goo blog サービス終了のお知らせ 

FCC日記

子どもたちのクライミングスクールの活動記録と教育、スポーツ、そしてクライミングに関して想うこと。

<イベント報告>10周年記念チーム二子ツアー・二日目③

2014-06-13 13:31:12 | 活動報告
今にも泣きだして来そうな天気
なるべくヌンチャクを掛けっ放しにしておきたくない。
「トライしたい人は急いでね」と声を掛け、子どもたちは次々とトライ

「シリアル」にはコージンとりょーたが順番にトライした
インドアでもちょうど10c~dを練習中の2人。
アウトドアはまだ本格的にやり始めて間もないので、まだどう動いて良いか分からず、歯が立たなかった
練習を積んで、またリベンジしに来ようね


タクミは昨日終了点落ちした「鬼が島」11cに狙いのトライ
気合いの入った良いトライだ
最後も慎重に、でも粘り強くこなし、見事レッドポイント
おめでとうこれは嬉しいね
雨も降り出して来たので、タクミはヌンチャクを回収。
後日この時を振り返って、「クライミングを始めてから一番嬉しいレッドポイントだった」と言うタクミだった
 

・・・と、ユキちゃんが「『鬼が島』がやりたかった」と言って来た。
「でも、ユキちゃん、途中でずっと止まって泣いていたじゃない。ああいうことは、アウトドアでは危ないからしてはいけないんだよ。」と注意すると、「オンサイトしたかったのに、センセイがテンションして降りろって言うから・・・」あとは言葉にならず、ユキちゃんは泣きじゃくった。

ユキちゃんのその意欲は買うけれど、アウトドアはグレードだけではない。
先ずは安全にトライ出来る精神的強さと安定、そして最低限のアウトドアでの技術が必要だ。
インドアで高グレードがいくら登れても、それだけではクライマーとして一人前とは言えないと私は考えている。
本当のクライミングの精神が、インドアのみでは理解されないからだ。


「オンサイトもっと謙虚になりなさい。インドアではユキちゃんはものすごく強くなったけど、インドアとアウトドアは全然違う。外岩では安全にトライ出来なければ、登る資格はないんだよ」と叱った。
それを聞いてユキちゃんは手放しで泣いた。『となりのトトロ』のメイみたいに。
その様子を見るに見かねてユキちゃんママがユキちゃんの通訳に入ってくれた。
「ユキは、この頃とても積極的に取り組むようになって、変わって来た自分を認めてもらいたいんです。。。」
そうだったの・・・そう言えばユキちゃんのことは叱るばかりで、思いっきり褒めてあげることが少なかったかもしれないね。。。
ユキちゃん、ごめんね
ユキちゃんは本当に変わって来て、強くなって、えらいと思っていること、でもさっきのトライは見ていて怖かったこと、を伝えると、ユキちゃんは納得して涙を拭いた。

さっきまで小雨が降っていたのが、小康状態に。
コーヘイが1トライ目でムーブが出来た「業師」12dを再度マスタースタイルでトライしたが、残念ながらレッドポイントならずでも、良いトライでした


たけくんももう一度「シリアル」にトライトップアウトは出来なかったけれど、上部まで行けた

このルートはユキちゃんが回収

一時はお昼ご飯は車に避難して食べないとかな?という状況だったが、取り敢えず岩場でお昼ご飯が食べられそうだ
お昼ご飯を食べて様子を見ることに
 

子どもたちは午前中の活動で、結構満足した様子。
今日は祠エリアは貸し切り状態だったので、お昼を食べてからは「話がピーマン」から「業師」までの岩の下部をみんなでトラバース大会

少し早いけれど、2時半ごろに岩場を後にした

 ↓祠に群がり、中を覗き込む子どもたち。こらこら、お参りはしたのかな?

 ↓最後に祠の前で記念撮影




<イベント報告>10周年記念チーム二子ツアー・二日目②

2014-06-12 12:16:46 | 活動報告
たけくんは「シリアル」10dを奮闘した
あともう少しでトップアウトという上部の細いコルネのところまで到達したが、その後がどうしても怖くて行かれない
行っては戻り、行っては戻り・・・
確かにここは大人でも「この先どうなるのだろう」と不安になって来るところ。
トップアウトしないと許さないぞという姿勢のコーヘイに、ここまでで今のたけくんにとっては充分善戦したことをそっと告げる。
コーヘイも納得して、たけくんはあと少しのところで降りて来た。
でも、外岩でこのグレードは初チャレンジ頑張ったぞ


一方、「鬼が島」にマスタースタイルで取りついたユキちゃん。
意外と下の方でずっと止まっている。しかもうなだれて。
「センセイ、ハンガーに変なものがある。。。」
また虫かと思って良く見ると、回収時の振られ留めの残置ビナだった。
「それは残置のカラビナだから、そのカラビナの下にヌンチャクを掛ければ良いんだよ」と指示してたけくんのほうに戻る。


