すでに前の事なってしまいましたが、 僕は娘の恋愛を徹底的に破壊したことがあります。
それも親の権力を前面に押し出しての事・・・。
理由といきさつを書くと、とんでもない文量になるので避けますが、 簡単に言うと交際相手の親がこちらにコンタクトを取り初めて来てしまったということです。
高校1年生から卒業まで付き合いのあった娘の彼氏ですが、 僕は基本的に誰と恋愛しようが口挟むことはしない物の、結婚等という言葉が出てくるようになると、
そうはいかない。
本人同士で 「できたらいいね・・・」 位の軽いうちはともかく、そこに親が出現すると簡単なことではなくなる。
何にせよ、 親が交流を始めるという事は、 親同士が認めるた事になるわけで、そうなると最終的流れはどうしてもそちらへ向かわざるをえない。
なんでも僕に話してくれる家の子が、”どういう状態なのか?”は僕もよく分かっていて、「自分の体を大事に!清らかさを保ち続けなさい」と常に言い聞かせてきた。
しかしながら、結婚が現実的に見えてくると必然的にそう流れていく可能性も高まり、 万が一”もしも”がそこで起きたとしたなら、
親としては授かった命をそう簡単に水に流すことはできない。
すなわち相手の親が接触してくる = 親としての未来の可能性へ決断を迫られること そのもので有って、 それは何某のごまかしをして避けられる物ではなく、
なぜなら? それをする事は相手の親を軽視し、なめてかかることと同じとなり、けして許されない。
どんな親なのか?という事は、 僅かな時間でも接すれば分かってくる。
ましてや長い時間でなく 短い時間で様々な事が見えてしまう様なら、それは看過できるものとはいえない。
家内から相手の両親に関する様々な情報を受け取り、更に現実的にどう接触してくるかを見るなら、 悪いが「まともか?そうでない親か?」は簡単に判断が付く。
結婚は本人達だけの物ではなく、親兄弟含めて広い範囲の人達の将来にも関わってくることであり、若い時分は経済的にも難しくて、色々な面で自立していく上での障害は
必然的に起きてくる。
故に、ある程度までは双方の親からの助力という物が、どうしても欠かせないのだ。
親の意向を無視し、言うことを聞かずに 「二人の愛がどうとか?」と夢物語にのぼせ上がることで起きる現実は、メディアのニュースに眼を被うような出来事となって
人々の前にさらされている。 そして常に犠牲者は幼い子供だ。
そうした悲劇を道ずれに崩壊する若い夫婦には、”親を無視しているという点”における共通性があり、 世の中を甘く見た結果がそのまま結果となっただけのことである。
僕からすれば何ら不思議でもなく、極自然的にくる結末だと思っている。
初めてにせよ、向こうの親がこちらの方への接触に乗り出してきた以上、その時点で判断をしないと後で引くのが難しくなる。
高校卒業という視点からの接触開始であろうが、 うちの子はこの先まだ学生生活が残っている。
で、僕の出した結論は? というならNO! 当然厳しく娘に言いきかせ、 完全崩壊へと強引に導いた。
心の中で、娘の心中を察して痛みの涙を流すが、顔からは絶対に流さない、あくまで冷静に冷徹に徹する。
おそらくはのぼせ上がっていたであろう彼氏と、その家族は相当に冷や水を飲まされ、恥を搔かせたと恨みの言葉であふれかえっていると容易に想像できることも辛い。
父親は常に苦しい立場にたたねばならないものであり、 あれだけ彼氏との交際に反対していた家内ですらも、僕が娘に突きつける短刀のような言葉に対して
養護する側にまわるほどであった。
しかしながら、そこに父親としての正義があると信じる以上、必ず完遂させねばらならないのだ。
もし、娘にそれを超えていく程の愛と勇気があれば、 全て自己責任という重荷を背負って行くだろうし、当然それにより起きてくる結果になんの助力も容赦もしてくれないのは
分かっているであろうし、そうなったとて、その全ては父親である僕の責任だ。 娘では無い。
なぜなら、反対を押し切って行く以上、二度と親の顔を見ない気持ちと覚悟が無ければ絶対に失敗する。 逆に言うとその覚悟が有れば何とかなることが多い。
その覚悟を親として間接的に求めることになるからだ。
全く違いすぎる二つの家庭に挟まれて中途半端に時を送れば、苦しむのは家の娘。
ほぼ間違いなく親同士が大きな諍いを起こすことが明らかである以上、 それにより起こりうる全ての紛争から僕の家族と僕の親、親戚一同を守るのが父親として当然である。
それほど、世の中というのは厳しい。
のらりくらりと、 平和だ 愛だ平等だ、 自由だと、そんな甘ちゃんな言葉で人生がまかり通るほどお気楽な現実などあり得ない。
実は、娘の教育に厳しかった僕は中学時代にも頭ごなしに叱り飛ばしたことがある。 まさに理不尽の塊、完全な馬鹿親父に見えたであろう。
事は同性の友達の事なのであるが、普段は全く無頓着である僕と違って、家内の方は細やかに娘を観察して注意しているが、
一時期、親と友達の間に挟まれて苦しんだことがある。
事は複雑だが、簡単にまとめるなら”だらしない行動”をする友達の姿にシンクロし、憧れを覚えたのかは分からないけど、精神的解放を要求するみたいな感じだった。
