FCC日記

子どもたちのクライミングスクールの活動記録と教育、スポーツ、そしてクライミングに関して想うこと。

<レッスン日誌>レベルアップレッスン@FREEDOM

2012-04-27 10:56:13 | クライミングレッスン報告
4月10日  メンバー:リュウくん(小3)、ユキちゃん(小4)

入門の位置づけを持つ "DOM KIDS SCHOOL" のあとは、レベルアップレッスン。
こちらはレベルは問わないが、しっかり技術を覚えて行きたい子のためのレッスンだ。
始めたばかりだけれどクライミングが大好きなリュウくんと、中級に進んでいるユキちゃんの2人でのレッスンが、ここしばらくの定番となっている。

「鉄は熱いうちに打て
始めたばかりのリュウくんは丁寧に教えたいし、リュウくん本人もかなりマイペース人間の様子
一方のユキちゃんはかなりせっかち 「分かった、分かった」とどんどん先に行きたがる。
この2人の組み合わせは楽しいけれど、レッスン的には結構難しい

FREEDOMはボルダリングジムなので、ボルダリングしか出来ない。
子どもたちはボルダリングが大好きだ
一方、ルートはその楽しさが分かるまで時間がかかる
「クライミング」はルートとボルダーの総合技術。
ユースの公式大会もルートのみでもあり、この技術をしっかりと身につけることは必要不可欠なのだが。。。
ユキちゃんも御多分に洩れずボルダー好きのルート嫌いだ。
特に中級に上がり、クラブチームに入ってからは他のメンバーが大会などを目指して頑張っていることもあって、別メニューとは言えお遊びの要素は少なくなった。
「キツイ、苦しい、コワイ」の3Kが加わり、「ルート嫌い~
なので、FREEDOMでのこのレッスンは彼女にとってはちょっとした息抜きの時間。
まだ4年生になったばかりで精神的にも幼さが残るので、私としても「楽しい」部分を確保しなければ、と思っている。


そんなわけで、各自が自分の課題をトライする通常のレッスン方法を取ると支離滅裂な状態となってしまうため、このレッスンは2人が一緒に出来るゲーム形式とした。
まず、リュウくんが何回かのトライで苦労して完登出来るくらいの難しさの課題を作る。そして、ユキちゃんはその課題をホールドを抜かしたり、持ちにくいものに変えたり、手足限定にしたりしてアレンジしながらトライする。
最初は私がアレンジしていたが、今日は彼女が作りたい、と言うので、作ってもらうことに。
なかなか課題を考えるのが上手いよ
リュウくんに合わせた設定もきちんとできている。頭が良いね

リュウくんもユキちゃんも楽しくレッスンを進めてラスト長もののトライ
これは、ここでのレッスンでは必ず一度はトライしてもらっている。
リュウくんは5.9にトライしたが、10手目前後で落ちた
ユキちゃんはラストが遠くて強敵の10a。
一度レッドポイントしてから以降、なかなか再登出来ていない
今日は楽しくレッスンした後で身も心もほぐれていたためか、動きの流れがスムーズにいき、すんなりと完登した

<レッスン日誌>DOM KIDS SCHOOL

2012-04-26 11:34:32 | クライミングレッスン報告
4月10日(火) メンバー:かずくん(小3)、りょーた(小5)、ハヤト(小5)、たっくん(小5)、コータ(小6)

中学生になったアオイとカイを送り出し、今月から新しいメンバーのりょーたとユウ君を迎えてスタートしたDOM KIDS SCHOOL。
今日はりょーたが参加した。
FREEDOMのまりさんの話によると、りょーたは休日にお父さんと良く登りに来ているとのこと。
先日の体験レッスンの折にもホールドの種類やムーブを良く知っているので驚いた子だ。
話によると、NHKでやっていたボルダリングの番組とテキストで自分で勉強したと言う
モチベーションと意識の高さが良いね こういう子は上手くなる。
このスクールの意識を高めてくれるキィ・パーソンとなってくれることを密かに期待

