カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

青いアジサイが咲いた

2024年07月29日 12時45分00秒 | アジサイ科
2024.07.23撮影

青いアジサイが咲きました。白いガクに映えるかわいい青い花をご覧ください。

この白いアジサイは、園芸種名を 'Madame Emile Mouillere'「マダム・エミール・ムリエール」といいます。園芸家のエミール・ムリエールが100年以上前(1909年)に作出しました。「マダム(Madame)」と命名したところを見ると、妻に献呈したようです。

学名 Hydrangea macrophylla f. macrophylla
英名 Bigleaf hydrangea「大葉アジサイ」
別名 Mophead hydrangea「(モップのような)丸頭アジサイ」
和名 アジサイ、または、ホンアジサイ
アジサイ科(Hydrangeaceae)アジサイ属(Hydrangea

2024.07.23撮影

アジサイで花びらに見える部分は、ガク(萼)で、装飾花と呼ばれます。ガクアジサイ(額紫陽花)の外側の花が、この装飾花です。内側の花には、ガクがなく、通常花(あるいは、真花)、と呼ばれます。

装飾花の中央には、花びらのある花(上掲画像中では、青い部分)が咲くのですが、それに対する名称は見つけることができませんでした。「ほんとうの花」などと言っているばかり・・・

今日の「マダム」のような大きいまり状に咲くホンアジサイ(本紫陽花)は、装飾花ばかり、、、ではありません。装飾花に隠れた、まりの中央に寄った方に、通常花が咲きます。たまたま装飾花が途切れていると、まりの塊の上から見えるのですが、装飾花が密に咲いている場合には、指で装飾花をかき分けないと見ることができません。

「マダム」の方で適切な画像がなかったので、別のホンアジサイ「ニッコウ・ブルー(Nikko Blue)」の画像(ちょっとマシな画像)で、その通常花をご覧ください。この画像中では、装飾花の方の「ほんとうの花」はまだツボミです。でも、花の塊の奥の方の通常花は、開いています。ぷつぷつと見えるのが、オシベのヤクです。

2023.07.03撮影

ガクの枚数、通常花の花弁の枚数、「ほんとうの花」の花弁の枚数、オシベの本数、メシベの柱頭の割れ数、など、一定ではありませんが、わたしがわたしの庭に咲くアジサイを観察したところでは、大体で、次のようです。
・ガク(3〜5枚)
・通常花の花弁(3〜5枚)
・オシベ(8〜10本)
・メシベの柱頭(2〜4裂)

うちの「マダム」と「ニッコウ・ブルー」の「ほんとうの花」の場合は、
・ガク4枚
花弁4枚
・オシベ8本
メシベの柱頭3裂
というのが多いです。

さらに詳しくは、以下のサイトをご参照ください。植物学の大学教授により執筆・運営されているサイトで、詳しい情報が公開されています。アジサイについても、画像豊富に、詳しい説明がなされています。

2024.07.15撮影

アジサイ(Hydrangea macrophylla
まり状にびっしりと装飾花の咲くホンアジサイ(H. macrophylla f. macrophylla
・花の塊の周りだけが装飾花のガクアジサイ(H. macrophylla f. normalis
ではガクアジサイの方が原種です。よって、ガクアジサイは、f. normalis「普通」と呼ばれます。

種小名の macrophylla というのは、「大きい葉の」。ガクアジサイホンアジサイも、他のアジサイ属Hydrangeaの植物よりも、葉が大きいです。

ホンアジサイが「本アジサイ」と呼ばれるのは、それが民間で「普通の」アジサイとみなされているからだ、と思います。実際、わたしは、子ども心に、ガクアジサイはホンアジサイから作られたものだ、と思っていました。実際は、反対なのですが。

ホンアジサイは、学名では、f. macrophylla「大きい葉型」と呼ばれます。葉の大きさは、ガクアジサイより大きいわけではないのですが。わたしの憶測では、ガクアジサイよりも葉が大きい、と強調したのではなく、ホンアジサイの方が「普通の」アジサイであるとみなされたために、種小名をそのまま繰り返して、macrophylla f. macrophyllaしたのだと思います。

もっと想像をたくましくすれば、ガクアジサイの方が原種だと判明したときに、ガクアジサイの方に、あわてて、f. normalis「普通」とつけたのかな? と。これは、素人の妄想です、悪しからず。


2024.07.23撮影

気象庁の「あじさいの開花日」という記事によると、アジサイの開花日は、通常花(真花)の開花に基づくそうで、装飾花の開花ではないのだそうです。そんなこと、一般人には、わかりませんわ。アジサイの花が咲いた、と言えば、装飾花が咲いたこと、と思いますよね。

>> あじさいは(中略)真の花(両性花)が径7㎜ほどで、
>> 装飾花の柄が集まった中心で開きます。あじさいの開花日とは、
>> 標本木でこの真の花が2~3輪咲いた状態となった最初の日をいいます。

上の画像をご覧ください。「マダム」はガクの根本がピンクっぽいことがあります。また、ガクの周りが、ギザギザであることもあります。

下の画像では、ガクの中央に咲く花が、ピンクっぽいこともあるのがわかります。うちでは、青が多いですが。

2024.07.10撮影

わたしは、アジサイは好きな花なんですが、このガクの中央に「ほんとうの花」が咲くのを毎年楽しみにしています。何本かあるアジサイのうち、この「マダム」が一番多くの「ほんとうの花」を咲かせてくれます。

以下は、花びらが元から欠けているか、あるいは、咲いてから落ちた花です。オシベがタコか何かの脚のように開いています。こういうのって、造形美だと思うのですが、いかが?


2024.07.15撮影


コメント (4)