
Helleborus orientallis(ヘレボルス・オリエンタリス)
撮影者:KENNPEI
撮影日:2008.03.16
撮影日:2008.03.16
* 花弁の先の丸い種類
わたしは、レンテンローズ! クリスマスローズじゃないもん!
と、今日のお花が言っています。
日本では、キンポウゲ科(Ranunculaceae)のヘレボルス属(Helleborus)のことを、クリスマスローズ属とも呼び、どの種でも、それが流通名として通ることが多いようです。
特に、庭でよく栽培されるヘレボルス属の種、および、園芸種のうち、同じように見えるか、と思われるものが、少なくとも2種あります。
・ユリウス暦のクリスマスころに咲き始めるクリスマスローズ(英名 Christmas rose)、
学名は Helleborus niger「黒いヘレボルス」
・キリスト教の四旬節(レント)のころに咲くレンテンローズ(英名 Lenten rose)、
学名は Helleborus orientalis「東方のヘレボルス」
今日は、この、レンテンローズについて取り上げます。
学名 Helleborus orientalis「東方のヘレボルス」
英名 Lenten rose「レントのバラ」
別名 Oriental hellebore「東方のヘレボルス」
和名 クリスマスローズ
別名 ヘレボルス・オリエンタリス
キンポウゲ科(Ranunculaceae)ヘレボルス属(Helleborus)
今日も、画像は、Wikimedia Commons から借りてきます。オリジナルからの改変はありません。「*」の印をつけて、画像それぞれに、簡単な説明を加えておきます。

Helleborus orientallis(ヘレボルス・オリエンタリス)
撮影者:Jay Sturner
撮影日:2011.02.19
撮影日:2011.02.19
* 花弁の先の尖った種類
四旬節(レント)は、太陰暦に基づいているので、現在世界的に使われている、太陽暦であるグレゴリオ暦で言うと、年によって日が移動します。
四旬節は、次の期間です。
・2月4日から3月10日の間に始まり、
・復活祭(イースター)の前日(=土曜日)まで続く、
・日曜日をのぞく、合計40日間
なお、復活祭は、3月22日から4月25日のいずれかの日曜日になります。
レンテンローズ(Lenten rose)というのは、「レント(四旬節)のバラ」という意味で、その期間に咲いている、あるいは、地域によっては、その期間に咲き出す、ということを表します。
具体的には、温帯の地域では1月の終わりか2月に、寒冷地域では3月か4月に、咲き始め、2ヶ月ほど咲きつづけます。

Helleborus orientallis(ヘレボルス・オリエンタリス)
撮影者:Dominicus Johannes Bergsma
撮影日:2014.03.01
撮影日:2014.03.01
* まだ開ききっていない花、中央近くに薄い点々がつく
クリスマスローズとレンテンローズは、つまり、名のごとく、咲く時期が異なるヘレボルスです。そして、形態上の特徴も異なります。
クリスマスローズの花弁(実は、ガク)は、基本的には白です。でも、レンテンローズは、白以外に各種の色の花弁が存在します(園芸種になると、さらに)。今日は、白い、あるいは、白っぽいレンテンローズばかり、ご紹介していますが。
レンテンローズの花弁の色の例
白、薄い緑、クリーム色、黄色、アプリコット、
薄いピンク、ピンク、赤、赤茶色、黒、紫
そして、レンテンローズの花弁には、クリスマスローズの花弁にはつかない、濃い赤紫色の点々などがつくことが、よくあります。

Helleborus orientallis(ヘレボルス・オリエンタリス)
撮影者:Jay Sturner
撮影日:2011.02.19
撮影日:2011.02.19
* 濃い赤紫色の点々のついた種類
レンテンローズの学名は、Helleborus orientalis で、意味は「東方のヘレボルス」です。この orientalis というのは、英語の Oriental「(西洋に対する)東洋の」と同根の語です。でも、Helleborus orientalis の orientalis は「(ヨーロッパの直近の)東方の」という意味で、中国や日本などの「極東」を指しているわけではありません。
前にもこの地図(下の画像)を掲載しましたが、もう一度ご覧ください。
ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)は、以下の地図では、「13」の地域が原産地です。その地域は、主に、黒海に面するトルコの北部と、ジョージア(旧名、グルジア)に渡り、それは「ヨーロッパの東方」に当たります。

