最近チョコチョ耳にするのが、 「フォーミュラー乗りが少なくなった」という言葉。
確かに・・・・・・と思うのは、道具の中古市場でボードの玉数が極端に減っていて、裏返すと大型の道具を使いこなすセイラーがここに来て大きく減っているということになる。
なんとも言えない、いや言ってはいけない?のかも知れないのだけど、歯を食いしばって困難な事に立ち向かう世代が年を取り、「苦労???そんなことより楽で簡単に楽しめればいいじゃん!!」という世代に代替りしてきている・・・・・という方が正解かもしれない。
あえて難しい事に立ち向かい、困難をねじ伏せてやろう!という世代の最後尾に引っかかっているであろう僕にとっては、出来るだけ楽に・・・という安直な思考は無く、こなしていくことで自分の成長が見えるこのスポーツがなにより楽しい。
もう長いことやっているウインドサーフィンというスポーツだけど、自分が見えるからこそやっているようにも、思える。
確かにフォーミュラーはその独特の乗り方故に、 扱えるようになるまでにはかなりのステップを踏まなければならない。
まず立ちふさがるのが巨大なセイルで、12.5㎡ や、11.0㎡ とかのセイルを扱うのは半端ない体力がいる。
僕がトレーニングジムを欠かさないのは、そうしないとセイルのパワーを扱うことが出来ないからだ。
逆にそのセイルを扱えるという事は、ジムのトレーニングマシンで最大荷重を掛けても簡単にギシギシ出来る、という事でもあって、特にサンデーセイラーの僕は”必ずしも風が吹くわけでもない海”で数週乗れずにいると、体力がガタンと落ちて海上でのたうち回る事になる。
わずか6~7ノット辺りからプレーニングさせてくれるでかいセイルは、僕の使う11.0で 20ノット(10m/s)辺りまでという広い風域を、高性能なボードの力を相乗させる事で大きな海原を平然と飛ばす事ができる。
20ノットというと、7.5㎡~のセイルがすでに走る風域だけど、その辺りになるとさすがに恐怖心と闘いながらになる。
+海面が荒れ始め、うっかりセイルを落としたりすると最悪。
もちろん体得したセイルアップのコツ(方法)があるのだけど、それを知らないと潮と風で遥か沖まで流され、下手すりゃ天国にたどり着く事にもなりる??(笑)
特に自分の使っているレーシングセイルは、カムでホイルとドラフトを強固にキープするので、落とすと全体が皿みたいな(飛行機の翼をひっくり返した)感じとになり、その中にどんどんと水が流れ込んでくるわけだが、
それをそのまま引き上げようなんて考えたら、おそらくは150~200kgはある。
当たり前だけど、本来は体重100kg、身長2Mクラスの、体を鍛えまくったデカい外人レーサー向けに向けに作られたものだから、僕みたいな小柄で体重も65kg前後しかない人間には、技術的にカバーをするしか方法が無い。
自分がこうしたセイルを扱えるようになったのは、少しずつセイルサイズをアップしていく過程で、沢山の苦しい思いと、海水をひたすら飲まされまくった結果。 汗汗汗
とても簡単なスキーより、更に至極簡単なスノボだぜ!という世代には、乗り越えた先にある素晴らしい物を想像することは無理なのかな~・・・・ と・・・・
次がボード。
ウルトラ端っこに取り付けられたストラップ、特に後ろのストラップはそう簡単に脚を入れさせてくれない、チキンストラップ(内側にあるやる)なら楽だけど(笑)、
これだとダウンウインドになるので、上り角度を取るにはやはり外側を使うことになる。
それがそう簡単には行かないから面白いのだけど、瞬間的にセイルをベア気味にしてつま先を入れる加減とタイミングが難しく、当たり前だけど爆発的に発生するセイルパワーに体を持って行かれてふっ飛ばされたりは始終。
まあ、下手の極み=僕 なので、仕方ないですけど、 ゲスの何とか?じゃ~ないよ! ケケケ!
一度外ストラップに脚が入ってしまうと、その性能は素晴らしく、それにより上りづらい微風環境を楽しめる。
ただ、乗り方が普通のボードと違って、簡単に回転するわけではないジャイブは独特で、さらにフォーミュラーの癖が有るので、それに苦しめられる事が多い。
なにぶん「西洋のロングソードかよ?」といいたくなるような長いフィンは、直線性と上り角度は申し分ないけど、回転時にはこれがまるで軸になってしまい、ボード横幅を両足で目一杯踏ん張りつつ「ウォリャ~~~!!」という感じで回る。
初めてフォーミュラーに乗った時は、「なんだこりゃ~~~???? 恐ろしい・・・」という感じで、しかしながら練習を積み重ねると楽しくてね・・・えへへ
この風じゃな~という風域でも沖を飛ばして、「もう無理だろ!?」という風速まで上がってくるまでの数時間を、フォーミュラーで乗ることが多い。
すさまじいパワーを扱うので、 道具を上げてセットを変更して、もう一度海に出ようという気持ちより先に体力が尽き、またそれは何時もの事?でもあるけど、弱風のまま風上がらずで未練タラタラとシーサイドを離れることもない。
楽しさと疲れきった充実感で満足してしまうんです。
ウインドサーフィンという乗り物は、あらゆるスポーツの中で最も高度で難しいと言われていて、初心者スクールに来ている若者はそれなりに多いけど、普通に乗れるようにすらなるまで、かなりの時間と苦しさが待っているので、おそらくは100人に5~6人位しか残らない。
難しいからこそ挑んで、それをこなせて、その姿が黙っていても男らしさの勲章になるという、そうした世代のメイン達はすでに体力的な衰えが来て、それが冒頭のフォーミュラー乗りが減りつつ有る現実でもあるのだけど、
スマホと携帯の世代は、その”らしさ(男として)”をどう表現するのだろうか?なんて思ってしまうのは僕だけだろうか?
男ががん首そろえて女性化し、”男らしさ”は差別の根源だみたいに言われて育ったせいかは判らないけど、皆中性にシフトしてしまって・・・・・・
僕個人の受ける感覚では、若者の中のほんの僅か、一握りしか気概のある奴はいない。
女性らしさを求める男性は今も昔も変わらず世の中にいて、女性そのものも、何ら変わること無い女性らしさ(魅力)を高める研鑽を欠かしはしてはいないのに、男達は一体・・・・・・・・・