上手くなる子に良く見られる条件は、

お家の人に理解があり、クライミングに興味をもっていること。
子ども自身がクライミングが大好きであること。
子ども自身が研究心旺盛であること。
子ども自身がクライミング活動に達成感を味わっていること。
子ども自身が簡単にへこたれないメンタルを持っていること。

などがあげられる。


さて、レッスンは「基本練習」のうちのトラバースと正対・側対を重点的に。
「基本練習」は私が独自に考えたメソッド(コーチとして参加したオーストリアのレッスンなども参考にしているが)で、実際に課題を登るにあたって、身につけていないと困ることになる基本的な技術を体に刷り込むべく組み立ててある。
注意したことをすぐに実践する子、何度言っても意識しない子・・・様々いるが、上達や理解のプロセスには個体差があり、それを反映してのことかもしれないな・・・と最近感じている。
すぐに意識出来ないからと言って、将来的に上達しないわけではないのである。


基本練習でだいぶ時間を取ってしまったが、続いてホールドの種類とムーブの学習。
ホールドの種類は初級の間で覚えてほしいものは全種類出題したが、全員がクリアした
ムーブはカードを引いて出てきたムーブを実際に自分で考えてみる。
今日出てきたのは「乗り込み」。
初参加のりょーたも加わって、ちょっとしたセッション状態に

最後、珍しく「長もの」がやりたい、と言うので私としても喜んでトライしてもらう。
初心者用の5.9は登ってしまった子が何人か出たので、もう少し難しい10aにもチャレンジ
一人でつなげるのはまだ難しそうなので、リレー式に落ちたところから次の子が続けることにしてみた。
ちょっとしたゲーム感覚で面白い
ラスト数手は遠くて、一手だけでもけなり大変 
みんなコマネズミのように入れ替わり立ち替わりトライ
でも、今日はゴールまでつながらなかった
自主練習して、力をつけて、またトライしょうね

<アウトドアレッスン日誌>中級アウトドアレッスン

2012-04-25 12:32:39 | インポート
4月8日(日) メンバー:りんちゃん(中3)、コーヘイ(中1)、タクミ(中1)、ユキちゃん(小4)

中級のアウトドアレッスンは、リードでのオンサイトやレッドポイントを目指すクラス。
近い将来自分たちだけで岩場へ行っても、安全にルートやボルダー課題にトライし、
整備されたエリアなら回収もきちんと出来るくらいまでにしておきたい。


なので、長く在籍しているりんちゃんとコーヘイは結び替えの練習から。
幕岩のこの岩は終了点付近が広く平らになっているため、こういう練習に適した場所だ。
アップも兼ねて「シルクロード」5.7をリードで登り、結び替えの練習。
終了点に残置のカラビナがなく、ゲートの開閉が出来ないリングだけと仮定して結び替えの一連の手順を実践して降りるものだ。
彼らは定期的にこの訓練をしているので、だいぶスムーズに手順をこなせるようになって来ている
まだ考え考え、悩み悩み、なので近くに私がいないと少し心配
もう少し手早く出来るまで体に入れば、この項目を合格できるかも~


外岩のリードにトライし始めてまだ日も浅いタクミとユキちゃんは「シルクロード」と「いんちきするな」5.8のリード。
タクミはこの2本を安定してリードできるようになってきているので、今日はマスタースタイル(自分でクイックドローをセットしながら登る方法)で。2本ともマスターで行けて、少し自信がついたかな?
怖がりのユキちゃんは「シルクロード」のみをリードで。「いんちきするな」はタクミに頼んでフォローさせてもらっていた
でも、昨年のユキちゃんは、トップロープでも完登するのが大変だったのだから、進歩しているよ


