歌え!だらリーマン

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JALの失敗

2010年06月12日 | ツッコミ
写真は6月7日付けの日経夕刊。JALが株主優待券の発行をやめたおかげでANAの株主優待券の相場が上がっているらしい。JALやANAの株主優待券というのは、株主の持ち株数に応じてもらえる切符で、これを持っていけば正規運賃の約半額で搭乗することができる。早割運賃などとは違って、搭乗日の当日に予約する場合でも使えるなどと使いやすい。

JALがあのようなことになったのだから、株主優待券がなくなる、というのも論理ではある。しかし、株主優待のほかに、集客ツールの一種ではなかったのだろうか。ANAとJALが競合している路線で、正規運賃や早割運賃は同じ条件で勝負できる。しかし株主優待で搭乗しようという客はJALはもう獲得できないのである。株主優待券は運賃の割引券だから、使わずに乗ってもらえるのか航空会社としては一番うれしい。しかし、割引券がないからと、JALからANAに乗り換えた客も少なくないのではないか。

「株主優待券」などという名前が悪いのである。「株主の皆様ゴメンナサイ、せめてJALに乗って応援してくださいね券」とでもして発行を続けておけば良かったのではないか。

使用条件は従来の株主優待券と同じでもいいが、もっと効果のある変更をすればいい。それはANAと競合する路線だけが半額になる券にすればいい。それ以外の路線では使えなくてもいいし、あるいは25%引きでもいい。

するとどうなるか。金券ショップでの相場はANAの株主優待券より下がってしまう。つまりANAと競合する路線ではJALの券が安いので乗りやすい。つまり競合する路線ではJALの方に客が集まる可能性が高く、JAL再建の一助となるはずなのである。