「マ-ティン&ルイス→貴明&憲武」の記事でふれたディーン・マ-ティン&ジェリー・ルイスのコンビは、日本では<底抜けコンビ>の名で人気者だったそうです。
この<底抜けコンビ>に、あたしゃゾッコンまいったよ、もう夢中!
寝ても醒めても、底抜け、底抜け・・・
60年近くも前に活躍したお笑いコンビに、ひとって夢中になれるものなんですね。
彼らの主演映画は、ほんとうにおもしろい。特に『画家とモデル』(1955)と『底抜けニューヨークの休日』(1954)は、何度観ても飽きない。ふたりが歌う劇中歌もすてきな曲ばかり。
だけど、まだ何かが足りない気が・・・
いまやわたしのアイドルとなったミスター・ルイスは、著書にこう書いている。
---なぜか映画では、マ-ティン&ルイスのエッセンスを表現することができなかった。ナイトクラブのステージや、初期のテレビ・バラエティでこそ、僕らの本領は発揮された---
そうは言われても、ナイトクラブでのライブを観ることは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンが実用化されるまではムリ。
しかあし、われわれには、動画投稿サイトという文明の利器があるのだ!
というわけでここ最近、Youtubeでマ-ティン&ルイスのテレビ動画をひたすら見ています。
彼らが出演していたのは、The Colgate Comedy Hourというバラエティ番組で、1950~55年にNBCで放送されました。M&Lの他にも、アボット&コステロやジミー・デュランテ等、数人のコメディアンがかわりばんこにホストを務めていたらしい。
M&Lは、おそらくいちばん若いホストだったはず。
最初に番組に登場したときの彼らは、コンビ結成からわずか5年しかたっていませんでした。
見てみると、これが・・・・・・・・・・・・
おもしろい!!!
番組の構成:
オープニングトークorコント
↓
ゲストをまじえてのコント
↓
モノローグなど
↓
音楽パート
↓
エンディング
という流れ。
コントパートは、さすがにちょっと古くさいと評する人もいるのですが、わたしはそうは思わない。現代の鑑賞にも十分耐えうるおもしろさだと思います。
バックステージものが多いのはアメリカのエンターテイメントの伝統なのでしょうが、特におもしろい発見だったのは、彼らがテレビというメディア自体をネタにしていたことです。
たとえば、こんなコント:
ジェリー・ルイスがカメラにむかって神妙な顔で、番組のスタッフたちに謝辞を述べている。
そこへスタッフのひとりが近寄ってくる。
ジェリーは「これがいつもお世話になっている○○さんです」とにこやかに紹介。
スタッフが「すまないジェリー、手違いがあってまだカメラが回ってないんだよ」と言った瞬間、
「ナニ!?カメラが回ってないってどういうことだよコラァ!!」と、いきなりスタッフをボコり始める(笑)
ADが焦って出てきて「カメラ回します!」
途端に笑顔にもどり、スタッフに謙虚にお礼を述べはじめるジェリー。
これを、執拗に何度も何度もくりかえすんです(笑)
まだ20代半ばのキュートなジェリー・ルイスが、アヒルのようなヘンな声(この声が大好き!)でくりひろげるマシンガントークが、とにかくすごい!回りで起こるすべてのハプニングを、即座に笑いに変えてゆく頭の回転の速さといったら!
他にも、ADのカンペをひったくって視聴者に見せたり、カメラに急に近づいて「フォーカス合わすの苦労するでしょ!?」とカメラマンをからかったり・・・やりたい放題。
いかがですか。わかっていただけますか、わたしが底抜けコンビになぜビビビと感じたかを!?
とんねるずと底抜けコンビには、大いに共通点がある!
Colgate Comedy Hourを見て、わたしの予感はほぼ確信に変わりました。
この番組のハイライトは、なんといっても音楽パートからエンディングに至るシーンでしょう。
音楽パートでは、M&Lが生バンドをしたがえて歌ったりしゃべったり。おそらくこれが、彼らがナイトクラブでやっていたステージにかぎりなく近い雰囲気なのではないだろうか。
ふたりは必ずタキシードを着ています。
(頭蓋骨のラインが実に美しいジェリー・ルイス・・・)
若くてハンサムな男性が、高そうなタキシードをびしっと着ている。それが二人もいるというだけでも華やかでセクシーなのに、彼らはタキシードを着たまんまで、飛んだりはねたりひっくりかえったりするんです!
