チャンとした喋りって?・・・標準語と良く言いますが、私達の世界では標準ではなく共通語と言っています。というのは、日本語に標準はないからです。一般的にいう標準とは、例えば大きさとか長さといったサイズを表すものや、スピードとか重さといった記録を表すものに存在しています。標準といわれる数値の上下や左右は「標準より~だ」となってしまい、標準との違いが問題視されてしまう場合があります。日本語には、そのような標準になるものがありません。東北弁も九州弁も、チャンとした日本語です。東北弁で話しても九州弁で話しても、当然何の問題もありません。ただ、九州の人が東北弁で話しかけられた場合、同様に東北の人が九州弁で話しかけられた場合、理解が難しいというだけです。では、どのようにすれば全国の日本人がどこでも理解できる言葉はないものか・・・となって考案されたのが共通語といわれるものです。経緯は略しますが、東京の言葉をその共通のものとしよう、となったのです。東京でも方言はあるので(これについては次回以後に・・)、それらを除いたもので、下町でも山の手でもない中間の場所のものが選ばれたということです。それが、例えば私達のバイブルになっているアクセント辞典の礎になっているのです。チャンとした喋りには、まずその共通語を話すことが概ね出来ている必要があります。でも、それだけではチャンとした喋りの50%です。残りの50%は・・・また次回に。
ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏
http://www.mars.dti.ne.jp/~expert/