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Y氏の終わり

2008-04-28 00:13:16 | 
スカーレット・トマス著

朝日新聞の書評に「理論をちりばめ、魔書の謎を追う」
一冊の本が人の人生の与えるミステリー本は楽しいとあった、
「薔薇の名前」しかり「風の影」しかり・・・。
これはイケルかも・・・。

読後じわじわとあれやこれやと考え始めると限がない。

ホメオパシーなる調合した薬で、向こうの世界へ行けてしまう、
実際、ホメオパシーなるものが、イギリスでは信じられているらしい、
効果は本とはちがうことに使うらしいが。
向こうの世界とは死者の世界ではなく、思考の世界、他人の頭の中へトリップ、
つぎつぎ他人の思考の中へジャンプ、ジャンプ。
ジャンプと同時に他人の思考と記憶を盗んでくる。
助けたネズミが、アポロスミンテウスとなって救世主のように登場
不思議な名前、いったい作者はどこからこの名前を拾ってきたのか。
主人公のアリエルは、デリダ、ハイデッカー、ボードリヤールが好き、
このへんの理論を知らないと、おもしろさも半減かも。

読みながら、コニー・ウィリスの「航路」に似ていると思った。