先日のジェレミー・ブレット誕生日お祝いエントリーに、大きな反響をいただきありがとうございました。ジェレミー版ホームズは日本のファンがほんとうに多かったと聞きます。みなさん、ジェレミー愛いまださめやらずなのね、と実感してうれしくなりました。
ところで!
われらがジョンことマーティン・フリーマンが主演する映画『ホビット』公開まで、はやくも一ヶ月をきりました!
コメント欄で教えていただいたとおり、12月1日はホビット・デイ・イン・ジャパーン!
ななぬわんと、マーティンがついに来日!!!(*の、予定)
外タレさん来日にこんなに興奮したことって、ひさしくなかったわ~
彼のサングラスの趣味だけはよくわからないが
滞在時間1日の超強硬スケジュールらしいです。中つ国と姉妹都市提携をむすんだナニワの堺市に、マーティンがまさかの表敬訪問をしはしまいか!?というはかない願いは、露と消えましたが・・・
せめてマーティンに、ニッポンのスシやフジヤマを堪能していってもらいたかったですねえ。あ、いま脳内に、富士山をながめながら温泉につかってニコニコするマーティンの画がとつぜんうかんだ。頭にてぬぐいまでのせている。似合い過ぎだ!!
それにしても、はっきりいって世界的な知名度はまだいまひとつだったマーティンを、ピーター・ジャクソンが主演に抜擢した経緯には興味があります。
「シャーロック」撮影のために、マーティンは一時『ホビット』への出演を断念しかけたらしい。「FLIX」最新号に掲載されたインタビューによると、「シャーロック」をテレビで見たジャクソン監督が、撮影を延期してでもマーティンの『ホビット』主演を熱望したんだとか。
むろんビジネス上のポテンシャルを見てとったのでしょうが、ひょっとしたらピーター・ジャクソン自身が「シャーロック」のファンになっちゃったのかもしれない。なんとドラゴン役にベネディクトを起用して、“夢の競演”を実現させてくれたのですからね。ピーターもきっとファンボーイなのにちがいないわっ!
白状しますが、わたしは「シャーロック」以前に『ラブ・アクチュアリー』と『銀河ヒッチハイクガイド』でマーティンを見ていました。にもかかわらず、まっったくアンテナにひっかかっていなかった!
「シャーロック」でさえ、最初1、2回の鑑賞では、まだマーティンの良さはつかめませんでした。
ドラマの出来の良さ、雰囲気、シャーロックとジョンのバディ感、ベネディクトのバッチ感、etc、には、すぐ夢中になった。でも、マーティン=ワトソンにすぐビビッときたかといえば、それにはやや時間が必要だった。
何度目のリピのころでしょうか、たしか「ピンク色の研究」を観ていて、ふっと気づいたんです。
「ジョンの顔が・・・おもしろい」
顔というより、“顔芸”ですよねもう。
知らずしらずのうちに、ジョンの表情のリアクションを見て笑ったりハラハラしたりしてる自分がいた。この俳優は、なんて良い顔をしてるんだろう。なんてリアクションがうまいんだろう!