Helleborus(ヘレボルス属)の原産地の分布
作成者:Nalagtus
撮影日:2019.08.07
撮影日:2019.08.07
クリスマスローズとレンテンローズはどう見分ければいいか。
・根が黒ければ、クリスマスローズ(根を掘ってまで見る人はいないと思いますが)
・早く咲けば、クリスマスローズ
・花が白ければ、両方の可能性
・花に色がついていれば、まずは、レンテンローズ
・花弁に点々などの模様がついているなら、レンテンローズ
これに加えて、地上からの花軸1本に、
・花ひとつなら(稀に例外あり)、クリスマスローズ
・1〜4個の花がついていれば、レンテンローズ
・花軸が中ほどで複数の花柄に分かれていれば(みんなではない)、レンテンローズ

Helleborus orientallis(ヘレボルス・オリエンタリス)
撮影者:Simon Barnes
撮影日:2007.03.24
撮影日:2007.03.24
と言っても、、、園芸店に並んでいる個体でさえ、区別するのが難しいことがあります。比較的信用して良いと思われる Wikimedia Commons の画像にも、怪しいのがあります。白状すると、わたしが自分で判断して借りてきている画像にも、間違いがあるかもしれません。
個体によっては区別し難い理由は、3つ。
・ヘレボルス属の複数の種は、そもそも、お互い外見がよく似ている
・その上、交雑種・交配種が多いので、形質の線引きがしがたい
・園芸店の「商品」に、(上のふたつの理由などで)ラベルがつけられていないことがある
ラベルに関しては、ごまかすな! と言いたいのですが、わたしのように、クリスマスローズかレンテンローズか、また、他のヘレボルスか知りたい人は、そう多くないのかもしれません。
でも、これはレンテンローズでしょう、というときに、わたしはそれをクリスマスローズとは呼べない。
それに、クリスマスも大きく過ぎてから咲きだすレンテンローズ(ヘレボルス・オリエンタリス)を、2月、3月、にクリスマスローズと呼びたくない。

Helleborus orientallis(ヘレボルス・オリエンタリス)
撮影者:Magnus Manske
撮影日:2010.05.01
撮影日:2010.05.01
* 花弁に透明の脈の見える種類
これは、もちろん、わたしの個人的な感じ方です。何をどう呼ぶかは、意味さえ伝わっていれば、個人の自由だと思います。
ただ、ヘレボルスを何でもかんでも「クリスマスローズ」と呼ぶのは、流通機構の戦略勝ちだったと思います。レンテンローズなんて、わけわからないもの、キリスト教徒の方々以外は。「クリスマスローズ」の方が、ロマンスがあるわあ。
コメントや応援ポッチを有難う御座いました!
⛄此方、廿日市市も雪が降り始め見る見る内に雪景色に成りました。今日は家におこもりしブログ訪問行脚で楽しんでます!★今日のブログに応援ポッチで~す!
🚁・・現場からは以上です!
@('_')@今朝も🎥Myblogは投稿してますので遊びにお越し下さいネ!
🔶それではまた👋・👋!
私の庭には30年ほど前から白いクリスマスローズが咲きます。
初めて名前を憶えたときに植えたのですが、花を見て名前と違って春に咲くのかと思った覚えがあります。
それでも深く考えませんでした。
今年咲いたら、斑点があるか確かめてみたいと思います。
いろいろな特徴などとても興味深いお話で読むのも楽しかったです。
これからも楽しみに読ませていただきます。
今年は大阪でも薄雪が積もりました、春はすぐそこまで来ているようですが今日も冷えます。
お元気にお過ごしください。
白系は清楚で美しいですね
スポットが綺麗に入ってひときわ引き立ちます
我が家はいつも遅くツボミさえ出ていないものが沢山あります
一度バンクーバーに旅行したことがありますが日本との温度差はどうだったでしょうか?
いつも訪問ありがとうございます🍀
現在、夕方の5時前ですけど、気温は11℃とインターネットに出ています。暖かいです。雪が降って寒いのは、1週間ぐらいですね。
また、花の写真を見せてください。楽しみにしています。