自分のところの開発が滞っている間に、海外でまたしても新しい羽ばたき機が登場した模様。
前回紹介したハチドリ型ロボットもすごかったが、今度のカモメ型飛行ロボットは、実際の鳥の飛翔メカニズムをおそらくこれまでで最高のレベルで再現している。
開発したのはドイツ・シュツットガルトに本拠を構えるエンジニアリング企業Festo社。元々空気圧機器の世界的メーカらしいが、ここ数年は、Bionic Learning Network というプロジェクトの一環で、AirRayやAirPenguinなどのユニークな飛行ロボット達を毎年発表して注目を集めている。その最新作がこのSmartBirdだ。
SmartBirdはCFRP製の軽量なフレームに23Wの出力をもつ小型のブラシレスモータと450mAhのLi-poバッテリ、通信システムとマイクロコントローラ、4基のマイクロサーボを内蔵している。左右の羽ばたき翼は単に一体で上下動するのでなく、内翼と外翼が分割されており、胴体からのリンケージにより本物の鳥のようななめらかな羽ばたきシークエンスを実現している。また、マイクロサーボのうち2基は外翼に内蔵されており、羽ばたきの1サイクルの間に外翼の迎え角を能動的に変化させて(言い換えれば、翼にひねりを与えて)、羽ばたき効率を大きく高めている。残りのマイクロサーボは胴体内に配置され、リンケージを通じて胴体の頭部と尾部を本物の鳥のように左右に振ることで、機体に高い機動性を与えている。2.4GHzの通信システムは双方向で、飛行中の機体の状況をリアルタイムでモニターして、機体制御に反映することができる。2mにおよぶ主翼スパンに対し全備重量は500g以下と軽量に抑えられているので、スローモーション映像のように緩やかな羽ばたきで非常にゆっくりと飛行する。全くもってすばらしい完成度で、同社のテクノロジーデモンストレータとして今後内外の展示会等に出品され、大きな注目を浴びるのは間違いない。
ここまでやられるともうホントに脱帽モノで、対抗意欲も失せてしまうが・・・もうすぐ春でもあるし、冬眠から覚めたらがんばってみようかと。
Festo社ホームページ
最後に:としちゃん情報ありがとうございます。さっそく記事アップしました。
追記:当記事アップ時点では気づいていませんでしたが、すでに一日早くYSFCの栗田さんが詳しく紹介されていました。内容がカブってしまいましたがあしからずご容赦ください
2011/04/03追記:再びYSFCの栗田さんがSmartBirdプロジェクトのアップデート情報を提供してくださいました。ありがとうございます。紹介いただいた新しい動画では、開発陣がプロジェクトに注いだ情熱と苦心、成果が鮮やかに描き出されていますね。すばらしい!
まさかあそこが羽ばたき機を開発するとは思いませんでした。開発に携わる各スペシャリストをネットで結び、そのノウハウをマネジメントすることが彼らのビジネス。でも、とてもドイツらしいアプローチで成功させているので、希望が持てます。高橋さんの新作機にも期待しています。
ここまでくれば言うことなしです。
身近に(ただし、あまり高価でなく)こんなものがあれば、ぜひ手に入れたいですね。
小生、16年前間まで日本航空にいて巨大な飛行機は嫌と言うほど見てきたのですが、このカモメの優雅な姿を見ると、大型機がみすぼらしく見えるような気がします。
ぜひ、折を見て拙ブログにもこのカモメの紹介をしたいと思いますので、ご了解下さい。