漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1009

2022-08-04 05:44:33 | 古今和歌集

はつせがは ふるかはのへに ふたもとあるすぎ
としをへて またもあひみむ ふたもとあるすぎ

初瀬川 布留川の辺に 二本ある杉
年をへて またもあひ見む 二本ある杉

 

よみ人知らず

 

 初瀬川と布留川とが合流するあたりに立っている二本の杉の木。あの二本の杉のように、年が経ったらまた会いましょう。

 二本の川と二本の杉、本来別々のものが合わさっている地を、遠く離れる二人(おそらくは愛しく思い合っている異性でしょう)の再会を期する象徴ととらえての詠歌ですね。