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カタバミ〜帰国日記10

2023年07月04日 08時00分00秒 | カタバミ科

2023.05.26撮影

何度も帰国・帰省して、実家に滞在し、両親と過ごす日々がわたしの人生の40%くらいになってきたからでしょうか、子ども時代のことがよく思い出されます。両親の持ち物を整理しているので、古いものが出てくるのも、その理由か、と思われます。

庭の管理もしています。今の庭は、両親が家を建て替えてからの庭なので、わたしの子ども時代の庭とは異なるのですが、それでも似たようなものが植えてあるので、やはり、わたしには懐かしい風景です。

わたしが子どものころは、5月ごろには、冒頭の画像でお見せしているカタバミが、塀沿いや垣根沿いにイヤというほど生えていました。植えたわけじゃない。「ムラサキ」カタバミ、とはいいますが、実質、ピンクです。

学名 Oxalis debilis
和名 ムラサキカタバミ(紫片喰)
カタバミ科(Oxalidaceae)カタバミ属(Oxalis

ムラサキカタバミ

ムラサキカタバミは、Wikipediaの記述によると、
・南アメリカ原産である
・江戸時代末期に観賞用として導入された
・以降、日本に広く帰化している
・現在、環境省により要注意外来生物に指定されている
ということです。

ですから、「観賞用」だったんですよね。それが、思ったよりはびこってしまった、それは、けしからん、ということです。


2023.05.26撮影

花は、実際、きれいですよ〜。ピンクの色合いが優しいし、白っぽい「喉元」に向かって、濃いめのピンクの線が集まっていくのもきれいです。おまけに、白さの向こうに、黄緑色が浮かび上がります。次々と大量に咲いてくれるのもうれしい。

子どものとき、草抜きのお手伝いのひとつとして、このムラサキカタバミを抜くのがあり、しぶしぶ行ったものです。と言うか、だいぶんサボりました。花を摘んだだけ。

こんなきれいな花を、なんで取り除かなくてはならないか、と母に聞いたんですが、あまりにも増えるから、ということでした。

うん、今環境省が言っていることと同じだ。大人は論理的なのであ〜る。

子どものときによく見たカタバミ、と言えば、もうひとつあります。もっと小さい黄色い花のカタバミ。以下の画像をご覧ください(画像中大きく写っている単子葉の葉は、このカタバミのものではありません)。


2023.03.18撮影

学名 Oxalis corniculate
和名 カタバミ(片喰)
カタバミ科(Oxalidaceae)カタバミ属(Oxalis

生物学でカタバミ科(Oxalidaceae)の上の分類は、カタバミ目(Oxalidates)といいます。ですから、この植物は、
・日本語で、カタバミ目カタバミ科カタバミ属カタバミ
・学名で、Oxalidates Oxalidaceae Oxalis corniculate
ということになります。

このカタバミには、変種が結構あるようです。

以下の画像すべてが、
・このカタバミの変種なのか、
あるいは、
・近縁の別種なのか
は、わかりません。

こういう黄色くて小さい花のカタバミが、他所へ行かなくても一家の庭でこれだけ見つかった、ということでご紹介しておきます。すべて、実家の庭からです。特徴も付け加えておきましたが、それは飛ばして、画像だけでもご覧ください。

 
2023.05.26撮影               2023.03.15撮影
・花茎が立ち上がっている          ・花茎が立ち上がっている
・葉は優しい緑色              ・葉は赤茶色、背景がわずかに緑

2023.05.27撮影
・花茎がやや立ち上がっている?
・葉は、やや濃いめの緑で、縁が赤い

 
2023.05.27撮影               2023.05.26撮影(+ハンゲショウの葉と)
・葉は、やや濃いめの緑で、縁が赤い     ・葉は、やや赤みがかったで、縁が赤い
・花が山吹色、花の根元が濃い色       ・花が山吹色、花の根元が濃い色

2023.03.18撮影(+ニワゼキショウの葉と)
・葉は赤みがかり、葉の中央部分は緑がかる

 
2023.03.23撮影               2023.03.24撮影
・左右とも、葉に毛がある
・左右とも、葉は赤茶色〜赤紫がかり、背景の色がまだらに出る
・左の葉の背景は薄緑〜薄ピンク、右の葉の背景は濃い緑〜赤っぽいピンク
・直近に出ている葉でも、バリエーションがある(左の画像では緑の葉もある)

2023.03.24撮影
・葉に毛がある
・葉は、薔薇色のような薄いピンクであり、ほとんど緑は見られない
・葉は、やや肉厚

あくまで、わたしにとって、ですが、カタバミ(属)と言えば、次の2種だったんです。
・ムラサキカタバミ
・カタバミ(種)

それが、コロナによる入国制限のきつい間は帰国せず、規制が緩和された、去年(2022年)の10月に、3年ぶり以上で帰国してみると、道端の草の景色が変わっていた。実家の庭も変わっていた。カタバミが、ド派手な花になり変わっていた。

わたしの子ども時代の心象風景を壊さないでくれ〜〜〜

以下の3枚の画像は、すべて、フヨウカタバミ(Oxalis purpurea)なのか(一応、フヨウカタバミとしておきます)。変異性が高いだけなのか?

 
2023.01.19撮影Oxalis purpurea      2023.03.23撮影Oxalis purpurea
・白い花                  ・濃いピンク、やや赤紫、の花
・緑の葉                  ・紫がかった赤茶色の葉
・赤い軸                  ・赤い軸

2022.10.28撮影Oxalis purpurea
・白い花
・やや青っぽい緑の葉
・白っぽい軸

次のは、初め、わたしはフヨウカタバミだと取り違えたんですけど、フヨウカタバミでないことに気づきました。フヨウカタバミの花は、花軸が枝分かれせずに、軸の先にひとつずつ咲きますが、このカタバミは、花軸から花茎がさらに出て、複数の花をつけます。

正確かどうかはわかりませんが、このカタバミは、Oxalis bowiei(和名はないもよう)ではないか。(前にカタバミ属について書いたときの記事の中での間違いは、すでに訂正しておきました。)

2022.10.30撮影(Oxalis bowiei

次のは、また別のカタバミです。葉っぱが大変変わっています。

2023.03.15撮影(Oxalis pes-caprae
・葉に黒点がある
・葉がハート型に切れ込む

次のは、しばらく前から実家にあったようなんですが、いつからか記憶も記録もありません。不思議なカタバミだなあ、と見ていたということだけ覚えています。後で気づいたのは、このカタバミは4枚葉なんですね。カタバミは、一般に、3枚葉です。見ている時には、ちっとも気づかなかった。なんか、違う、と思っただけ。
  
2023.05.26撮影(Oxalis tetraphylla
・4枚葉
・葉の中心が赤っぽい

とにかく、今浦島の海外在住組は、帰国するたびに、ショックを受けることが多々ある。実は、ここ8ヶ月間で4回往復した中で、他にもびっくりしたことがあるのですが、それは別の記事で。



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