よく言えば友達思い、悪く言えば てい良く従属させられていたという方が正解だろう。
当然、それがどんな未来をもたらすか?を大人として分かっている家内から、かなり注意を受けていたのだけど、その時に起きたのが軽い自傷行為。
腕を爪で引っ掻いて後付けたり 髪の毛を引きちぎったりと、だんだんと悪化する傾向が見えた。
それを見て怯えてしまったのが家内、 心配になって僕のところにやってきて事の次第を話し始めた訳だが、 家内の言い分を聞くと内容は極正論、 正しいだけで何ら間違はない。
ところが、中学生の頃のというのは反抗期絡み自分の友達とで織りなす世界を正しいと信じやすく、親の言葉を軽視し、友達同士の価値観やら考え方を重んじる事が多い。
だれしもが自傷的なことは大なり小なりしたことが有るとは思うが、すぐに馬鹿馬鹿しくなって 何度かやればその後にやらなくなる物である、 自分もそうだった。
ただし、そうした行為を 親に見えるようにやる=自分を人質にとって、都合良く自分の言うことを聞かそう と言う、世の中でもっとも惹きようで姑息なやり方を、
親としてそのままにしておくことは出来ない。
盛んに「手首を切るようになるんじゃないか?」と心配する家内の話を黙って聞いていた僕だが、娘が帰宅したのを見計らい部屋へいくと、頭ごなしに徹底的に叱りつけた。
言い分など一切聞かない、 叱るの事はやっている薄汚い行為についてだ。
「世の中で最も卑怯で姑息、しかも一番ずるい方法で親を自分の思うとおりにしようとする様な子は家の子ではない」、「死にたきゃどこでも行って死んでこい!」と怒鳴りつけた。
「今すぐ屋根に上げてやるから頭から地面に飛び降りろ!」とたたみ掛けた、
「手首きる? やりたきゃ~やればいい。」 死ぬなら完全に死ねばよい、やるなら自分を人質に取らずに、自分のためだけに完遂せよということだ。
子育ては時として激しい戦いを要求される、子供に過ちが有る場合、正すために親はけして負けてはならない。 どんな手をつかってでもだ・・・
そうでなければ子供は自分の過ちになかなか気付けない事というのがあるからだ。
世の中に出れば血の涙を流しながら、地面を這いつくばってまで歩まねばならない出来事はいくらでも有る。
たかが親に友達の事で叱られたくらいで、そうしたくだらない事をするような真似は、親として絶対に許すわけには行かないのですね。
また、自分で止めたくても 本能がもたらす反抗が心を素直にさせないことは当然であり、心の底では引き留めてくれることを願っていたり、救済を求めていることも多い。
子供を導くのは優しさだけではない、厳しさも必要だし、体罰も当然に必要である。
そうして様々な形の愛情を親から学び、それを理解する学習を成人するまで積むからこそ、 人の心がよく分かるようになるし、心が豊かになる。
子供はその成長していく過程において 様々な外敵要因に影響され、自己を見失うことで間違った要求を突きつけてくる事が多いが、
大抵の親は子供の自主性という言葉に逃げ道を見いだし、単に言うことを聞く奴隷に成り下がってしまう。
子供によってはそれに味を占め、要求のエスカレートが始まり、どんどんと無理難題を口にする様になる。
非行にしても、ひきこもりにしても同じで、自傷行為をする子も、どこかしらに強い親からの救済を求めていることが多い。
特に自傷行為する子の親は 初期段階で”そうした行為で人は動いてくれないのだと”と、強烈に分からせることで、それがどれだけバカバカしい行いであるかを子供は気付く。
親がうろたえると、心配が自分に向くので その時は癒されるが、 弱い親に守ってもらえない不安感が消える事は永遠に無く、少しだけえられた安心に心が支配され、
又癒しを求めてさらに大きな自傷をする。
その繰り返し・・・・・、そして最後には本当の死に至る。
現実に取るべき対処は正反対で、”親が激しく叱り、一歩も譲らないこと” これにより子供は、「自分は強い親に守られているのだ・・・・」と強烈に認識することで安心して
、たいていは一発で収まる。
反抗期における 親の愛情確認の一つでしかないからだ。
青年期における善悪の判断が難しい出来事において、親が山のように動かず、動じもしない姿で有り続けることは、子供に幸福感と安心感を与えこそすれど、
それにより親を恨むことなど消してない。
けだし、そこには親としての常識的正しい判断(正義)が絶対に必要であり、その時に我が子が反抗しようが何しようが、後に親の心が肌で分かって来る物でなくてはならない。
それだけは絶対に必要であるといえる。
わずかながら始まった娘の自傷はこの一発で納まり、 その後に娘は、自分と友達を切り離して、さまざまな関係をどう処理してどう裁いていくか(第三者的展望思考)を自分なりに見つけ、
それが高校生時代の友達関係に大きな影響を及ぼしていたことは、間違いのない事実として僕の目にも明らかである。
けして動揺してはならない、それこそが父親にもとめられる姿である。
そして今回。
思いの外、娘は冷静だった、 その彼氏との関係を冷徹に処理し、翌日には普通の姿しか無かった。
結局、親から見える物は、それが完全な情報遮断状態でない限りは、常に正しいと考えた方が良い。
