漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1024

2022-08-19 05:55:00 | 古今和歌集

こひしきが かたもかたこそ ありときけ たてれをれども なきここちかな

恋しきが 方も方こそ ありと聞け 立てれ居れども なき心地かな

 

よみ人知らず

 

 恋の思いが叶う方向というものがあると聞いていたが、立っていても座っていても恋しい気持ちは鎮められず、そういうものはないという気持ちであるよ。

 上記は「方」を「方向」の意と捉える解釈ですが、古来、「方法」の意とする説もあり、解釈が定まっていない歌。「方法」ととる方が、第四句の「立てれ居れども」との繋がりが良い気もしますね。