漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1023

2022-08-18 06:14:54 | 古今和歌集

まくらより あとよりこひの せめくれば せむかたなみぞ とこなかにをる

枕より あとより恋の せめ来れば せむ方なみぞ 床中にをる

 

よみ人知らず

 

 枕からも足元からも恋が迫って来るので、どうしようもなく寝床の真ん中でじっとしている。

 「恋」はここでは相手を思う自分の心のこと。現代の感覚では恋心は自身の内側から湧き上がってくるイメージと思いますが、当時は自分の外からやってくるものと考えられていたとのこと。迫りくる恋の病になすすべなく床の中で縮こまっている、というところでしょうか。