ねぎごとを さのみききけむ やしろこそ はてはなげきの もりとなるらめ
ねぎごとを さのみ聞きけむ 社こそ はてはなげきの 森となるらめ
さぬき
お参りに来た人の願い事をそれほどたくさん聞いてきたお社こそ、しまいには人々の「嘆き」の木で森になっていることでしょう。
「ねぎごと」は祈りの言葉、願い事の意。「なげき」には「嘆き」と「木」が掛かっています。霊験あらたかな神社の話を聞いての詠歌でしょうか。
作者のさぬきは、讃岐守であった安倍清行の娘。古今集への入集はこの一首のみです。