アップと技術練習が済んだところで、中級の終了課題の1つである「アボリジニ」10aにトライ
コーヘイはすでに登っているが、りんちゃんはまだリードでレッドポイントしていない。
そしてタクミとユキちゃんは初チャレンジだ
なかなかテクニカルな課題で、みんな苦労しているこのルート。特に人口壁しか登っていない子にはかなりの強敵のようだ。
なのでこのルートに関しては、フォローではなくトップロープで何度も練習したほうが良さそうなので、上にまわって支点を作る。
コーヘイがマスタースタイルで登ってヌンチャク掛け。
りんちゃんが一度トップロープで練習して、2回目にリードでトライ
見事レッドポイントした
タクミとユキちゃんもトップロープでチャレンジしたが、そう簡単には登れない
でも、タクミは根性で1度目のトライでトップアウトした


お昼をはさんで午後は二手に分かれることにする。
コーヘイとりんちゃんは希望峰の「シャックシャイン」10dに。
タクミとユキちゃんはユキちゃんママにビレイをお願いして、トップロープでアボリジニとその隣の10bにトライ。

シャックシャインはスケールも内容もあり、なかなかの好ルート。
10dとなっているが、途中の両手を離して休めるバンドがなければ11aになっていたであろうルートだ。
コーヘイは幕岩での中級終了の必須課題はこれが最後の1本だ。
核心を説明し、先にクリップしておいてもらいたい個所も伝えて念入りにオブザベ。
もしかしたらマスターでのオンサイトも可能かもしれない
マスタースタイルで取りついたコーヘイ。
核心の遠い一手もこなし、ガバを掴んだがそのあとの微妙にいやらしい個所でやられた
オンサイトならず、残念~
でも、良いトライだったよ。

次はりんちゃんの番だ。
ルートのスケールに圧倒された彼女はフォローしたいと言う。
で、コーヘイのロープを借りてフォロー・・・のはずが、コーヘイがいつもの癖でうっかりロープを引きぬいてしまった
「すぐに行きます」とコーヘイ。今登ったばかりで大丈夫かな?
でも、さくさくと良い動きで登り、見事2度目にレッドポイントした
ラストにりんちゃんのトライ。
すっかり体が冷えてしまい、出だしの動きがものすごく悪く、核心前の下部で一度フォール
気を取り直してクライミングを続け、核心でも何度かテンションしたが、根性でトップアウトした


コーヘイのトライのあたりでタクミとユキちゃんも応援に。
ユキちゃんママによると二人ともアボリジニをトップアウト。
タクミは10bにもトライしたということだ
ユキちゃんも一日でこのルートをトップアウトしたのは偉かった頑張ったね

クライミング終了が17時近くになってしまったので、公園発のバスが終わってしまった
でも、今日はみんなそれぞれ収穫があった一日だったね

<レッスン日誌>中級レッスン@pump2

2012-04-24 10:24:48 | クライミングレッスン報告
4月7日(土) メンバー:りんちゃん(中3)

中級用に2時間取ってあるレッスン。
本当は中級以上の人はこの時間帯を利用してほしいのだが、残念なことにあまり利用されていない。
今日はりんちゃんの申し込みだけだったので、マンツーマンだ。

大会シーズンなのでトレーニングのみのレッスンメニューにしようかと思ったが、本人にトライしたいルートがあるかを聞くと、神奈川の強化練習会でやっているタワーの12a黒↑をやっておきたいと言う。
なので、アップの後はまずそのルートのトライから。
彼女にとってはパツパツの距離だが、果敢に手を出してとめて行く。気迫も充分
なかなか良いトライだ
それでも上部の最も遠い飛ばしホールドの一手で落ちた…残念

筋力がまだ十分でないので、どうしても飛び出しにパワーが欠ける。
彼女にとって、このルートはリーチがいっぱいいっぱいなので、なおさらパワーが必要となるのだ。。。
本人にも私の所見を伝え、レッスンの残り時間はルートでのベーシックなトレーニングとする。

