web.net/)から編集部までメールやお電話で連絡していただければ幸いです。

 今回は、ハラボジ、ハルモニ、アボジ、オモニ、子ども2人と6人のご家族でしたが、1年間様々なパターンのご家族に登場していただきたいと思っています。親子2人だけ、夫婦2人だけのご家族でもOKです。逆に、あまり大人数のご家族は、縦長の表紙に入らないので、9人以下くらいでお願いしたいと思います。過去に月刊イオの誌面に登場していただいたご家族でもかまいません。人数制限以外は何の制約もありませんので、どしどしご応募してください。
 撮影した写真は、ご家族の記念としてプレゼントいたします。(k)

「クリム展2013」のお知らせ

2013-12-03 09:00:00 | (麗)のブログ
展示会のお知らせです。
12月9日から15日にかけて、銀座のギャラリーくぼた別館にて「クリム展2013」が開催されます。
クリム展は、20代から80代までの幅広い世代の在日コリアン美術家・愛好家たちを対象に、2年に一度開催される絵画展です。
「クリム」の名には、朝鮮を意味する「青丘」、美術家たちが「林」の木々のようにたくさん育つようにとの思いが込められています。

私は2011年度から参加させていただいてます。


2011年の展示会の様子


私も今年のクリム展に出品します。
興味がある方は是非、お越しください!(麗)

歴史資料室で感じたこと

2013-12-02 09:00:00 | (理)のブログ
 あっという間に12月です。「もう12月やなぁ」、お店で談笑しているおじさんたちの会話を聞くまで気がつきませんでした。2度目の大阪、5回目の出張。振り返ってみると、なんだかこの間、信じられないほどのスピードで時間が流れていったような気がします。

 さて、今回は約1週間の滞在です。ウリハッキョに同胞の町工場、民族学級や夜間中学、また地域に根ざした特徴的な取り組みなどたくさんのものを見て、話を聞きました。全ての場所で感じることがあった中で、中大阪朝鮮初級学校の歴史資料室に立ち寄ったときに、なぜか突然ぐっと込み上げるものがありました。

 ハッキョの歴史を紹介する写真と文章を見ていると、自分が知っていることはまだまだ全然足りないんだという自覚と同時に、それに対する焦りも感じました。今まで歩いてきた場所や取材してきた人との会話の中で、歴史や背景を知らないがゆえに気づけないこともたくさんあったかもしれません。表面的なものだけを見て満足していたのでは。知っていることが多ければ、歴史やそれを経験した人たちの気持ちをもっと汲み取れたのでは。それは大阪だけでなく、同胞がいるところならどこでも同じです。圧倒的な知識不足を感じてしまい、パネルを目の前に少しの間うちひしがれました。


 今日はこの後、同胞のデイハウスを取材して午後には大阪朝高に行きます。資料室で感じた経験・勉強不足を反省しつつ、2014年度を飾る大阪特集をより魅力的なものにするために、気持ちを切り替えて今日も楽しく取材に行ってきたいと思います。(理)

本紹介「ママ」、「わたしがあなたを選びました」

2013-12-01 09:00:00 | (愛)のブログ
今日は素敵な本を2冊紹介したいと思います。
「ママ」、「わたしがあなたを選びました」という本です。

ピンクの装丁が素敵なこの2冊。
「ママ」のほうの内容は、はじめてのママ生活にとまどうオンマたちに
ぴったりの内容で、読み進めると「そうそう!わかる!」といった内容いっぱいで、
ほっこりします。

「わたしがあなたを選びました」という本は
この世界に生まれてくる赤ちゃんの視点で展開されていきます。

二冊ともシンプルな線画でやさしく描かれる言葉とその世界観は
子育てに疲れているオンマの夜のほんの少しの休息を
やさしく癒して彩ってくれます。

実はこの本2冊、私が子どもを産んで実家で何ヶ月か過ごした後、東京に戻るときに
小さなころからお世話になっているオモニのお友達にもらいました。
もうオンマなのだから、大変だろうけど、がんばってね、と。
慣れない子育てで不安なとき、この本を読み、心が幾分楽になりました。
時折この本たちを読み、ほっこり癒されています。(愛)