FCC日記

子どもたちのクライミングスクールの活動記録と教育、スポーツ、そしてクライミングに関して想うこと。

JFA ユース選手権・予選 ④

2012-04-02 19:18:28 | コンペティション参加報告
さて、FCCメンバーの3番手に登場したユイトは、甘いホールドへのデッドポイントが止められずにフォール
これはユイトのカテゴリーのユースBの中でも、同じところで落ちた子が13人もいる超ダンゴ・ポイントだ
今回、ユイトは予選通過が厳しいだろうと私は睨んでいたのだが、やはり。。。
少しがっかりした様子で戻ってきたユイトだが、すぐに気を取り直した様子で東京の仲間とトランプをしたりしてくつろいでいた。

ラストバッターのコーヘイ。
昨年から大きな大会に出られるようになったものの、昨年は一度も決勝に残れなかったので、
彼としては今年は何としても上位に食い込みたいのだ
結局、出番直前までアップもそこそこにルートの心配をしていたが、
「もう心配してても何にもならないんだから、ガンガン攻める気持ちで行くしかないよ」と送り出した。
その言葉通り、かなり攻めのクライミングをして高度を稼いだコーヘイだったが、
上部ホールドが小さくなってきたあたりで急に指が開いて来たようだ。
何手か頑張って耐えたが、我慢しきれずフォールした
戻ってきて、「調子が出なかった~」と言うので、アップ不足を指摘。
大会で力を出し切るためには、自分の体をしっかり臨戦態勢に仕上げなくてはいけないことを再確認してもらった。
コーヘイは1本目の左ルートは8位。彼の夢をかなえるためには、残る2本目を完登する以外なくなった。

予選2本目までかなり間があくので、みんなお昼ご飯を食べたりトランプをしたりと、しばしのくつろぎモード。
モノ作りの好きなユイトは、自作の充電器で携帯の充電 これはスゴイ 
コーヘイはネコのように丸まって、ずっとマンガを読んでいた



さて、2本目。
ユイちゃんは被りに入ったとたんに落ち、ユイトも中間部のダンゴポイントに呑み込まれた

2本目は完登すれば予選通過の可能性が残るりんちゃんとコーヘイ。
りんちゃんはかなりギリギリまで頑張ったが、「これを耐えれば完登可能」のポイントが越えられずにフォールした
あら、残念 ちょっと予選通過は厳しくなったね。
でも、1月末の状態から予選通過可能なラインまで自分の状態を上げて来ることができたのは、彼女の努力以外にない。この点はとても偉いと思うよ

ユース大会は、ユースBのカテゴリーからが本番だ。そしてユース時代はあっという間。
途中に受験だってあるから勉強も頑張らなくてはならないけど、これは他の子もみんな通って来ていることだ。
もうのんびり怠けている時間は無いことが分かったかな~?
常に努力が出来る勤勉な人だけが夢をかなえることが出来るのだ

さて、もう後がないコーヘイ。
「もう、完登するしか道がなくなりました。完登して来ます。」と言い残してコールゾーンへ。
必死の登りだった。
途中足がスリップしたり、危ない個所が何箇所かあったものの、完登への執念でこらえ切り、見事完登をもぎ取った
なかなかやるな~ 「やるときゃ、やる」という自己分析を地で行った1本だったね。

各カテゴリーのリザルトが順次発表され、コーヘイだけが予選を通過した。
とうとう目標に一歩近づいたね、おめでとう
明日は私は行かれない。でも、自分の体の状態を整えることの重要性が分かったみたいなので、今回はこれが大きな収穫だ。
あとはクライミングを楽しんで力を出し切るのみ

翌日の夜、コーヘイ本人からメール。
「朝6時に起き、会場に早く来て周囲を歩きしっかりウォーミングアップ。東京チームのトレーナーの方にストレッチを受けたら3位にのし上がれました。良かった。」と。

そして、予選落ちのメンバーは全員で集まって自主トレーニングをするというメールも私のもとに届いた

がんばれ、みんな。自分の夢をかなえることが出来るのは、ほかならぬ自分自身だけなのだ