急に降って沸いたように東京オリンピック招致にからんだ多額の裏金疑惑のニュースが飛び交っている。事実としたら、オリンピックも吹っ飛ぶような大スキャンダルであるが、その当事者の名前を聞いてビックリというか、さもありなんという感想である。
ニュースによると、日本側が2013年に国際陸上競技連盟(IAAF)のラミン・ディアク前会長の息子に関連する口座に計280万シンガポールドル(約2億2000万円)を送金していたという証拠を掴み、フランス検察当局が調査を開始したという。
この息子というのは、通称、パパ・ディアクといって、陸上界では有名なスポーツ裏ビジネスに暗躍していた人物である。スポーツ大会の誘致に関しては、水面下の世界では、例えば、立候補が他にある場合、お金を動かして、立候補を取り下げさせる等の裏工作がまかり通っているようである。
過去の国際大会でも、このパパ・ディアクからお金をよこせば、他の立候補を取り下げさせる活動を行うという持ちかけがあったとも言われる。当時はもちろんそんな持ちかけは完全無視であったが、そのような人物であるから、今回のニュースもさもありなんという心配がよぎるのである。
また、新しい報道では、このお金は契約に基づく、コンサルタント料であるので、全く違法性はないと説明されている。恐らく、これは事実で、裏金ではないと思うが、大会の誘致活動にこれも含め、多額なお金が必要とされていることの方が問題とも感じる。表向きは違法性のないコンサルタント料といっても、要は、誘致獲得のための作戦、関係者への働きかけの報酬であるも同然ともいえよう。
世界中のスポーツ界では、表沙汰にならないが、残念ながらこのようなスポーツビジネスが存在しているのは事実のようであり、それまでして大会を誘致する必要があるのかという疑問を持たざるをえない。早く事実関係の究明をしてほしいものである。