しばらくしてまたユキちゃんの方を見ると、まだそこに・・・。しかも今度は泣いている。
ユキちゃんがいる場所は「ガバ地帯」だけれど、前のクリップ位置からは結構上。
外岩トライ中に「泣く」という行為は危険だ。すでに冷静さを失っている証拠だから。昨日のタクミの号泣とはわけが違う。
どうやらさっきの指示の「下」の意味が良く分からないようだ。
経験値の浅いユキちゃんにとっては初体験のことだから仕方ない。
もう一度理解しなおしてから出直そう
そこで「前のクリップまで戻って、テンションしていったん降りよう」と声を掛けた。

・・・と、ユキちゃんは残置ビナ自体に自分のヌンチャクを掛けようとした。

残置されている振られ留めのカラビナは、劣化して破損する危険性があるので信用してはいけない。
「それは危ないから止めなさい」と言うと、パニックになったユキちゃんはさらに泣いた
これは良くない状況だ。
「じゃぁ、それに掛けても良いから、すぐにテンションして降りなさい」と言うと、さらに「い・や・だ~」と号泣。
何が「いや」なのか良く分からないが、もう即座に下ろさないと危険な状況だ。
「そんなところで泣いているべきではありませんとにかくすぐに降りなさい」と叱り、ユキちゃんはしぶしぶ降りて来た。
 ↓トライ中のユキちゃんとたけくん


~つづく~







<イベント報告>10周年記念チーム二子ツアー・二日目

2014-06-11 13:48:38 | 活動報告
5月5日(月)

二日目。
宿の朝食の時間になっても、2階にいる子どもたちは全く起きる気配なし
このことでは合宿のあるたびに叱っている・・・というか、叱らずにすんだためしはない

毎度のことなので、時間になると同時に起きて来ない子は置いておいて、そのまま朝食に行くことにした。
・・・と、たけくんがトイレの帰りに食事に行こうとしている大人達とユキちゃんを見つけ、「ハッ」として自分たちの部屋へ掛け込んでいった
その後男の子たちが部屋から転がり出て来るのの早かったこと

朝食はかなりボリュームがあってとてもおいしい
食べ盛りのコーヘイはみんなの分をもらって平らげていた。

 ↓宿の朝食風景
  

朝食の後荷物をまとめてコーヘイ母号、コージン母号、そして私の車に分乗、いざ岩場へ
今回は小学生やまだあまり外岩に慣れていない子も多いので、二日間とも「祠」エリアで登ることに。

たけくん、コージン、りょーたの3人は、昨日一日がかりでムーブを固めた「話がピーマン」10aのレッドポイントだ
先ずはたけくんがマスターでレッドポイント
次にりょーた
昨日一番良い感じでムーブが出来ていたコージンが一番最後になってしまったが無事レッドポイントし、めでたくヌンチャクを回収
↓マスタースタイルのたけくん

↓レッドポイントしてロワーダウンするりょーた

↓無事レッドポイントし、回収するコージン
 

コーヘイは「シリアル」10dと「甘納豆」10dでアップ。
「話がピーマン」をレッドポイントしたたけくんのために、「シリアル」にヌンチャクを掛けに行ってくれたのだ
コーヘイは怖くて動けなくなるたけくんに、ヌンチャクを掛けてあげるかわりに、がんばって一手出すという条件をつけていた
コーヘイ、なかなかやるな~
先輩が後輩を育てる・・・子どもたちの間でそういう意識が育って行くと嬉しいね

「甘納豆」はルートの上部の岩の形状が、まるで甘納豆のようにツブツブしている。
ちょっと難しいが良いルートだ。
  

アップの後は今日の狙いルート、「業師」12dにトライ
上部に難しさが集中しているこのルートだが、コーヘイは果敢に攻めてムーブ解決
1回目のトライでトップアウト出来た
次でレッドポイントしたいところなのだが・・・今日は昼ごろから雨、との予報で雲行きが少しあやしく、たまに小雨もぱらつく始末
上部がハードなこのルート、雨に降られてしまうと上部が抜けられずヌンチャクの回収が出来なくなる不安があるため、残念ながらヌンチャクを回収して降りることにした。


ユキちゃんは「今日は『鬼が島』をやりたい」とのこと。
タクミも今日はこのルートのレッドポイントを狙っている
2人のうちどちらがヌンチャクを掛けるのか、話し合って決めてね、と声をかけておいたのだが、どうやらユキちゃんがマスタースタイルで行く様子

