古今和歌集 0250 2020-07-06 19:21:11 | 古今和歌集 くさもきも いろかはれども わたつうみの なみのはなにぞ あきなかりける 草も木も 色かはれども わたつうみの 波の花にぞ 秋なかりける 文屋康秀 秋になると草も木も色が変わるけれども、海に咲く波の花には秋はないのだった。 「波の花」は、白い波を花にたとえて言う語。よくある比喩ですね。季節のうつろいとともに草木はその色を変えるけれども、白い波の花はどんな季節にも変わらない。それを「波の花には秋がない」と表現しています。