漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0277

2020-08-02 19:01:22 | 古今和歌集

こころあてに をらばやをらむ はつしもの おきまどはせる しらぎくのはな

心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花

 

凡河内躬恒

 

 あて推量で、折れるなら折ってみようか。初霜が置いて、それと見分けがつかなくなっている白菊の花を。

 百人一首(第29番)にも採録された名歌。白菊と霜を重ね合わせた「白」の美しさの情景です。見分けがつかないとはもちろん実際にそうだということではなく、「真っ白な美しい世界。霜と菊の見分けもつかないほど。」という想像上のものでしょう。
 「白が白を隠す」と言えば、同じ作者の 0040 の歌。月の白い光に白梅が紛れてしかとは見えず、花の香でそれと知る、という情景です。

 

つきよには それともみえず うめのはな かをたづねてぞ しるべかりける

月夜には それとも見えず 梅の花 香をたづねてぞ 知るべかりける

 

 



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