FCC日記

子どもたちのクライミングスクールの活動記録と教育、スポーツ、そしてクライミングに関して想うこと。

<大会参加報告>東京カップ2014 ④

2014-05-30 13:48:46 | コンペティション参加報告
クライミングに関してはかなり熱いコーヘイ。
小さいころからクライミング対する熱意はかなりのもの
おかげでかなり力がついてきた
・・・が、クライミング以外ではぐーたらが大好き
大会も、「登るその瞬間だけ頑張ればいい」という考えからなかなか抜け出せないようで、今までの大会はいつも、前日の生活態度やら当日の出番に備える準備やらがきちんと出来ず、大会が終わると悔し涙を流し・・・そしてのど元を過ぎると熱さを忘れるのが常であった
自律的に生活できるようになると、結果も出て来ると思うけどね。

今回も生活面の準備がきちんと出来ず、予選1本目が終わるとウトウト・・・。
予選は両方とも動きが悪かった
見ていて動きの悪さは歴然なのに、本人にそれを指摘すると「いや、身体は動いてました」と相変わらず頑固な答え。
「君自身がそれで良いなら良いのではないか?要は君自身の問題なのだから」と返すと、ハッとしたようで「すみませんでした。。。考え直します」



何とか予選は通過出来て、FCCからのジュニアと少年クラスの決勝進出者は、ユキちゃんとコーヘイとなった。

決勝はオンサイトなので、決勝進出者のユキちゃん、コーヘイ、トップロープの部のミナミちゃんはアイソレーションへ。
ルートの準備が整い、オブザベーションタイム(ルートの下見)を経て決勝だ
 ↓決勝進出者紹介と

 ↓それに続くオブザベーションのようす


トップロープのミナミちゃんは粘り強く頑張れて見事3位
ミナミちゃんにとっての競技はまだまだ始まったばかりだけれど、この「登りたい」という強い気持ちを大事に育てて行こうね


ユキちゃんは頑張ったのだけれど、核心のムーブを読み違え、悪いホールドに手を出してしまってフォール
「あ~、あそこまではかんたんだから、みんな行っちゃうよ~
もう、3位以内には入れないね、と諦めていたら、発表されたリザルトを確認に行ったユキちゃんが怪訝な表情で戻って来た。
「ユキ、3位になってる・・・???」

どうやら、ユキちゃんより遥か上部まで達していたAちゃんが、下部で決勝ルートとは違うホールドをつかってしまい、そこまでの成績になってしまったとのこと。
あまり手放しで喜べない状況ではあったけれど、ユキちゃんは3位入賞となった。
おめでとう
今回のユキちゃんの頑張りは本物だったよ


予選の後、自分の行動を悔い改めた(?)コーヘイ。
アイソレーションではきちんと過ごしていたようで、決勝の登りは体が良く動いていた
無事完登出来て、2位
トップは予選も決勝も全完のO君だった。


この大会と先に行われたボルダリング東京カップの成績結果で、今年の国体代表選手と強化選手が決定。
少年男子の東京代表に、優勝したO君とともにコーヘイが出場することとなった。
そして、強化に残れるか否かが危ぶまれていたタクミは、必死の取り組みで何とボルダリングとの総合成績が東京内で3位となり、補欠選手となった。
さて、国体は自分だけの問題ではなくなる。
協力してくれている人たちの期待がかかって来るものだ。
それをしっかり受け止めて、期待にこたえられるようにするためには、もっと成熟した考えに基づいた取り組みが必要となってくるのだけれど、2人はそれが出来るかな~?
必死で頑張ってほしいものだね

表彰式の前に帰ってしまう子も結構いたので、残っている子たちで慌ててみんなで記念撮影

あれれ?誰か足りない・・・と思ったら、入ったばかりのミナミちゃんがいなかった
ミナミちゃん、ゴメン
と言うワケで撮り直し。


子どもたちもさることながら、保護者の皆さま、たいへんお疲れ様でした
この大会での刺激が、子どもたちにさらなる活力と熱意を与えると良いですね

<大会参加報告>東京カップ2014 ③

2014-05-28 16:17:10 | コンペティション参加報告
コンペビギナーのたけくん、コージン、リューセイよりも大会参加の経験が豊富なユキちゃん。
大会成績の向上を目標にするようになってきた。
この目標がはっきりしてから、ユキちゃんは変わって来た
あれほど「怖い~、いや~」とヘッポコぶりを発揮していたルートに真っ向から取り組むようになり、大会で自分が出来なかったことを普段の練習で克服しよう、という気概が出て来たのである
この取り組みの変化によって、ユキちゃんの実力は急上昇
一昨年は10cでピーピー泣いていたのに、今年は12cを2撃している。
子どもたちの成長ぶりには、全く目を見張るね