You went on The Tube like that? - Sherlock BBC
それに気づいてからしばらくは、目がマーティンばっかり追ってしまって困りました。ベネディクトがイヤんなったわけじゃもちろんない、見れば見るほどベネディクトにもホレていくんだけど、同時に、ジョンの表情をいちいち確かめたくてたまらなくなってしまう。
おもしろいことに、ジョンの表情自体は、じつはさほど大きく変わることってないんですよね。ジョンが笑う場面は意外にすくない。むしろシャーロックのほうが、笑ったり怒ったりのシーンが多いのです。
それなのに、マーティンの表情に惹きつけられるのはなぜなのか。
おそらくそれは、彼がとても微妙な、繊細な芝居を一貫してやっているから。ジョンを演じるにあたってマーティンが使ったのは「デッドパン」の技術にちがいない。
コメディアン自身がほとんど笑うことなく、無愛想な顔のままで笑いをとることを「デッドパン」という。代表的なのは「偉大なる無表情」ことバスター・キートンですが、現代にもたくさんいる。モンティ・パイソンのジョン・クリーズや、最近“卒業”を宣言したMr.ビーンのローワン・アトキンソン。ビル・マーレイもそうかな。日本でいうと、ずばり板尾創路ですな。
マーティンがワトソンとしてやっているのは、これに近いんじゃないか。
デッドパンの特徴として、笑いに威厳が出るというのがありますが、マーティンもデッドパンで演じることによって、ジョン・ワトソンのキャラクターに従来とはまったくちがう魅力を誕生させました。
男性的で、忍耐強く、BADASS。一見穏やかそうにみえるけど、もしかしたらこの男、いざとなるとシャーロックよりクレイジーなんじゃないか?視聴者にそんな印象をあたえるのです。
それでもなお、ジョンがある意味コミックリリーフ的な役回りをも担っているのは、やはりマーティン・フリーマンという役者が本質的にはコメディの人だから、なのかもしれません。
マーティンには、マイケル・J・フォックスの後継者的資質があると、わたしはずっと感じてるんです。たとえばマーティンが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の続編で、中年になったマーティ・マクフライを演じたって、違和感はないと思うんですよね・・・
Martin Freeman - Bruiser - Booth Buddy
マーティンが出演していたコント番組Bruiserより
The Office - Dirty Berty
マーティンを一躍有名にしたドラマThe Office
素顔のマーティンについて、わたしはほとんど知らないのですけれども、インタビューとかトークを見ていて感じるのは、見かけによらずどっしりと落ち着いた大人のオトコ、という印象です。
「シャーロック」にかぎっていえば、彼がジョンとしてだけでなくマーティン・フリーマンとして、ベネディクトをがしっと支えようとしているのを、言葉のはしばしに感じます。
媚びるとかじゃなく、ジョン・ワトソンを演じると決まった瞬間から、ベネディクト=シャーロックの最大の“ファンボーイ”になることをマーティンは決心したんじゃないだろうか。
Martin Freeman Wins Supporting Actor BAFTA in 2011
このBAFTA受賞後のインタビューでも、マーティンはベネディクトのシャーロックがいかにすばらしいかをえんえんと語っている。「撮影中にベネディクトが長ゼリフをしゃべるのを見て『うわあすごいな』と思うことがあるんだ」と・・・
「男の中の男」なんて表現は、すでに滅びつつあるのかもしれないけど、マーティンのこんな姿勢こそ、男の中の男だな、と思う。ゆるぎない自信や、自分を冷静に見る目があるからこそ、一歩引くことができる。
「シャーロック」の“ブロマンス”がこれほど多くのファンを魅了している理由も、じつはそこにあるんじゃないでしょうか?
「シャーロックはテレビ史上もっとも“ゲイ”なドラマだ」
「シャーロックとジョンの物語はラブストーリーだ」
---どちらもマーティンの言葉ですが、それはまさにこのドラマの本質をついているし、そういうことを堂々と言える大人の男ってかっこいい。
大人の男同士のかたく深い絆(しかし同時にそれは、もろくはかないものでもあるのだけれど)こそが“ブロマンス”(あるいは“バディ”)の魅力である。マーティンはそれをきわめて正しく理解しているんですね。頭の良いひとです。
『ホビット』のような超大作に主演しながらも、『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ』系列のB級コメディ最新作『ワールズ・エンド』に出演が決まっているマーティン。『ホビット』についても「自分の最大のプロジェクトだが、通過点にすぎない」と語っていたりする。
地に足のついた人ですね。クールです。可愛いです。お茶目です。見習いたいです。
これからはマーティン兄さん、いやマーティン師匠とよばせてください!
マーティン・フリーマン トリビュートビデオ サイコー!
