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岩手県山田町 海中捜索 津波跡の海を潜って PART2

2011-06-03 04:23:53 | ツアー・スクール
5月28日~29日の2日間、再び岩手県山田町の海中捜索へ行って来ました。
我々のボランティアチームとしては3回目。僕自身は2回目の参加です。
前回の模様はこちらをご覧下さい

震災から約2ヶ月半。1ヶ月半ぶりに訪れた山田町。
町の様子もだいぶ変わって来ていました。

震災直後の生々しさはかなり薄らぎ、瓦礫に埋もれていた町もだいぶ片付けられて、少しずつですが復興の気配が感じられます。
初めて行った時に感じたヘドロと潮の入り交じったような異様な匂いも今回は感じる事がありませんでした。

町じゅうに見られた自衛隊員の方の姿もすっかり減っています。
これからは民間の手でやると言う事なんでしょうか?
これは前進なのか後退なのか。内情を知らない僕たちには知る由もありません。


瓦礫の山が片付いた町並み。空き地ではありません。ここは住宅街だった所です。

瓦礫が片付いてキレイになったなぁ、という印象はあるのですが、家を失い、家族を失い、仕事を失い、収入が途絶えた方達の生活が必ずしも良くなったわけではありません。
一部の避難所は閉鎖され他の避難所への移動を余儀なくされたり、避難者の方への配給が打ち切りになったりもしています。
反面、仮設住宅294戸への入居が始まったという嬉しいニュースも届いています。
人的支援、物的支援、金銭的支援、すべてがまだまだ十分とはいえず、行政の手が届いていない部分も多く聞かれます。混迷の中、復興へ向けての道のりはまだまだ険しいような思いにとらわれました。


内陸部にあって津波の被害から逃れた「道の駅」(鉄道の駅ではありません)
中にはスーパーと食堂があり、ほとんどの食料品は買う事ができます。
近くにはコンビニやガソリンスタンドもあり、車のある人は来る事が出来ます。
食堂は麺類やカレー等の簡単なものですが、地元の方やボランティアの人達で賑わい、お昼時には行列が出来ていました。


スーパーには地元産の食料品が並んでいます。何故か沖縄のお菓子もいっぱい?


この、"のぼり" に勇気づけられる人も多いのではないでしょうか。
我々も元気をもらいました!



ここは、鉄道の「山田駅」無惨な姿を晒しています。


駅のホーム。線路さえも見当たりません。再開はいつになるのでしょう。




台風2号の影響が心配されましたが、霧に包まれた山田湾はいたって穏やかでした。

今回の捜索チームは、私山崎と、太田氏(埼玉/シーメイド)、三瓶氏(シーメイド)、高野氏(熱海/海心)、現地で活動を続けている橋川氏。ダイビングドットコミュの寺山氏、カメラマンの石丸氏のお二人も加わりました。

海でもクレーンによる撤去作業が始まっていて、家の残骸や船などの大きなものはほとんど引き上げられています。海底に山のようになっている漁網のかたまりなども順次撤去が行なわれています。

初回は水中の様子がまったくわからず手探りの状態でしたが、前回である程度感じがつかめたので、気持ち的にも少し余裕が生まれ、捜索活動もスムーズに進行出来るようになりました。また、家屋などの危険な場所がほとんどなくなったので、ある程度のスキルを持った方であれば捜索に加わっていただく事も可能になってきたと思います。

ご遺体の捜索がもちろん第一目的なのですが、水中の様子がどうなっているのか。重機を入れていい場所なのかどうかと言った事を探るのも潜水目的の一つです。
今回は養殖いかだの下など瓦礫がたまっていそうな所をピンポイントで捜索。深場の水深30m位が中心です。

水温は前回が6~7℃だったのですが、9℃くらいまで上がっています。
クレーンによる撤去作業で引っかかりが取れたのと、この水温の上昇に伴って、ご遺体が浮き上がってくる事が多くなって来たとの事。

震災から既に2ヶ月半以上。実はご遺体もかなり損傷しているのではと思っていたのですが、低水温のためか、揚収されたご遺体の写真を見るとまだきれいな状態でした。
これだけきれいな状態であればご家族の元へ返せる。
そんな思いを抱きつつ捜索にあたったのですが、残念ながら今回もご遺体の発見には至りませんでした。

今回はカメラマンの石丸氏がいらしたこともあり、私自身も思うところあって、あえてカメラは持たずに入りました。
水中の様子は寺山氏がWEBマガジン「ダイビングドットコミュ」にてレポートしていますので是非ご覧下さい。

Diving.comu 水中ご遺体捜索ドキュメント 陸上編
Diving.comu 水中ご遺体捜索ドキュメント 水中編



捜索のたびに船を出したりと協力してくださる漁師の白野さん(左)と井筒さん(右)
この日はお休みだったのですが、我々のためにわざわざ船を出してホタテや牡蠣を採って来て下さいました。いつも笑顔を絶やさず温かくもてなしてくださるのですが、お二人ともご子息を亡くされ、家も流されて避難所で暮らされています。
ご自身の養殖いかだは残っているのですが、今は漁協(行政?)の管理下にあるので、収穫はできても売る事は出来ず収入は閉ざされたままです。漁業復興への道筋もまだ見えてきていません。せめてこのお二人の息子さんだけでも見つけたいと思っているのですが、今回もそれはかなえられませんでした。

これからも出来る限りの支援を続けていきます。
山田町のみなさん、東北の被災地のみなさん。
復興へ長い道のりですが、がんばってください!


カゴにいっぱいの牡蠣と帆立をおみやげにいただきました。ありがとうございます!
後列左より:橋川氏、高野氏、寺山氏、太田氏、山崎、三瓶氏
前列左より:井筒さん、白野さん
(撮影:石丸氏)

岩手県山田町 海中捜索 津波跡の海を潜って PART1

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