恋に恋する年齢故、 なんとなく続いてきた恋愛ごっこの果てに起きた小さな?出来事。
彼氏の親が自分の親に接触を試みるという状況において、自分の中でどうするべきか?という明確な気持ちと判断が出来ないままの状態で周りが勝手に動き始めてしまっていた。
そう僕は考えている。
そのまま行けば、すでに働いている彼氏との結婚だなんだと学業は中断させられ、 商売やっている向こうの父母、特に母親経営先のただで使える都合良い労働力として酷使されるのは
目に見えている。
自営の父親に、「継げ」といわれて仕事をやらされている息子であれば、当然至極利便上の関係で同居となり、そこにうちの子の意見や考えなど一切通用しないだろう。
親に反抗すらできないマザコン息子に、娘との家庭を守れる力等はなから無く、二人そろって親の利益の為の言いなり人生を歩まされる事は間違いない。
もしその彼氏が、親の言うことを大人しく聞くような子ではなく、我が道を歩む気概と独立性を持っていて、マザコン要素が皆無なら僕も了承した可能性はあった。
男の子は母親のペットではない、男として父親になって家庭を守れねばならない立場としての最低の力が必要で、少なくとも子供達が独立するまではそうした存在として家庭に
君臨しなければならないからだ。
男女平等? 対等の夫婦?そんなもの糞くらえだ!
激しく涙したであろう翌朝、僕がいつも通りにおきてPCディスクへ向かうと、”いつも通り”の書き置きがディスクの上に有った。
そして現在、そんな出来事等どこえやらで、今は大学生活が楽しくて仕方ない娘。
見てみて!と 講義で習ったことに関して親としての意見と考えを聞いてくる娘、笑顔満面で送る毎日。
ただし、この先もそれは永遠に続くものではない事は、僕にはよくわかっている。
しかしながら、親というのは我が子に対して常にベストの環境を提供する心を持ち続ける存在なのだと、 教育学部で研鑽を積み重ねる後ろ姿にそっと投げかけるわけです。
格好つけた理論で人間関係がうまくいく事が無いように、ましてや親子なら偽りなき心と心以外にコミュニケ―ション等、無いのだと・・・・
最後に とてもよい短編ビデオ、 タイの保健CMに使われていた物。
このビデオには、僕の気持と娘の気持ちの重なる部分も多々有り、見ると涙を抑えきれないのですね。
Silence of love
テロップの翻訳 by 翔
I want a better father.
普通のお父さんが欲しい
Someone who’s not a deaf-mute.
聾唖でないお父さんなら誰でもいい
(Deaf Dump Dad.)
耳の聞こえない役立たず父さん
A dad like everyone else’s.
皆と同じ、普通のお父さんが欲しい。
Deaf Dump Dad
(聾唖の役立たずパパ)
A father who can listen to my hope and fears.
私の望みをその耳で聞いて、辛い事から救ってくれるお父さんが欲しい
A father who speaks. Who understand me.
言葉を話せるお父さん、私を理解してくれるお父さんが欲しい
*Please don’t let anything happen to my daughter!
娘を助けてください、何もなかったように!
*I have money. I have a house. Take it all!
お金も有ります。家もあります、全て取り上げて構いません。
*My dauther. Can. Not. Die!
私の娘は、死ぬわけには行かないんです!
*Eat more dear. It helps you to grow.
可愛い子よもっと食べなさい、そうしないと大きくなれないよ。
* Be good at school.
学生活を楽しむんだよ
*It’s my Kids birthday today.
今日は子供の誕生日なんだ。
*(Happy birthday! Always be happy. Love dad!)
お誕生日おめでとう! いつも幸せで有りますように、 愛する父より。
*I was born a dead-mute.
お父さんは生まれつきの聾唖
*I’m sorry for that
ごめんね、多くの事で(苦労かけて・・・)
*I can’t speak like other fathers.
他のお父さんみたいに話せないんだ
*But I want know you to know that I love you with all my heart.
でも、お前はお父さんの全ての愛情で包まれてることをしっているよね
*Take my blood!.
私の血をあの子に!
*There are no perfect fathers.
完全な父親なんてどこにもいない・・・
*But a father will always love perfectly.
でも、父親の愛にかなうものはない
*Remember to care for those who care for you.
覚えておこう、誰が一番自分を理解してくれているのかを・・・