時には互いのタキシードをビリビリに破きあったり、水をぶっかけあったり。
ディ-ンの甘い歌声にのって、ジェリーがでたらめのタップをふんだり。
ジェリーのへんな歌にディ-ンが呆れたり。
そんなディ-ンにジェリーが熱くキスしたり。
時たまディーンが放つ強烈なジョークに、ジェリーが素で爆笑したり。
割り込んでくるバンドリーダーにふたりして散々悪態をついたり。
満足したジェリーがディーンにキスしたり。
もうとにかく、ハグしてキスしてシバいてドツいて、またハグしてキスしてシバいて・・・
見ている方は、次の瞬間何が起こるか、まったく予想がつかない。
たぶんやってる当人たちもそうだったんでしょう(笑)
「ボクらはリクエストにこたえることはめったにありません。なぜなら何をやってるか自分たちでもおぼえてないからです!」
と、ジェリーが断言する場面もありました。
即興と偶然だけが生む笑いのパワー。それが、この番組で爆発しています。
細い体のどこにそんな力が、と思う程、ジェリー・ルイスのエネルギッシュな動きに圧倒される。
それでいて、どこか頼りなげで、あぶなげで、シニカルでもある。
そんないたずらっこジェリーをあたたかく受け止める、ディ-ン・マーティンの包容力。
このクレイジーなモンキー・ボーイが好きでたまらない、と彼の瞳は語っている。
彼がいるからこそ、ジェリー・ルイスはどこまでもクレイジーになれるのかもしれない。
一見いびつなコンビにみえる。
なのに、ふたりが並んで何かを始めるやいなや、すべてが吹き飛んでしまいます。
いったい、どこがどうおもしろいのか?
いやそもそも”コメディアン”としておもしろいと言っちゃっていいのかどうか?
この人たち、いったい何なんだ!?
そのわけのわからなさに、魅了されるんです。
タキシードにシルクハットのふたりが"Every Street's a Boulevard(in Old New York)"を歌い踊りはじめると、もう目が離せなくなる。
ミスター・ジェリー・ルイスに、いつか伝えたいなあ。
日本には、とんねるずという、あなた方によく似たコンビがいるんですよ、と。
彼らはもう30年も一緒にがんばっているんです、と。
ひょっとしたら、もう知ってるかもしれないけどね。
この<底抜けコンビ>に、あたしゃゾッコンまいったよ、もう夢中!
寝ても醒めても、底抜け、底抜け・・・
60年近くも前に活躍したお笑いコンビに、ひとって夢中になれるものなんですね。
彼らの主演映画は、ほんとうにおもしろい。特に『画家とモデル』(1955)と『底抜けニューヨークの休日』(1954)は、何度観ても飽きない。ふたりが歌う劇中歌もすてきな曲ばかり。
だけど、まだ何かが足りない気が・・・
いまやわたしのアイドルとなったミスター・ルイスは、著書にこう書いている。
---なぜか映画では、マ-ティン&ルイスのエッセンスを表現することができなかった。ナイトクラブのステージや、初期のテレビ・バラエティでこそ、僕らの本領は発揮された---
そうは言われても、ナイトクラブでのライブを観ることは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンが実用化されるまではムリ。
しかあし、われわれには、動画投稿サイトという文明の利器があるのだ!
というわけでここ最近、Youtubeでマ-ティン&ルイスのテレビ動画をひたすら見ています。
彼らが出演していたのは、The Colgate Comedy Hourというバラエティ番組で、1950~55年にNBCで放送されました。M&Lの他にも、アボット&コステロやジミー・デュランテ等、数人のコメディアンがかわりばんこにホストを務めていたらしい。
M&Lは、おそらくいちばん若いホストだったはず。
最初に番組に登場したときの彼らは、コンビ結成からわずか5年しかたっていませんでした。
見てみると、これが・・・・・・・・・・・・
おもしろい!!!
