This is me.

- 無用の用 -

13『ホームレス中学生』田村裕

2008-02-09 20:19:48 | 本 2008
田村裕『ホームレス中学生』

【内容情報】
中学生時代の田村少年が、ある日突然住む家を無くし、近所の公園に一人住むようになる超リアルストーリー。
ダンボールで飢えを凌ぎ、ハトのエサであるパンくずを拾い集めた幼き日々から、いつも遠くで見守ってくれていた母へ想いが詰まった、笑えて泣ける貧乏自叙伝。



実は全く興味がなかったのだけど『陰日向に咲く』と一緒に貸してくれたので読んだ。
これ面白かった。あらすじにもあるけど、主に、母への想い、みたいな感じなの。最初も最後も。これが何とも言えない感じが出ててねぇ。切ない。

世の中にはもっと凄まじい生活をしている人も居るだろうけど、この人も相当苦労してる。
自分が実際にこの立場だったらどうなっていただろうなぁ~なんてふと考えた。


人ってやっぱり人が居ないと生きていけない。




12『陰日向に咲く』劇団ひとり

2008-02-09 12:26:29 | 本 2008
劇団ひとり『陰日向に咲く』

【内容情報】
「道草」「拝啓、僕のアイドル様」「ピンボケな私」ほか全5篇を収録。ホームレスを切望するサラリーマン、老婆を騙そうとする小心ギャンブラーら、落ちこぼれたちの哀しいまでの純真を、愛と笑いで包み込んだ珠玉の連作小説集。



こんな言い方は失礼だが、本当に本人が書いたの?って思った。ちょっぴり切ない部分があって目頭が熱くなった。5篇からなるのだけどそれぞれが微妙に繋がっていてとても面白い。

と言うのがざっくりとした感想。
少し細かく書くと、最後の終わり方が良いような良くないような。無理矢理終わらせた感がした。
最初から中盤はすごく面白かった。
おまけに短篇の中でも少しずつ区切られててとても読みやすい。どんどん読める。
それに言い回しっていうのかな?それが最初から中盤にかけてはものすごく良かった。うわ~こんなのどうやったら思いつくの?っていうフレーズがあちこちに見られて、すごく私好みだ。
特に最初の方なんかはちょっと凝り過ぎてて、なんか恥ずかしいような、そんな感じさえする。中盤になると適度な加減で書かれていて、それがいい。それが終わりの方になると、私が本の世界に慣れてきたからなのか、そういう言葉も少なくなってきたと思う。
それぞれの繋がり方も途中まではいい。丁寧に書かれた感じがした。しかし最後がなぁ~。決して悪くはない。だけど、途中の良さが目立ちすぎてて、なんだかな・・・っていう感じがした。

でも面白かった。なんか変な言い訳みたいだけど面白かった。
映画化されるんだよな。観てみたい。