仔猫、もしくは子犬でできてますね確実に。彼の笑顔はクセになります。数時間に一回は、見たくなる(笑)
私も最初はバッチバッチでした。いまもカンバーボーンではありますが、シャーロックの中で、シャーロックの引き立て役でもあり、実はジョンは視聴者ビューでもあり、ジョンの表情は私たちの感情そのままなのかなと思います。奇天烈なシャーロックに対する、私たちが感じた信頼と愛情と困惑と憤慨を、みごとに表現してくれているので、きっと見ていてマーティンの顔芸に共感(?)するんだなあって。
ライヘンバッハはまさにその集大成でしたね。そうか主役は…ワトソンだったんだ。と気づくわけですね。
そういえば見ましたよライヘンバッハ、やっと。そしたら見落としてるところがたくさんあって、かなり動揺しながら当時放送を見てたのかなと思いました。
真ん中が「涙が出てきちゃう」と言ったので、全部見終わった後、タネあかしをコマ送りにして、しましたよ(笑)大丈夫シャーロックは生きてるよ、ワトソンがそれを知らないだけ、と説明しました。
早く撮影はじまってくれーー
マーティンのサングラスは(笑)例えばポール・ウェラーもしてたよねソレ、とか。たまに思いますが、一昔前のタモさんみたいなときとかありますよねww
そしてライヘンバッハでも、やはりシャーロックはジョンとの関係について否定しないんですね(笑)
モリに、僕も同性愛者のトモダチ作ろうかなあ~とからかわれても、女ジャーナリストにあなた達はプラトニック?と攻撃されても、否定しない。
で、ドラマ冒頭、一緒にジャケット着て身支度してたりw(笑)、あーもういいや推測すんのやめた~って逆に思いますね!
ホビット楽しみです。プレミア、執念でゲットしましたので行ってまいります。マーティンがどのくらい仔猫なのか、見てきます(笑)
Nya's Manorのnyaです。以前に当ブログ記事をご紹介いただきありがとうございました。すっかりご挨拶が遅くなり申し訳ありません。
マーティンへのご高説。まさにまさにと同感しきりです。外見の愛らしさと肝の据わった男らしさのギャップに惹かれまくりでインタビューなどで人となりを知るにつれファン愛が深まる一方でもうどうしようと日々にまにましています。
ホビットは本当に楽しみです!来週のNZのプレミア皮きりにホビット月間はじまりますね。しっかりとマーティンの姿をこの目に焼き付けたいと思います~。
仰る通りですね!われわれはジョンの眼を通してシャーロックを見てる・・・
ファンビデオを見てても、たぶん意識せずジョンの視点で作られてるものが多いんですよね。
>ライヘンバッハ
えっ、おチビちゃんも涙が!?
あらまあ~なんてことでしょう(涙)
でも、いまこうしてシャーロックを観てることって、すごく財産になるでしょうね。
>マーティンのサングラスは(笑)例えばポール・ウェラーもしてたよねソレ
あ、なるほど、そういうことがあるわけですね。
さすがaikoさん!
タモさん(笑)そーなんですよー
>ドラマ冒頭、一緒にジャケット着て身支度
あのショット、たまらんですよね・・・
鏡の中で視線をあわせるって、あーたたち・・・
ジョンったらよくそれで「俺はゲイじゃない」なんて言えたもんだわ・・・
『ホビット』プレミアイベント行かれるんですね!!ああうらやましい!!
ぜひぜひ現地レポをよろしくお願いします!
ごあいさつもなしに、勝手にリンクを貼ってしまって申し訳ありませんでした。
nyaさんのシャーロック記事、いつも楽しみに読ませていただいています。
>ファン愛が深まる一方でもうどうしようと日々にまにま
もーシャーロックファンはみんな混乱してますね。あまりにも好きすぎて(笑)
マーティンは、可愛さと同時に、ベネディクトとはまた違うハングリー精神が
あの男気につながってるんじゃないか、と、あるファンの方は仰ってました。
そういうのはあるんでしょうね、きっと。
『ホビット』、指折り数えて待ってます!
