漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0936

2022-05-23 06:53:54 | 古今和歌集

しかりとて そむかれなくに ことしあれば まづなげかれぬ あなうよのなか

しかりとて そむかれなくに 事しあれば まづ嘆かれぬ あな憂世の中

 

小野篁

 

 そうだからといって出家・隠遁することもできないのに、何か事があるとまっさきにため息をついてしまうのだ。ああ、つらい世の中だ、と。

 第二句の「そむく」はここでは世の中に背を向ける、すなわち出家・隠遁する意。第二句「そむかれなくに」の「れ」、第四句「まづ嘆かれぬ」の「れ」はいずれも自発の助動詞「る」の未然形で、「自然と~される」「~せずにはいられない」意ですね。



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