番組の構成:
オープニングトークorコント
↓
ゲストをまじえてのコント
↓
モノローグなど
↓
音楽パート
↓
エンディング
という流れ。
コントパートは、さすがにちょっと古くさいと評する人もいるのですが、わたしはそうは思わない。現代の鑑賞にも十分耐えうるおもしろさだと思います。
バックステージものが多いのはアメリカのエンターテイメントの伝統なのでしょうが、特におもしろい発見だったのは、彼らがテレビというメディア自体をネタにしていたことです。
たとえば、こんなコント:
ジェリー・ルイスがカメラにむかって神妙な顔で、番組のスタッフたちに謝辞を述べている。
そこへスタッフのひとりが近寄ってくる。
ジェリーは「これがいつもお世話になっている○○さんです」とにこやかに紹介。
スタッフが「すまないジェリー、手違いがあってまだカメラが回ってないんだよ」と言った瞬間、
「ナニ!?カメラが回ってないってどういうことだよコラァ!!」と、いきなりスタッフをボコり始める(笑)
ADが焦って出てきて「カメラ回します!」
途端に笑顔にもどり、スタッフに謙虚にお礼を述べはじめるジェリー。
これを、執拗に何度も何度もくりかえすんです(笑)
まだ20代半ばのキュートなジェリー・ルイスが、アヒルのようなヘンな声(この声が大好き!)でくりひろげるマシンガントークが、とにかくすごい!回りで起こるすべてのハプニングを、即座に笑いに変えてゆく頭の回転の速さといったら!
他にも、ADのカンペをひったくって視聴者に見せたり、カメラに急に近づいて「フォーカス合わすの苦労するでしょ!?」とカメラマンをからかったり・・・やりたい放題。
いかがですか。わかっていただけますか、わたしが底抜けコンビになぜビビビと感じたかを!?
とんねるずと底抜けコンビには、大いに共通点がある!
Colgate Comedy Hourを見て、わたしの予感はほぼ確信に変わりました。
この番組のハイライトは、なんといっても音楽パートからエンディングに至るシーンでしょう。
音楽パートでは、M&Lが生バンドをしたがえて歌ったりしゃべったり。おそらくこれが、彼らがナイトクラブでやっていたステージにかぎりなく近い雰囲気なのではないだろうか。
ふたりは必ずタキシードを着ています。
(頭蓋骨のラインが実に美しいジェリー・ルイス・・・)
若くてハンサムな男性が、高そうなタキシードをびしっと着ている。それが二人もいるというだけでも華やかでセクシーなのに、彼らはタキシードを着たまんまで、飛んだりはねたりひっくりかえったりするんです!
時には互いのタキシードをビリビリに破きあったり、水をぶっかけあったり。
ディ-ンの甘い歌声にのって、ジェリーがでたらめのタップをふんだり。
ジェリーのへんな歌にディ-ンが呆れたり。
そんなディ-ンにジェリーが熱くキスしたり。
時たまディーンが放つ強烈なジョークに、ジェリーが素で爆笑したり。
割り込んでくるバンドリーダーにふたりして散々悪態をついたり。
満足したジェリーがディーンにキスしたり。
もうとにかく、ハグしてキスしてシバいてドツいて、またハグしてキスしてシバいて・・・
見ている方は、次の瞬間何が起こるか、まったく予想がつかない。
たぶんやってる当人たちもそうだったんでしょう(笑)
「ボクらはリクエストにこたえることはめったにありません。なぜなら何をやってるか自分たちでもおぼえてないからです!」
と、ジェリーが断言する場面もありました。
即興と偶然だけが生む笑いのパワー。それが、この番組で爆発しています。
細い体のどこにそんな力が、と思う程、ジェリー・ルイスのエネルギッシュな動きに圧倒される。
それでいて、どこか頼りなげで、あぶなげで、シニカルでもある。
そんないたずらっこジェリーをあたたかく受け止める、ディ-ン・マーティンの包容力。
このクレイジーなモンキー・ボーイが好きでたまらない、と彼の瞳は語っている。
彼がいるからこそ、ジェリー・ルイスはどこまでもクレイジーになれるのかもしれない。
一見いびつなコンビにみえる。
なのに、ふたりが並んで何かを始めるやいなや、すべてが吹き飛んでしまいます。
いったい、どこがどうおもしろいのか?
いやそもそも”コメディアン”としておもしろいと言っちゃっていいのかどうか?
この人たち、いったい何なんだ!?
そのわけのわからなさに、魅了されるんです。
タキシードにシルクハットのふたりが"Every Street's a Boulevard(in Old New York)"を歌い踊りはじめると、もう目が離せなくなる。
ミスター・ジェリー・ルイスに、いつか伝えたいなあ。
日本には、とんねるずという、あなた方によく似たコンビがいるんですよ、と。
彼らはもう30年も一緒にがんばっているんです、と。
ひょっとしたら、もう知ってるかもしれないけどね。
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