日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

地元の友だち

2012-09-27 09:00:00 | (瑛)のブログ

 ある日曜日、娘がふくろうの置物がある「ふくろう公園」に行きたいとせがむので、夕方前に駆け込むように出かけると、息子が通う空手道場の小学生数人が遊んでいた。道場の友達を見つけた息子の表情がとたんにふわっと明るくなり、とたんに自転車競走が始まった。しばらくすると、公園の先にある生い茂った木々の中を駆け回ったり、また自転車でグルグル走り出し、とにかく楽しそうに遊んでいた。普段から同じ空間で汗を流し合っている、ということもあるのだろうか。練習の様子をあまり見ない親にとって、「近所に仲のいい友達がいるっていいなぁ」と思った光景だった。

 ウリハッキョ(朝鮮学校)は、どうしても広域から児童たちが集まってくるので、休みの日に近所同士遊ぶということが中々できない。もちろん、たまの休みに互いの家に遊びに行ったり、泊まりに行ったりするが、学校を終えて近所の公園で集まる、ということはできず、それを残念に思うこともあった。

 保育園や学校に行きだすと、友だちの家に行きたがる。また、自分の家に友だちが来るととても喜ぶ。うちの子の場合は、そのおうちのおもちゃが目当てなのだが、いつもと違う空間が楽しいのだろう。私自身もそうだったから。

  近所の友だちと言えば、私は同胞のオンマたちが集う子育てサークルと平行して、2ヵ月に一度の頻度で、お芝居や人形劇、演奏会を子どもと観覧する「親子劇場」というサークルを楽しんでいる。このサークルでは、公演を見る前にひざを交えて製作者の意図を学んだり、原作となった絵本を紹介してもらったり、観覧後は子どもの反応や自分の感想を交えて意見交換する。その合間に各々の暮らしが垣間見えるのも楽しいし、ひとつの踊りや劇を見ても、こういう見方があるんだ、と人それぞれの感性を感じることができる。なかにはその時々に子どもが発した言葉をきちんと記録に残している人もいて、感心させられる。

  そのサークル会は、事務局の方のおうちで行っているのだが、たまに保育士志望の青年が来て子守りをしてくれる。その場を通じて、保育園ですれ違っていただけのお母さんと話がすることで距離が縮まったり、初めて出会う友だちもいて、子育ての輪が広がっていく実感が積み重ねられていく。ジャガイモのおすそ分けをいただいたこともあるし、急に保育園のお迎えに行けないときはピンチヒッターで飛んでいってくれる友人がいたり、と近所に頼りになる友人が増えてきて心強い限りだ。11月にはハッキョのバザーがあるので、誘ってみよう。(瑛)


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