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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 267

2024-01-08 06:42:18 | 貫之集

ひととせに ふたたびにほふ むめのはな はるのこころに あかぬなるべし

一年に 二度にほふ 梅の花 春の心に あかぬなるべし

 

一年に二度美しく咲く梅の花は、春に十分満ち足りていないのであろう。

 

 一年に二度咲くとは、暦の上ではまだ冬の内から梅が咲いた様を表現したもの。
 この歌は、風雅和歌集(巻第八「冬」 第892番)に入集している他、後に藤原公任がこの歌を本歌取りして詠んだ歌も拾遺和歌集(巻第四「冬」 第256番)に入集しています。

 

うめがえに ふりつむゆきは ひととせに ふたたびさける はなかとぞみる

梅が枝に 降りつむ雪は 一年に 二度咲ける 花かとぞ見る