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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1055

2022-09-19 05:09:35 | 古今和歌集

ねぎごとを さのみききけむ やしろこそ はてはなげきの もりとなるらめ

ねぎごとを さのみ聞きけむ 社こそ はてはなげきの 森となるらめ

 

さぬき

 

 お参りに来た人の願い事をそれほどたくさん聞いてきたお社こそ、しまいには人々の「嘆き」の木で森になっていることでしょう。

 「ねぎごと」は祈りの言葉、願い事の意。「なげき」には「嘆き」と「木」が掛かっています。霊験あらたかな神社の話を聞いての詠歌でしょうか。
 作者のさぬきは、讃岐守であった安倍清行の娘。古今集への入集はこの一首のみです。