タクミはコーヘイと幕岩での補習講習などにも毎回参加し、外岩での対応には大分慣れて来ている。
が、ユキちゃんはタクミに比べて経験値がかなり低い。
ちょっと注意して、あまり無理はさせないようにしなくてはいけないなと思いつつ、「シリアル」にトライするたけくんと同時進行で登るユキちゃんの様子を、気をつけて伺うことにした。

~つづく~

<イベント報告>10周年記念チーム二子ツアー

2014-06-10 12:56:02 | 活動報告
気を取り直して「ラッキーキャット」にチャレンジを続けるユキちゃん


でも、動きは悪い
ユキちゃんのクライミングは、メンタルの影響力がめちゃめちゃ大きい。
誰しも多かれ少なかれあることだけれど、ユキちゃんの場合はそれが顕著なのだ。
「やる気」になるとかなりの強さなのに、「やる気」がないとまるで初心者みたいになっちゃうんだよな~
もう少し心を大きくもって、その振れ幅を小さくして行くようにしないといけないね。

隣のラインの「MOON」11c/dにコーヘイがオンサイトトライを始めた
オンサイト能力のテストピースと言われるこのルート。
昔、私は終了点のクリップがパンプして出来ずにオンサイトを逃したことがある、とコーヘイに話をしたら「よし、やってみよう」ということになったのだった。
今のコーヘイの力ならオンサイトに問題はない
でも、最後はやはり「ワルっ

 ↓MOONにトライ中のコーヘイと「チーン・・・」という感じのユキちゃん
 

核心が抜けられずにずっとぶら下がって泣いていたユキちゃん。
ガバを掴んで隣のルートの終了点を使って「ラッキーキャット」は敗退した

タクミの「鬼が島」11cの最終便。

 

「もう終わっている」と言いながらも第一核心をこなし、終了点手前まで迫った
あとは最後の悪い数手をこなせばレッドポイントだ
最後のガバで大レストをし、「あ”~っ」「あ”~っ」と一手一手吠えながら止め、終了点へ・・・「行ったか」と思った瞬間、「わーーーっ」と悲鳴を上げながら降って来た。
ロープにぶら上がってタクミはそのまま声を上げて泣いた
タクミのルートに対する想いの深さと完登を逃した悔しさを想い、その場のみんなが目を潤ませた。
「話がピーマン」のほうにいたたけくんは、タクミの吠え声を聞いて応援に駆けつけてきたが、タクミの様子を見上げながら静かに涙を流していた。

タクミが「鬼が島」のヌンチャクを回収し終えて、初日のクライミングは終了。

みんなで車に分乗して、今日の宿へ。
炭焼きのおいしい焼き肉を食べさせてくれるお店と同じ敷地内にあるペンションだ。
初めて泊まるが、清潔でなかなか気持ちの良い、山小屋風の宿である。

部屋に荷物を置き、すぐ夕食
食事はもちろん、併設の焼き肉店へ。
雰囲気も悪くなく、かなりおいしい
食べ盛りの子どもたちの食事風景はすさまじい勢いだった

食事を済ませ、お風呂に入って子どもたちは山小屋の屋根裏部屋風の子ども部屋へ。
今回はあまり堅苦しいことは言わないけれど、自分たちでちゃんと時間を決めて過ごすように
体調を崩したのんちゃんが帰ってしまったので、女の子一人になってしまったユキちゃんはお母さんたちと女性部屋で寝ることに。
同じくらいの女の子がいないので、ユキちゃんはちょっと可哀想だな~

大人達はみんなで親睦会
子ども部屋も結構遅くまでガサゴソしてたけど、大人達も寝るのが結構遅くなっちゃった

~つづく~

<イベント報告>10周年記念チーム二子ツアー

2014-06-07 21:35:52 | 活動報告
「話がピーマン」の3人は、なかなかムーブが繋がらず、結構苦戦
トップロープでも結構ムズイ・・・

 ↓奮闘して、鼻の頭にチョークがたくさんついちゃった!

今日一日、これにかかりきりになる気配の3人だった。


タクミの今回の目標は「鬼が島」11cだ。
頑張って自分でヌンチャクを掛けに行く


そろそろお昼
今日の二子は肌寒いものの、気持ちの良い快晴
お昼ごはんも気持ちが良い
 

午後はコーヘイの「鬼殺し」12a/bから。
マスタースタイルで見事オンサイト
  

今日のユキちゃんはなんだかちょっと積極性がなく、気持ちが引っ込んでいる感じ。
ルートも「どうしよう」という感じに見えたので、「ラッキーキャット」11bをすすめてみる。
「ラッキーキャット」は上部が石灰岩ならではの面白い形状をしており、ムーヴも多彩な好ルート
ユキちゃんの今の実力ならばかなりの確率でオンサイト出来そうだ。
ところが、当のユキちゃんは乗り気がしないらしい。
しぶしぶ取りつくが、「スルスルしてコワイ」と出だしからテンション
あら~、どうした~


~つづく~