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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 055

2023-06-10 05:18:49 | 貫之集

もみぢばの まなくちりぬる このしたは あきのかげこそ のこらざりけれ

もみぢ葉の まなく散りぬる 木のしたは 秋の影こそ 残らざりけれ

 

もみじの葉が間断なく散ってしまった木の下には、木蔭も秋の風情もすっかりなくなってしまった。

 

 第四句の「影」に「(秋の)姿」と「(木の)蔭」の両義を持たせ、葉が散ってしまった木の下には木蔭はもちろん、そもそもの秋の風情すらも残っていないと、巧みに詠んでいます。