夕刊フジによるZAKZAKというインタ-ネットニュースサイトで、5月27日に羽田空港で起きた大韓航空機事故のニュースに間違ったと思われる情報が書かれていたので、大変気になった。
ニュースによると、
「東京・羽田空港の滑走路で27日発生した大韓航空機の出火事故。350便以上が欠航するなど、6万人以上に影響したが、一夜明けた28日も衝撃は収まらない。原因として整備不良によるエンジントラブルの疑いが浮上。さらに事故発生時の航空会社側のお粗末な対応にも非難が集まっている。。。。中略。。。。脱出する乗客のサポートも不十分で、「日系の航空会社なら、シューターの両脇で乗務員がサポートする。しかし、今回はそうした対応が取られなかったようだ」
脱出する乗客が利用するシューターの両脇で乗務員がサポートするなどということは日系の航空会社でもありえない。シューターの両脇でサポートとするために、乗務員が乗客よりお先に機外に出ることは航空法上違反行為であり、どの航空会社もそんなことはやっていないはずである。
実際は、どうしているかというと、非常口に着席する乗客に対し、緊急事態でシューターが降りた場合は、真っ先にシューターで機外に出て、他の乗客のために、シューターの両脇でサポートするよう特別任務を依頼しているのである。その任務を了承した上で、はじめて非常口に着席できるともいえる。
従って、今回、シューターの両脇でサポートする人がいなかったとすると、それは、非常口に着席した乗客がその任務を怠ったか、その任務について、乗務員が乗客にきちんと説明していなかったかのどちらかであろう。いずれにせよ、乗務員が両脇でサポートするなどということはありえないのである。
もう20年位前だと思うが、機内の緊急事態のデモンストレーションビデオで、乗務員がシューターの両脇でサポートしている映像が放映されていたが、実際にそれを見た乗客がシューターの下に乗務員がいると勘違いして、シューターから飛び降りる時に怪我をするケースが多発した。
その時以来、シューターの援助は、非常口の乗客に義務付けることになり、デモンストレーションビデオも乗員ではなく乗客が下でサポートする映像に変更されたのである。非常口に座る場合は、乗務員から緊急脱出時の援助任務についてブリーフィングを受けているはずである。どの航空会社も非常口座席は特別任務があるため、航空会社社員、添乗員等特別理解のある乗客をアサインしているものと思われる。
従って、大韓航空の乗務員がシューターの両脇でサポートする対応を取らなかったというコメントは、明らかに間違っているのではないかと思い、大変気になった。
もしこの理解が違っていたら誰かご指摘ください。