漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0538

2021-04-20 19:01:56 | 古今和歌集

うきくさの うへはしげれる ふちなれや ふかきこころを しるひとのなき

浮草の 上はしげれる 淵なれや 深き心を 知る人のなき

 

よみ人知らず

 

 私は、浮草がしげって深さのわからない淵のようなものなのだろうか。あの人を思う深い心を知ってくれる人がいないのは。

 「知る人」は周囲の人ではなく、作者が思いを寄せる相手本人を指しているようにも思います。知る人のない思いの深さを、水草に覆われて深さのわからない淵に喩えるという発想の機智ですね。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。