年下の知人に「始めて買ったCDは何ですか?」と質問されたので、「ゆずの『嗚呼、青春の日々』だよ」と答えた。
「それ、遅くないですか? 先輩の年っていったら、米米クラブの『君がいるだけで』とかじゃないんですか?」と言われたから、「いや、違うよ。違う違う。ゆずの『嗚呼、青春の日々』だよ」と、もう一度嘘をついた。
「本当ですか?」としつこく聞いてきたので、「本当だよ、本当。そんなことで、嘘なんかつかないよ」と、顔を真剣にしながら嘘を嘘で固めた。
初恋のあの人が
一番最初に買ったCDは、後輩の言うとおり、米米クラブの「君がいるだけで」だった。近所の中古CD屋で100円で買った。中学1年生くらいだった気がする。もう10年以上前のことだ。
ゆずの「嗚呼、青春の日々」は買ってないし、持ってないし、借りてもない。
誰かがカラオケで歌っているのを聞いただけ。誰かがカラオケで歌っているのを聞いただけで覚えられる簡単なメロディーと、詩。
高校生のときに聴いた歌だ。何かと傷つきやすい高校生のときに、聴いた歌だ。
もうすぐ母親になるんだって
CDを買ったときは、いつも必ず、まず、歌詞を見た。これは本当のことだ。とくに曲数の多いアルバムなんかは、何から聴いていいかわからないので、まずは歌詞を読んで、気に入った順から聴いていた。ただ、僕が気に入る詩は、どちらかと言うと、バラード調の曲が多い。まあ、あんまりうるさい歌は好きじゃないので、ちょうどいいといえばちょうどいい。
好きな歌は、何度も何度も聴き続ける。これも本当のことだ。寮生活を送った大学生のとき、同じ部屋の友達に「リピーター」とあだ名をつけられたが、それくらい、リピートをし続ける。もちろんその悪癖は今も変わらずあって、一人で運転しているときなんかは、ずっと、同じ歌ばかり聴いている。
好きな歌はたくさんある。そして、「嗚呼、青春の日々」も、好きな歌のひとつなのだ。
小さな町(同胞社会)の噂話で耳にしたよ
なんであのとき嘘をついたんだろう、と思った。どうして、最初に買ったのは米米クラブの「君がいるだけで」だよ、と言わず、「嗚呼、青春に日々」と言ったんだろう、と思った。
嘘をつかないのは無理だけど、嘘はなるべく少ないほうがいい、とある時をさかいにそう自分に言い聞かせるようになった僕ではあるが、咄嗟の嘘はついてしまう。
咄嗟の嘘は、そのタチの悪さに自分が嫌になってくる。咄嗟の嘘ほど、情けないものはない。そう、情けないのだ、咄嗟の嘘は。
嗚呼 嗚呼
いつからか、新曲というものに敏感ではなくなった。シングルもアルバムも、もう5年くらい自分のお金で買っていない。レンタルもしなくなった。
遺伝的に、歌を歌うのが苦手で、だからカラオケは嫌いだ。しょうがなく、飲み会の二次会、三次会でカラオケに行くことはあるにしても、新曲がわからず、歌うのは中学生や高校生のときに聴いていた、今はもう昔の古い歌。
それでも、歌が上手くなりたい、との願望はあった。高校生のときのことだけど。「嗚呼、青春の日々」がオリコンシングルチャートで1位を獲得した時期だけど。
その頃、よくカラオケに行った。行く前は必ず、家の風呂で練習した。弟に「うるさい」と言われたことはしょっちゅうあったっけ。
青春の日々よ
それにしても、良くも悪くも、本当に、狭いな~、同胞社会は。
嗚呼 嗚呼
ああ、聞かないように、避けるように、やりくりしてたのに。
青春の~~~~
自然と耳に入ってくるんだからなあ。
日々よ~~~~
寒い日は、いつもより感傷的になります……。(蒼)
「それ、遅くないですか? 先輩の年っていったら、米米クラブの『君がいるだけで』とかじゃないんですか?」と言われたから、「いや、違うよ。違う違う。ゆずの『嗚呼、青春の日々』だよ」と、もう一度嘘をついた。
「本当ですか?」としつこく聞いてきたので、「本当だよ、本当。そんなことで、嘘なんかつかないよ」と、顔を真剣にしながら嘘を嘘で固めた。
初恋のあの人が
一番最初に買ったCDは、後輩の言うとおり、米米クラブの「君がいるだけで」だった。近所の中古CD屋で100円で買った。中学1年生くらいだった気がする。もう10年以上前のことだ。
ゆずの「嗚呼、青春の日々」は買ってないし、持ってないし、借りてもない。
誰かがカラオケで歌っているのを聞いただけ。誰かがカラオケで歌っているのを聞いただけで覚えられる簡単なメロディーと、詩。
高校生のときに聴いた歌だ。何かと傷つきやすい高校生のときに、聴いた歌だ。
もうすぐ母親になるんだって
CDを買ったときは、いつも必ず、まず、歌詞を見た。これは本当のことだ。とくに曲数の多いアルバムなんかは、何から聴いていいかわからないので、まずは歌詞を読んで、気に入った順から聴いていた。ただ、僕が気に入る詩は、どちらかと言うと、バラード調の曲が多い。まあ、あんまりうるさい歌は好きじゃないので、ちょうどいいといえばちょうどいい。
好きな歌は、何度も何度も聴き続ける。これも本当のことだ。寮生活を送った大学生のとき、同じ部屋の友達に「リピーター」とあだ名をつけられたが、それくらい、リピートをし続ける。もちろんその悪癖は今も変わらずあって、一人で運転しているときなんかは、ずっと、同じ歌ばかり聴いている。
好きな歌はたくさんある。そして、「嗚呼、青春の日々」も、好きな歌のひとつなのだ。
小さな町(同胞社会)の噂話で耳にしたよ
なんであのとき嘘をついたんだろう、と思った。どうして、最初に買ったのは米米クラブの「君がいるだけで」だよ、と言わず、「嗚呼、青春に日々」と言ったんだろう、と思った。
嘘をつかないのは無理だけど、嘘はなるべく少ないほうがいい、とある時をさかいにそう自分に言い聞かせるようになった僕ではあるが、咄嗟の嘘はついてしまう。
咄嗟の嘘は、そのタチの悪さに自分が嫌になってくる。咄嗟の嘘ほど、情けないものはない。そう、情けないのだ、咄嗟の嘘は。
嗚呼 嗚呼
いつからか、新曲というものに敏感ではなくなった。シングルもアルバムも、もう5年くらい自分のお金で買っていない。レンタルもしなくなった。
遺伝的に、歌を歌うのが苦手で、だからカラオケは嫌いだ。しょうがなく、飲み会の二次会、三次会でカラオケに行くことはあるにしても、新曲がわからず、歌うのは中学生や高校生のときに聴いていた、今はもう昔の古い歌。
それでも、歌が上手くなりたい、との願望はあった。高校生のときのことだけど。「嗚呼、青春の日々」がオリコンシングルチャートで1位を獲得した時期だけど。
その頃、よくカラオケに行った。行く前は必ず、家の風呂で練習した。弟に「うるさい」と言われたことはしょっちゅうあったっけ。
青春の日々よ
それにしても、良くも悪くも、本当に、狭いな~、同胞社会は。
嗚呼 嗚呼
ああ、聞かないように、避けるように、やりくりしてたのに。
青春の~~~~
自然と耳に入ってくるんだからなあ。
日々よ~~~~
寒い日は、いつもより感傷的になります……。(蒼)