さて、ユキちゃんの予選1本目。
上部カンテの遠いところで苦戦し、ダンゴ集団に呑み込まれた
「あ~あ、決勝はムリかな~」とちょっとがっかりしたが、がっかりするのはまだ早い
予選2本目はちょっと前のユキちゃんだったら大の苦手の垂壁課題。
ところが、気合いを入れなおしたユキちゃんは安定し、かつ落ち着いた登りで見事完登
この完登によって決勝に進出することができた


ユイトは一昨年は国体・少年の東京代表選手だった。
国立の高校に進学してから、クライミングに費やせる時間が極端に減ったけれど、それでも楽しみながら大会にも出場し、細々とクライミングを続けて来た。
今回はあまり登る時間がなかったようだが、それでも東京の選手としてこの大会にエントリーしていた。
私もユイトに会うのは久々だった。
練習不足ではあるが精一杯頑張って、18人中11位だったユイト。
大会終了後私のところに来て、
「センセイ、僕、競技としてクライミングをするのはこれが最後になるかと思います。進学の準備や学校が忙しくて・・・」
了解ですよ
専門の学業や仕事の合間に楽しく体を動かす目的でのクライミングだって大有りなのだ。
今まだ高校2年だけれど受験準備に入るユイトは、多分これでFCCの満期終了となるのだろう。
会場にはお父様も来られて、
「将来、ユイトの下のコーヘイ達もFCCを卒業する年齢になったら、OB会をひらきたいですね」とおっしゃっていた
それも素敵だな~
みんな、どんな大人になっているんだろうね


東京の強化選手に残れるか否かで背水の陣のタクミ。
いつもはあまりの呑気さに怒りまくっている私だが、今回はそんなタクミにも「必死さ」がみられた。
1本目、ユイトが落ちた小核心を抜けたものの、そこで手が張ってフォール
2本目はいつもより冷静なクライミングが出来ていた
手が張って来てこれ以上はもたない、と察知して、クリップをする代わりに一手出してそれを止めてフォール
戻って来て、「辛くなってからてんぱらずに、考えて作戦を立てて実行できた」と嬉しそう
そうだね、いつもはただただ慌てて終わるのに、今回はきちんと駆け引きが出来た
これは進歩だよ
この駆け引きのおかげでタクミはちょっと順位を上げ、18人中9位になった。


~つづく~

<大会参加報告>東京カップ2014 ②

2014-05-27 12:15:08 | コンペティション参加報告
初参加ながら「ジュニア男子」にエントリーのコージンとたけくん、そして初級のリューセイ。
今回はとりあえず大会がどんなものか、を肌で感じよう。
肌で感じたものは信用度が高い。
自分のどんな点が足りないのか?逆に良い点は?今後どうするか?
3人は17人の出場者のうち、たけくん15位、コージン16位、リューセイ17位と下位を独占したけれど、結果云々よりも個人の成長の糧として捉えて指導していけば、決してこの経験が悪い方には向かわないはずだ

3人とも今の自分の力は出せたのではないかな?
中級になったばかりのコージンは、今の実力をしっかり出せたと思う
不安になると動けなくなるたけくんも、一手出すという当面の課題に進歩が見られた
リューセイは予選の2本目で、1本目のクリップ前に足が滑って地面に落ち、冷や冷やしたけれど・・・怪我がなくて良かった
リューセイは会場でも遊んでいることが多く、ちょっと叱った
大会での取り組みの姿勢は、クライミングに対するリューセイ自身の情熱と大きく関係するよ



当日、カメラを忘れてしまい(携帯もあろうことか電池切れとなり・・・
今回のブログは皆さまから頂いた写真を使わせて頂いております。ありがとうございます

~つづく~

<大会参加報告>東京カップ2014 ①

2014-05-25 13:44:30 | コンペティション参加報告
4月27日(日)
参加者:コーヘイ(中3)、タクミ(中3)、ユキちゃん(小6)、コージン(小6)、たけくん(小5)、リューセイ(小5)、ミナミちゃん(小3)

「東京カップ」は東京都の国体代表や強化選手を選出する大会。
FCCからは、東京都民であり、東京の国体代表選手権や強化選手入りがかかっているコーヘイ、タクミの中3コンビはもちろん参加
そのほか東京在住者以外でも、チームメンバーには毎年参加を呼び掛けており、6年生になりユースの全国大会に参加出来るようになったユキちゃんのほか、今まで大会とは全く無関係な環境でのんびりクライミングを楽しんで来たたけくんやチームに入会したてのコージンも参加することとなった。
刺激を受けてもらいたいことと、今の自分に足りないものは何か、をはっきり自覚してもらうためだ

チーム以外の子どもたちには、特にこちらから参加を促すことはしていないが、自主的にミナミちゃんとリューセイが参加
まだリードクライミングに入っていないミナミちゃんは、トップロープの部で参加。
一方のリューセイはなんと「ジュニア男子」のカテゴリーでエントリー
まだ初級なんだけど、大丈夫かな?
私としてはトップロープで参加したほうが良いのでは・・・?とも思ったのだが、もうエントリーしちゃっていたことと、本人の希望とのことだったので、頑張ってもらうことに。

