漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 151

2023-09-14 06:08:09 | 貫之集

鵜川

おほぞらに あらぬものから かはかみに ほしとぞみゆる かがりびのかげ

大空に あらぬものから 川上に 星とぞ見ゆる 篝火の影

 

鵜飼をする川

大空でもないのに、川上に鵜飼の篝火がまるで星のように見える。

 

 鵜飼が行われている夜、灯されるいくつもの篝火がまるで大空の星のように見えるという、なんとも幻想的な風景。同じく鵜飼の夜、まるで水底も燃えているようだと詠んだ 010 とともに、とても印象的な歌ですね。

 

六月鵜飼

かがりびも かげしるければ うばたまの よかはのそこは みづももえけり

篝火も 影しるければ うば玉の 夜川の底は 水も燃えけり