以前からこっそり読ませていただいてます。感想や考察など拝見してモヤモヤしてたものが解消できて本当助かっています(>_<)
私も最初バッチバッチだったのに気付けばジョンを目でおっかけていて笑うシーンが意外に少ないというのもありジョンが笑ってると嬉しくて仕方ないです(^O^)
なんというか最近本当よくジョンがシャーロックに出会えてよかったって思うんです。(無論シャーロックにとってもですが)
シャーロックのおかげでハドソンママとも出会えてマイクロフトという兄さんもできて(兄さんと言うとちょっと違うかな?でもいつの間にか彼とも良い人間関係ができてるというか)あと近所のおじさんみたいなレストレードとか笑
なんかシャーロックは親しい知人や親戚等々いないジョンに新しい家族を作ってくれたような気がしてしまって。
バスカヴィルのジョンのブログの最後辺りでシャーロックが人間的になったみたいなことが書いてありますがジョンだってシャーロックと出会ったことで笑顔が戻ったんじゃないか…戦場のどっかに落としてしまった人間的な心をシャーロックが取り戻してきてくれたような気がするんです。
シャーロックとジョンの関係を好きすぎるあまりの行き過ぎた妄想でしょうかf^_^;
もうバスカヴィルでのラストのジョンの紫のシャツは彼シャツを着てる設定でいいよ…公式よ認めてくれって感じです。(いやデザインも色味もサイズも違うのはわかってるんですが(;^O^;)妄想が…)
ああそんな訳で私事をずらずらすみません。
まだライヘンバッハ怖くて見れないのでそれ関連の記事は読んでないんですがこれからも更新楽しみにしてます。
シャーロックとジョン、バッチ氏とマーティン氏&制作者様全てに乾杯です(^O^)/
(もしこんなファン達の光景をドイル先生が空から見てたらどうなんでしょうか
「おいおいまだお前らシャーロック好きなのかよ…」
とかいって呆れられちゃうんでしょうか(^O^)
でもそれでも偉大な先生には感謝をせずにはいられない…)
こっそり読んでくださって、本当にありがとうございます!^^
シャーロキアンのみなさんとシャーロック愛をわかちあえて、わたしもとても楽しんでます。
これからもどうぞよろしくお願いします。
ホビットの予告編を観るほどに、ビルボの可愛さに胸が高鳴ります。
そんなマーティン41歳!
私はプレミアの入場券はゲットしていませんが、さくっと行けるので会場あたりをウロウロしてみようかなぁ。
家にじっとなんかしていられないわ(笑)
もーそわそわどきどきですね。
テレビで報道されたりするのかな?最近テレビ見ないから見逃しそうでこわいな~~!
>そんなマーティン41歳!
わはは!言っちゃいましたねトシを(笑)
でも同世代として励まされるんですよね、じつは。
「冒険に行くんだ~」って駆けていくビルボにキュンキュン!!
ぜひ会場レポおねがいします!
思いがけない冒険でしたw
この極東の島国に!
英国代表コメディアン兼俳優が!
ほんとにこの目で見るまで…いやこの目で見た今でも、信じられません。
マーティンというのは私にとっては、フィクションの人なのです。つまり、シャーロックというドラマの一部であり、マーティンというよりは私にとってはジョンであります。
それが現実にそこにいたのです。もう感無量というか夢のようというか…ああ喋ってる、動いてる、笑ってる…ww
映画の感想はネタバレ防止で詳しくは書きませんが、とてもよかったです。祖国を、故郷を大切に思う気持ち。私たち日本人もたくさんの故郷を失いました。この映画は私たちを特別な気持ちにしてくれます。何度かぐっときました。
トーリン、ゴラム、ビルボ、ガンダルフの演技が素晴らしかった。
そして3DとCGだらけでも、素晴らしくリアリティのある物語、愛情あふれる心のこもった作品が作れるということを証明した映画です。
マーティンは…思ったより仔猫ではなく(笑)かっこよかったし、誠実さがにじみ出てました。
ちなみにジャクソン監督はさすがに早朝からのプロモづくしで疲れていたのかちょっと元気なかったです。お疲れ様でした。
そしてレッドカーペットと舞台挨拶を一番楽しんでいたのはイライジャ・ウッドでした(笑)まあご機嫌だこと(笑)ニコニコのウキウキなイライジャくんでした。いいなあ彼。
キャストのみなさんに日本に来てくれてありがとうと言いたいです。まさかまさかの、思いがけない冒険となりました。ほんとに感謝です。
ジョン・ワトソンは、シャーロックという戦場を、ギルボ・バギンズはドワーフ王国奪還の旅を、それぞれ冒険を深層心理では求めている、そんな主人公だなって思いました。マーティンの演技はそんなキャラクターを演じるのにピッタリです。
困る・無理だ・僕にはできない
でも、本当は、そこにつらなりたと思っている。
そんな微妙な演技を、あの、デッドパンの中の豊かな表情でもって、みごとに演じているのでした。
マーティン、もう、尊敬してるし、大好きです!!