漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 160

2023-09-23 05:22:05 | 貫之集

十二月、人行きて梅を見る

ふるゆきに いろはまがへば うちつけに むめをみるさへ さむくざりける

降る雪に 色はまがへば うちつけに 梅を見るさへ 寒くざりける

 

十二月、人が行き交って梅を見る

降る雪と色がまぎらわしいので、ふと梅を見ても寒さを感じることよ。

 

 「うちつけに」は唐突なさま。最後の「ざりける」は「ぞありける」が縮まった形なので否定・打消しの意味はまったくないのですが、この語を見るといつも第一感として「あらざる」「見ざる」と言った語が頭に浮かんで、否定の意味かと思ってしまいます ^^;;