米沢市の郊外では(むろん県内どこでもだが)耕作放棄地が増えて原野化し、一面に背丈の高さより高い茅が一面に生え茂る。しかし、一方では茅葺職人は激減し、しかも高齢化が著しい。茅葺屋根の建物は現代建築が覆いつくす中にあって今や地域住民の公共財産にしてふるさとのシンボル的存在。しかしその茅葺屋根の建物も激減。これでは地方から「ふるさと色」が消滅してしまう。いわば「日本沈没」に等しい。◆このような危機的状況の打開が行政はむろん政治家たちの「公約」に挙げられることは稀といえる。「保守」を自認する政党すらむしろ無関心のようだ。
◇上山の奇習「かせ鳥」やアメリカ先住民の住居のような形のものは茅葺屋根の葺き替えに備えて束ねて養生させている茅。
この茅葺屋根の古民家は居住用ではなく、裏手の方に現代型の住宅が建てられている。居住用でなくても茅屋根は維持されている。決して観光や蕎麦屋などに用いられているわけではない。