メンタル的にここ1年で急成長を遂げ、自分一人でも前向きに努力できるようになってきたりんちゃんなので、伝えた筋力トレーニングも、きっと自宅で続けてくれることだろう
続けてきた地道な努力が報われた瞬間を経験してもらえれば、自己肯定と自信になってさらに努力が出来るようになるものだ
たとえトレーニングの時は苦しくても。
そして大会での出番前の不安を和らげて、安定したメンタルで力を出し切るためには、「これだけのことをしてきたのだから大丈夫」と自分に言い聞かせられる自分への自信しかない。


そのプラスの連鎖に、彼女は入りつつある

<レッスン日誌>レベルアップレッスン@pump2

2012-04-23 13:32:14 | クライミングレッスン報告
4月7日(土) メンバー:コーキ(小4)、シンシン(小5)、たけくん(小3)

午前中はコーキとシンシンのレッスン。

体操とストレッチの後、基本練習。

コーキは月2回くらいのペースでクライミングを習いに来ている。
体操も習っているそうで、ポテンシャルはかなり高く、クライミングセンスも良い。
本人もある程度自信があるようだ。
確かにまだ技術力を必要とせず身体能力とセンスだけでこなせるグレードの時は良く対応できていた。
1つの課題を登りきるための集中力も良く、ものすごい頑張りを見せることもできる
でも、習い始めて1年以上。
クライミングを続けて行くのなら、そろそろ「レクリエーション」気分を卒業して「上達」ということを視野に入れ、「努力」を学んで行きたいところだ。
けれど、基本練習の内容は全く覚えておらず、以前習ったホールドの種類の名称もきれいさっぱり忘れていた。
「そんないい加減な動き方は教えた覚えはありません」「いい加減に覚える気持ちを持ちなさい」と私に叱られ、真剣な面持ちに。

始めのうちに手持ちのカードでかなり対応できてしまったため、「学びの意識」がかなり落ちていたのが原因かと私は思う
「このままで結構行けるじゃないか」という気持ちの緩みが彼の中に生じてしまったのではないか?
これは初心者に限らない。どの段階になっても、「これで良いのだ」という気の緩みは生じやすい。
たとえば、たまたま大会で良い成績が出てしまった場合なども同様のことが起こりやすいので要注意だ
そのわずかな「奢り」はあっという間に上達を阻む。自分では気づきにくいからだ。
優秀なアスリートの条件として素直さや謙虚さが尊重される理由はここにある。


シンシンは調子が上がって来ているようだ
前回出来なかったダイヤモンドの10b緑↑を今日はトップロープ・足自由で完登

私にダメ出しをされて、少し表情が硬かったコーキも持ち前の頑張りを見せてくれて、5.9をトップロープ・足自由で1本完登し、ボルダーでもスラブの7級を2本登った

午後は2時間目のシンシンとたけくんのレッスン。
2人ともやらなければならない課題がルート技術なので、この時間はルート主体に。

たけくんはリードで10aを2本。
「一反木綿」壁のピンク■と「100°」壁の白□の2本を手足限定・リードで完登
かなり安定して登れているよ

シンシンは前の時間で登れた課題の復習。
一歩一歩確実に前進いていく態度が身についているね

今日は2人の進度が同じくらいなこともあって、リードクライミングの安全性のテストをすることに。
これは基本的な注意事項をきちんと実践出来るかどうかのチェック項目で、彼らの進級の必須条件となっている。
私が示す課題を登ってもらい、クリップ飛ばしや逆クリップ、Zクリップ、ロープと壁の間に体が入るなど、落ちたら危ないことを行った時点でテスト終了となる。
普段からチェックはしているが、最終段階として「テスト」というプレッシャーの中で実践してもらっているものだ。


たけくんは怖がりなせいもあってか一発でテスト合格
一方のシンシンは緊張もあってか出だしからしどろもどろ
4本目のクリップまでに2回注意され、テスト終了 今日は不合格だった