花浄土鹿児島

鹿児島の花や風景、祭りなどを巡るブログです。
(季節の花、吹上浜、桜島、霧島など)

お盆明けの精進落とし行事 ハンギリ出し 2015/08/16 (霧島市)

2015-08-18 20:53:42 | 祭り・伝統行事
今年も霧島市広瀬地区で、お盆明けの行事ハンギリ出しがありました。

海岸堤防から見た北側の風景 以下の画像は全て2015年8月16日に撮影


霧島市が設置した案内板の表示は次のとおりです。
「ハンギリ出し」とは、毎年、盆明けの8月16日、精進落としの行事として広瀬地区で行われています。「ハンギリ」とは飼い葉桶のことで、十数メートルの孟宗竹2本の先にハンギリをはさんでくくり付け、幅約2メートルの板を4枚置いて取り付けたものです。この4枚の狭い板の上に立って投網をするには熟練の技を要しますが、その姿は風情があります。獲れたエッナ(ボラの子)はその場で調理され、酒の肴となります。

小村新田の潮止め工事が行われた弘化2年(1845)~嘉永4年(1851)の頃、潮溜まりのエッナを投網で取ったのが始まりといわれています。現在もこの行事は続いており、毎年多くの見物客でにぎわいます。 霧島市教育委員会 (引用終わり)

周辺の帰り松 右側は海岸堤防


潮溜まり周辺の遊歩道には霧島市と姉妹盟約を結んでいる岐阜県海津市の「木曽三川 千本松原を愛する会」から贈られた「帰り松」が植えられています。

ここでも気になる桜島の様子


15日に噴火警戒レベルが4に引き上げられた桜島は、ここから南の方向にあります。ご覧のとおり雲に覆われて山体が殆ど見えません。噴火すればこの付近は火山灰まみれになります。気に掛けながら撮影しましたが、結局16日中は噴火しませんでした。

飛び立つ白鷺


10時の投網開始を告げる花火に驚き一斉に飛び上がりました。出水の鶴も同様ですが何かに驚き慌てて飛び立つ姿は優雅ではなく、可哀想な感じでした。

いざ出漁


日差しが弱く蒸し暑い空模様


カメラマンが一杯


今年は16日が日曜日のため、普段よりもカメラマンが多いようでした。真夏の日差しが照りつけると、投網が光ってきれいなのですが今日は今ひとつです。大汗はかかずにすみましたが、撮影に力が入りませんでした。

資源保護を呼びかける看板


ボラは大きくなるにつれて名前が変わる出世魚です。ボラの幼魚がエッナです。ボラが大きくなると体長80センチほどにもなりトドと呼ばれます。「トドのつまり」のトドのようです。大きなメスの卵巣は、珍味カラスミの原料になります。

簡単な竹と板、ハンギリを組合せた筏


投網の風景


エッナと思われる獲物


こちらはスズキのようです


今年は魚が小さかった


漁を終えて取材風景 11時7分


桜島噴火警戒の影響でしょうか、例年よりもテレビ取材が少なく、私が見かけたのは1社だけでした。新聞社取材も1社見かけました。

手馴れた包丁捌き


おもてなしコーナー 霧島市長さんもお見えでした


霧島市の関平鉱泉水の試飲コーナー


頂いた美味しい鉱泉水で、のどの乾きを潤しました。今年は漁が少なく魚も小型でしたが来年の豊漁を期待しながら11時15分頃帰途につきました。
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送り盆の行事 北山の火振り 2015/08/15 (鹿児島県日置市)

2015-08-18 16:33:18 | 祭り・伝統行事
8月15日は旧盆、戦後70年目の終戦記念日でもあります。
お盆休みの鹿児島県民を驚かせたのは桜島の噴火警戒レベル引き上げでした。

NHK昼のニュース 画像は全て8月15日撮影


今にも大噴火しそうな報道で桜島の様子が気がかりながらも、日置市東市来町北山の送り盆行事「北山の火振り」撮影に出かけました。行事の概要について鹿児島県ホームページから引用します。

 北山自治会によって、お盆の8月15日の夜に、精霊を送る行事として行われるもので、100年以上の伝統を有しているとされています。その昔、北山殿と梅木殿が戦い、亡くなった北山殿の霊を慰めるため、無縁仏が西方の極楽浄土で安穏に暮らせるように、供養するためだと伝えられています。

 長さ7~10メートルの竹の先に、薪をくくりつけたものを数十本作り、火をつけて激しくゆすります。竹のしなりで、先端の炎が夜空に大きく弧を描き、火の粉が飛び散る様は、荒々しくも幻想的なものです。

 平成10年5月22日に旧東市来町の指定文化財になり、平成17年5月1日日置市誕生によって、市指定文化財になりました。(引用終わり)

納骨堂前に運び込まれる松明


左後ろの北山公民館のトイレが利用できて助かりました。道路沿いに駐車スペースがあり撮影には便利です。公民館から火振りの会場となる共同納骨堂までは100m程度。鹿児島では珍しい行事でカメラマンが多く、昼間から場所取りが必要なほどでしたが、最近はやや減少傾向です。

孟宗竹の先に飾られた弓矢と竹枝の餅飾り


宮路市長さんの挨拶に続いて19時に点火


消防服とヘルメットで安全第一


19時5分 火振りが始まった 空はまだ明るい 日没は19時2分


安全を考慮したのでしょう、以前よりも点火時間が早まっているようです。西空は夕焼けで空が明るく、松明の光跡を長く写しこむのは難しい状態でした。

35本程度の松明が使われましたが、火の粉が降り注ぐため撮影中の移動でケガをしては関係者にも迷惑をかけます。今回は最初の位置から動かず撮影を続けました。やがて夜空に光跡がくっきりと浮かび上がってきました。

暗めに補正しましたが夕焼けとのバランスは今ひとつ


松明の動きが面白い


松明は南北に振ります 撮影者側に観客がいて納骨堂があります


かなり暗くなりスマホなどで撮影する人が少なくなった


使用したのは24-70mmのズームレンズですが、周辺の人の腕や肩が写りこむため最初は撮影しにくい状況でした。露光時間は長いものでも5秒程度です。長すぎると光跡が重なり露光オーバーになります。あえて三脚を使わず手持ち撮影で光の動きを楽しむカメラマンも見かけました。

南北に松明を振るため納骨堂側の観客に火の粉がかかることは少ないですが、竹が折れたり燃えた薪が飛んでくる可能性もあります。撮影には少し厚手の長袖シャツ着用がお勧めです。

火振りも終盤


火の粉が降る中で松明を振る人たち


19時35分 櫓(やぐら)に点火


飾り餅


クライマックスでは櫓に点火され杉の葉が勢いよく燃え上がりました。よく見ると櫓に立てられた竹を昇る若者がいます。火の手が迫る中、首尾よく飾り餅を手に櫓から飛び降りると観客から拍手が沸きました。

火傷や飛び降りる際ケガをした人もいて、かなり危険で勇気が試されそうです。飾り餅は牛馬に与えると病気をしないと言われていたそうです。

19時46分 納骨堂と夜空を彩る花火 火振りの場所は右側


納骨堂南側の田んぼから花火が上がる中を帰途につきました。北山地区の皆さん、今年もありがとうございました。
帰宅後も桜島には表面上の変化はなく、テレビが警戒を呼びかけていました。
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