朝8:15に集合。
先ずはハッキー(本来ハッキーは足で蹴って遊ぶ道具なのだが)をキャッチボールしあってウォーミングアップ
笑顔になること、楽しく体を動かすこと
大会前の時こそしっかり実践したい
コーヘイやタクミの東京強化の仲間たちもいつの間にか加わって、キャッチボールの大きな輪が出来た。
観察していると、ボールを投げる動きが極端に下手な子が意外と多いことに気がついた
所謂「女の子投げ」の男の子もちらほら見かけ、ちょっとショック

「遊び」はその後の人生の縮図的なトレーニング。
今の子どもたちの遊びの機会の少なさには、将来的な社会構築の不安を覚えるが・・・


さて、受付開始時間になり、選手の子どもたちは受付へ。
子どもたちには、アップ壁のないこの大会でのやるべきことをレッスンで伝えてあるので、それをしっかりしておくように念を押す。

バタバタと時間が過ぎて、あっという間に競技開始。

1本目、トップバッターはミナミちゃん。
「ルートはどうかな?」と聞くと、「これ、行けそう
自信を持って臨んだミナミちゃんだったが、上部が思いのほか遠く、完登ならず
唇をかみしめて戻って来た彼女は、お父さんとお母さんのもとで悔し涙を流していた

が、2本目では見事に立ち直っていたミナミちゃん。
渾身の頑張りで粘りのクライミングを見せ、見事3位に

 

FCCに入ったばかりの彼女の内面を垣間見た瞬間だった。

~つづく~


<レッスン日誌>中級レッスン@pump2

2014-05-23 12:36:49 | クライミングレッスン報告
4月23日(水)
メンバー:ユキちゃん(小6)、タクミ(中3)、コーヘイ(中3)

今週末は東京都の国体代表選手や強化選手を選出する大会である「東京カップ」が開催される。
今日のこの時間のレッスンメンバーは全員出場する予定なのだが、特に東京都民のタクミとコーヘイにとっては国体の代表権や強化選手の選出などが絡んでいるため、大事な大会だ
国体の「山岳・少年」のカテゴリーは中学3年から出場可能となったため、コーヘイもタクミも、年齢的には充分「国体選手」になれるのだ

さて、こうした各都県のローカルコンペは、各地の事情が大きく反映される。
「東京カップ」は東久留米市営の体育館内にあるウォールで競技が行われるのだが、ここの施設にはボルダー壁がない。
通常、ルートの大会時のウォーミングアップにはボルダー壁が利用される。
大きな大会では仮設のアップ用のボルダー壁が建てられたりもするが、ローカルコンペでそこまでは求められないのが現状
・・・とすると、この大会ではクライミングでのウォーミングアップができない、ということになる

ま、それも経験だね

今日は直前のレッスンなので、ガンガン登る・・・というよりもクライミングなしでのアップで、いきなり自分の限界グレードに臨む、ということをやってみた。
一度経験しておけば、当日自分で体の声を聞きながら微調整しやすいだろう。

まず、その場でジャンプしたり走ったりした後(ここでユキちゃんがバテバテ)、ストレッチや体操をして各自のトライルートへ。
大会が2本登るので、今日も最低2本は登ろう。
まぁ、レスト時間は大会より格段に短いけど、それはトレーニングと思ってね

ユキちゃんは奥壁の苦手な白×11dを1本目、ツナミの12b黒×を2本目に決定。
タクミは1本目にツナミの12a白□、2本目にツナミからタワーに渡る12b白×を。
コーヘイはツナミの13b赤/をトレーニングも兼ねて2便。

近頃取り組みに「必死さ」が出て来て、俄然強くなって来たユキちゃんは2本とも危なげなく完登
ツナミの12bは前回オンサイトに失敗し、2回目のトライにあたる今日でのレッドポイントだった

1本目、とても良い状態で登れたタクミ。苦労していたこのルートを見事レッドポイント
降りて来て、「ビックリ手も張らなかったし、チョー楽に登れた」と嬉しそうだった
これが今のタクミにとっての、所謂「ゾーン」に入れた状況だったんだね
良い経験でした
2便目は苦手なルーフのルートで3~4回テンション
苦手は少しずつ克服していこうね。

いつもは「登る努力」が継続できないコーヘイ。
体の反応が良く、ちょっと登り出すとすぐに戻るので、練習不足の「危機感」薄いのが仇となっていた。
が、この前の「ユース選手権」以来、登る努力を続けるようになり、実力も安定し出している
今日はツナミの13b赤/を2回トライし、1便目は前回よりフォールのポイントが上がり、2便目はさらに上まで我慢が出来た
限界であるハードな課題を、短いレスト時間でトライして、しかもフォールポイントが上に伸びているのは、動きに体が慣れたことを差し引いてもパフォーマンスレベルが上がっていることの証拠だね

今日のレッスンでそれぞれが自分の現状を把握できたかな?
これで自信を持って、しかし奢ったり油断したりすることなく、大会の日を迎えられるようにしたいものだね