悠歩の管理人室

歩くことは、道具を使わずにできるので好きだ。ゆったりと、迷いながら、心ときめかせ、私の前に広がる道を歩いていきたい

思い至らず

2020-06-07 19:10:40 | 雑記

盲ろう者は、手を触れあわないとコミュニケーションがとれないことに報道で気がついた。
指点字でも、手話をするにしても、相手の指や手に触れて行なう。濃厚接触は避けがたい。
濃厚接触を避けましょうと言うメッセージや、「3密を避ける配慮は相手への思いやり」
などの言葉が躍っていることに、なんとなく不快なものを感じてはいた。

また、障害者施設殺傷事件を題材にして、辺見庸氏が『月』という小説を書いている。
古河の図書館にはなかったが、北川辺図書館には置いてあった。
書評によるとかなりきつい内容らしい。読む覚悟ができず、同氏の別の本を予約した。
主人公の主張は、多くの人の意識にあるはずのものであるが、同感だとは言い難いが、
その意識を咀嚼することは、だれしも避けたいと思っている。私自身もそうだ。
だが、意識の底に押し込めて知らんぷりをすることも、きつい体験だ。
自分の内にあることなので、知らんぷりの先に、いつ目を出すかわからない不安がある。

アメリカでも、トランプ大統領が黒人差別を正当化する対応を取り、混乱している。
彼はある意味で正直と受け止められ、多くのアメリカ人も触れたくない問題なのだろう。
問題視する動き、論調も拡大しているが、トランプを弾劾することにならないのは、
彼に同調する意見が優勢であるからだ。
アメリカは、黒人を奴隷(所有物)として処遇した歴史を持つので、銃の所有と同じく、
アメリカの癌として、今後も付き合わざるを得ないのだろう。

自分たちの国はどうか。日本の武士階級が、農工商の上に立つ歴史はもう復活しない。
だが、「先祖は武士」という自尊心をいまだに披歴する一部の階層は存在するから、
根柢のところで、日本も他(ひと)のことは言えない。
これらの進化できない部分は、向後、何万年も引きずるのだろうか。

因みに、予約した本は『いまここに在ることの恥』~今日の話の要約のようだ